グーグルが銀行をやる可能性の方が高い
まず瀧取締役は「金融のグーグルが出てくるよりは、グーグルが銀行をやる可能性の方が高いのでは」と述べた。
「ほとんどの人類がGmailを使いながら、かなりセンシティブな情報を安心して預けている。そして、それに対してきっと何か悪いことはしないだろうという期待値を持っている。そのような期待値から、金融ビジネスが直接生まれるかというと、すぐには難しいだろうと」(瀧取締役)
瀧取締役は「グーグルに裏切られたら社会的な生活が成り立たなくなる。そこまでの付託と、究極の情報ビジネスである金融は、現在の期待値では共存しにくい」とまで言っていた。それくらい、私たちはプライバシーをグーグルに預けているということでもある。
飯田氏は「フロント(エンド)は近しいので親和性がある」という立場だ。
「金融以外でも海外のサービスを使うことは増えた。海外のサービスが増えたことによる危機感はある」(飯田氏)。一方、「未来を予測する最善の方法は、自ら未来を創造することである」とドラッカーの言葉を引いて話していた。
最後に藤井氏は「金融世界においてはブロックチェーンだろう」と予測。
「飛行機会社の『ONE WORLD』のようなものとして、少し大きめのネットワークがいくつか出来ていくのでは」(藤井氏)。鼎談ではあまり触れられなかったが、ポイントサービスのようなシステムにブロックチェーンが入りこむことで、大きく決済まわりが変化していくことはじゅうぶん考えられるだろう。
鼎談では総じて「銀行vs.Fintechベンチャー」という構図のみならず、銀行が率先してFintechベンチャーをとりこみ、あるいはFintechベンチャーへの投資環境を整えていきたいと考えている風情があった。
VRとおなじように、日本では立ちあがったばかりのFintech。金融業界に風穴があくかどうかは案外メガバンクの動き次第かもしれない。ブロックチェーンによるDB技術をふくめて、今後各社がどう動いていくのか展開に注目が集まる。
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