キー入力方法や音声認識などiOS側の課題も浮き彫りに
この筑波大学の学生と特別支援学校の生徒のiPadアプリを共同開発するという取り組みについての感想は、別の生徒が登壇して解説。学生、生徒の双方のモチベーションアップにつながったそうだ。
文字入力や音声認識機能については、特別支援学校の別の生徒からも熱い要望があった。まず、iPhoneをiPadのキーボードにできるようにしてほしいという要望。教諭の白石氏によると、ソフトウェアキーボードがiPadの画面の下に表示されてしまうと、自分の手や首の可動域ではその上に入力された文字が見えづらい、ボタンが押しにくいといった生徒がいるとのこと。iPadのソフトウェアキーボードよりも外付けキーボードのほうが文字入力は簡単だが、荷物が増えるというデメリットがある。この要望については、アクセシビリティ機能の1つとしてアップルに標準搭載してほしいところだ。
次に、構音障がいがあるとiPadの音声認識やSiriに話かけても「すみません、うまく聞き取れませんでした。」と返されてしまうことを、自らの体験を交えて紹介。iPadに搭載されている音声認識機能では、構音障がい者の音声は正しく認識されないことが多い。こちらも、ビックデータを活用して話すスピードや発音のクセの解析能力を高めれば解決できる問題かもしれない。
共同プロジェクト発足から3年、アプリ開発の道に進む生徒も登場
筑波大学の学生と特別支援学校の生徒とのiPadアプリ開発プロジェクトが始まって3年。学生も生徒も卒業や就職などで代替わりするため常に同じメンバーが活動しているわけではないが、プログラミングの仕事に就きたい学生や、障がい者が使いやすいアプリの開発を勉強したい生徒も出てきているそうだ。実際にこの3月で特別支援学校を卒業する生徒の中には、プログラミング勉強のために理系の大学に進学する人もいるという。
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