魔法のように靴がキレイになった!
いよいよ仕上げ。ワックスで靴を磨いたあとに水を含んだタオルでさらに吹くと、みるみる間に革に光沢感が出ました。
靴があっという間にピカピカと! 磨く前のものと比べるとその差は一目瞭然でした。
取材では簡易的に靴を磨いてもらいましたが、最後の行程であるワックスがけと水拭きを交互に時間をかけて繰り返すと、やがて革がエナメルのように輝くようになるんですって。
磨くことで靴がここまでキレイになるなんて! もちろん素人だとなかなかこうはなりません。熟練したプロの靴磨き師の技術によるものです。
靴磨き体験の所用時間は20分程度。短い時間で魔法のように靴がキレイになっていく様子を目の前で見られますよ。
さてさて、銀座街バル2016では、ほかにも落語、生け花、お茶、ハンカチーフづくりといった、文化的な体験を提供しています。それぞれチケット1枚で体験できるので、コスト的にもお手頃ですよね。靴磨きの次は落語も行ってみたいなと思いましたよ。
なお、それぞれ開催日時に指定があるので、興味がある人は銀座街バルサイトでスケジュールをチェックしてから足を運んでみましょう。
路上で靴磨きをやりたいけど、できるの?
ところで、私ナベコは30歳まじかにして大した資格もなく「いざなったら路上で人の靴を磨いてなんとかやっていこう」と漠然とした考えがありました。私にも靴磨きができるのでしょうか。長谷川さんに聞いてみました。
――私、路上で靴磨きをやりたいんですが、できますか?
長谷川さん:それはできないと思います。今は基本的には路上で靴磨きを営業してはいけないことになっていますからね。ごく少数の靴磨きの方だけ昔からやっていることで許可をもらっていますが、新しくおりることはないです。
――ガガーン。確かに最近は路上で靴磨きをやっている人を見かけない。スカンピンになったらどうやって生きていこう。
長谷川さん:ははは。でも最近も新しく靴磨きをやろうという人は増えてきています。今は僕の店のような靴磨き専門店も増えてきていますからね、そういうところで修行をするのが靴磨き師への近道かもしれません。
――長谷川さんの経営するブリフトアッシュはどういうお店ですか?
長谷川さん:青山骨董通りにある旗艦店はラウンジのような空間です。一足磨き上げるまで1時間程度かかるので、その間にお酒や飲み物を楽しんでいたただいたり、くつろいでもらえるように心がけています。
――お酒が! まるでバーのように利用できるんですね。
長谷川さん:フリードリンクもありますよ。青山のセレクトショップ内にある系列店舗はまさに「THE BAR」という名前です。そのお店ではお酒は出さないですが、バーのようなカウンターを構えて“シューシャインバー”をテーマにしています。それと札幌にもうひとつ系列店があります。
――ところで、カウンターを構えていますが、靴磨きってお客さんの足元にかがみこんでやるんじゃないんですか?
長谷川さん:路上の靴磨きはそうでしたよね。でも、それだとかえって恥ずかしく抵抗があるというお客さんもいます。
――確かに、かしずいてもらうみたいで人の目が気になるかも。
長谷川さん:そうでしょう。それにかがみこむと、なんだか靴磨きが下の身分のようじゃないですか。靴磨きはプロの技術職ですし、お客さんと対等の目線がいいと思うんですよね。
――カウンターに自分が履いている靴を上げてもらって丁寧に磨いてもらうと、少し気恥ずかしいけど爽快ですね。
長谷川さん:ありがとうございます。大切な靴ほど目の前で手入れされると嬉しいでしょうし、僕の店には物を大事にするお客さんがよくいらしてくれます。靴を磨くと、靴もそうですし履いているお客さんの顔もキラキラするんですよ。磨く前と磨いた後で表情が全然違うんです。
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