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近い将来の大地震に、みんなで構築する地震速報

みんなのスマホが緊急地震速報システムの一部になる「MyShake」

2016年02月15日 16時24分更新

MyShake:北米地域だけでなく世界に緊急地震速報を広げることも可能

 カリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley)は2月12日、緊急地震速報用スマホアプリ「MyShake」を発表した。

 これはUC Berkeley地震研究所や米国地質調査所、カリフォルニア工科大学などを中心に、ドイツテレコムや防災科学技術研究所などの協力によって開発されたアプリ。気象庁などが提供する緊急地震速報を受信するのではでなく、ユーザー各自のスマホが内蔵する加速度計から地震の揺れを拾ってクラウドに送信、地震速報として再配信するしくみ。

アプリでは緊急地震速報のほか、地震への対処などが説明されている 

 もちろんスマホなので確実に地震の揺れを検出できるわけでなく、持ち歩いている時などは正確に揺れ情報を感知できない。研究では110×110kmエリア内に300のスマホがあればあれば十分信頼のおける地震速報となり、1秒未満の警告が揺れの到達前に可能としている(システム上、インストールされたスマホが多ければ多いほど精度が高くなる)。

さまざまなスマホを机に置いて、それぞれがどのような揺れを感知するのかを検証したという 

 すでに2014年からiPhone用アプリ「MyQuake」が公開され、試験的に運用されている。さらに多数のユーザーがインストールできるように、新たにAndroid版「MyShake」が公開された。加速度センサーを常時監視するアプリながら、できるだけ省電力に努めているという。

MyShakeの解説。「クールだね俺も入れてみるよ」、「ワォ! 地震だ!」とか軽い感じなのが妙に興味深い 

 とくにカリフォルニアでは、近い将来にサンアンドレアス断層が地震を起きると予想されている。米国では日本のような稠密な地震観測体制と速報システムを持たないことからこのような(自主的)対処が必要となるわけではあるが、来るべき次のサンフランシスコ地震の被害軽減に役立つことを願うばかりではある。

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