他では見られない銅製の煮沸釜が! かっこいい!!
創業時の人物を知って醸造所への思い入れが深まったところで、無料見学ゾーンへ。プレミアムツアーだと、ここでもブランドコミュニケーターのお姉さんが展示を案内してくれるので理解が深まりやすいです。
目玉の展示のひとつである、銅製の煮沸釜。サッポロビールの札幌第2工場で実際に使われていたものです。
高さ6.5m。容量は85kl。現在はステンレスの煮沸釜に取って代わったため、ここまでの容量の銅製煮沸釜が現存しているのは、おそらく日本で唯一だということ。
明治末期から半世紀使われていたという、ビール酵母の純粋培養装置も展示されています。サッポロビールならではの澄み切った味を決定づける酵母は、これでつくられてきました。
展示エリアには、開拓使麦酒醸造所の創業当時から民営へ移行し、大日本麦酒時代を経て現在のサッポロビールに至るまでの変遷の資料を閲覧することできます。
個人的に見ごたえがあったのは、ポスター。暦年のものが展示されており、時代背景が反映されているようでした。
注目は、写真一番左の水墨画風のポスター。岡本太郎の父親である漫画家の岡本一平が描いたものです。描かれているのは岡本太郎とその母、岡本かの子なのではと言われているそう。
近年のポスターも見どころが多く、かつては女優さんがポスターに登場することが多かったのですが、1970年代には石原裕次郎や三船敏郎など一世を風靡した男性俳優が登場。「男は黙ってサッポロビール」というキャッチコピーは当時のサッポロビールを印象づけたそうです。
創業当時の味を再現した超レアな「復刻札幌製麦酒」が飲める
ひと通り案内が終わった後はお待ちかねの試飲タイム。ここでも、ビール2杯の試飲が付きます。500円のツアーではありますが試飲もできるならオトクですよね。無料見学の場合、ビール1杯200円。
ここでしか飲めない「復刻札幌製麦酒」が飲めるのもサッポロビール博物館の楽しみのひとつ。創業当時の製法をできるだけ忠実に再現したもので、他では発売していません。しかも500円のプレミアムツアーの参加者ではないと飲めないということで、超レアです。
創業当時の製法といっても、環境が変わっているため、厳密な味の再現ではおそらくありません。それでも、現代のサッポロビールとかなり味わいが異なります。飲みやすくはありますが、酸味が強く雑味が多いような。
もう一方の試飲である黒ラベルと比較することで、ビールの歴史に感慨深いものを感じます。140年を経て現代の我々になじみのあるビールの味に成長してきたのですね!
試飲時にお姉さんが、工場と同様に3度注ぎについてレクチャーしてくれます。サッポロビールの持ちネタ。
なんでもサッポロビールは独自に開発をした「旨さ長持ち麦芽」を使用しているから、泡のもちが自慢ということでした。勉強になります!
黒ラベル、サッポロ クラシック、「開拓使麦酒」の飲み比べセットも試飲とは別途発売しているので、こちらもオススメ。600円で、ツアーに参加しなくても買えます。開拓使麦酒も創業時の味に近づけたもので、復刻札幌製麦酒ほど強烈ではありませんが、独特の味わい。といっても、この時すでにビールをさんざん飲んできている私は、正直味の違いがわからなくなってきました(汗)。これもまた醍醐味ということで!
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