ASUSは、6月16日に法人向けタブレット「ZenPad for Business」を発表しました。10.1型と、7型のSIMフリーモデル、WiFiモデルの3機種で展開。6月下旬以降より、テックウインドおよびシネックスインフォテックより法人向けに発売されます。
ZenPadと言えば、コンシューマー向けにも展開されている同社のAndroidタブレットのブランド。その法人向けである「ZenPad for Business」は、筐体や外観、主要スペックの大部分はコンシューマー向けと同じものながら、同社独自UI「ZenUI」を削除したAOSP(Android Open Source Project)に近いAndroidを採用し、かつ独自のモバイルデバイス管理システム「ADAM(ASUS Device Admin Management)」がプリインストールされています。
ADAMでは、端末でのUSBメモリーなどへの記録装置の読み取りを禁止したり、ナビゲーションバー、設定、開発者メニューなどを無効化したり、通常ではroot権限の取得などが必要なブートアニメーションを自社ロゴに変える機能などを備えています。
そして、ADAMには2つの運用方法があります。プリインストールされている端末単体で使う方法と、ウェブ上で一括設定・管理する方法です。端末のみで運用する場合、維持費などコストは不要。加えて、ADAMは設定のエクスポートとインポートにも対応しているため、複数台購入したとしても、1台ずつ設定をやり直す必要がないとのこと。
一方で、ADAM Webコンソールを使用する場合は、別途費用はかかりますが、任意のグループ単位での一括設定やリモートロック、メッセージの送信、リモートワイプ、端末状態の確認などが可能となります。
会場では、ADAMと連携するソリューションとして「iZE Smart Desktop」も紹介。ZenPadに非接触ICカード(FeliCa/Mifareなど)の読み取り装置を装着し、ICカードに紐づけられたユーザーごとにカスタマイズされたホーム画面を表示。利用できるアプリなども制限できるので、複数のユーザーが時間をわけて使用する公衆の場所に置くキオスク端末や、塾や学校の生徒端末としての利用などが期待できます。
また、iZEとの連携もあり、7型タブレット向けには、専用純正アクセサリー「ワイヤレス チャージング NFCケース」(別売4946円)を新たに用意。NFCアンテナのほかに、Qi規格での非接触充電も利用可能になります。なお、この純正アクセサリーについては、法人チャネルだけではなく、今後コンシューマー向けでの販売も予定されているようです。
なお、価格は10型WiFiモデル(M1000C)が2万8944円。7型WiFiモデルが2万1384円。7型LTEモデルが2万6784円。ほぼ同スペックのコンシューマー向けZenPadの10型WiFi(Z300C)が直販価格2万8944円。7型LTEモデル(Z370KL)が直販価格2万6784円と、値段は同一。「AOSPに近い環境で社内アプリなどを開発・検証して早期に導入したい」、「手軽にMDMを活用したい」という法人ニーズにはピッタリと言えそうです。
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