「週刊アスキー 特別編集 冬の超お買物特大号」の発売を記念して、編集部員やゆかりの深いライターに「いま、ほしいもの」を聞く本企画。今回は本誌にもたびたび原稿を書いていただいている平澤 寿康氏に聞いた。平澤氏のほしいものはこちら。
Windows Home Server 2011のサポートが切れちゃう!
現在筆者宅では、ファイルサーバー兼クライアントPC(ノートPC)バックアップ兼セルフクラウド用途として、自作PCにWindows Home Server 2011(WHS 2011)をインストールして運用している。WHS 2011は、マイクロソフトの家庭用サーバーOSとして鳴り物入りで登場し、強力なクライアントPCバックアップ機能やリモートアクセス機能などを備えることから、“ごく一部”のユーザーの間で大いに話題となった。筆者もそのひとりで、初代WHS登場直後から運用を開始し、WHS 2011を経て現在でも自宅サーバーとして便利に活用している。
ただ、困ったことにWHSシリーズはWHS 2011をもって開発が終了し、後継OSが登場しないことになってしまった。その最大の理由は、先ほど“ごく一部”のユーザーという言い回しをしたことからも、なんとなくおわかりかもしれないが、とにかくまったくもって売れなかったからだ。
目指すところは非常に明確だし、一般家庭でも便利に活用できるのは間違いないのだが、やはり“サーバー”と名の付く製品を一般ユーザーに売ろうとしたのが、ある意味無謀だったのだろう。売り方が違えば、展開も変わっていたと思われるので、非常にもったいなかったと筆者は考えている。
そして、WHS 2011のメインストリームサポートが、2016年4月12日に終了してしまう。できることなら、このまま使い続けたいところではあるが、サーバーOSをサポート終了後も使い続けるのは無謀。というわけで、それまでにWHS 2011の後継システムを構築しなければならない。猶予はもう半年もなく、かなり焦っているのだった。
後継候補はあるけど、踏み切れない理由
後継システムの候補としては、すでにいくつか選択肢を考えている。
1つは、Windows 10をサーバー用途で活用してしまうというもの。Windows 10には「記憶域スペース」機能が盛り込まれており、Windows Server同等の高度なストレージ管理が行える。サーバー運用で最も面倒なのがストレージ管理なので、記憶域スペースが利用できるという点は大きな利点となる。OS自体の価格の安さも魅力だ。
ただ、サーバーOSではないので、ネットワーク機能はどうしても弱くなる。特に、リモートアクセス関連の機能は、別途自分でどうにか構築する必要がある。マイクロソフトのクラウドサービス「OneDrive」と組み合わせるという手段もあるが、自宅で管理しているファイル容量を考えると、それもかなり難しい。ということで、この手段は保留。
もう1つは、Windows Server 2012 R2ベースのスモールビジネス向けサーバーOS「Windows Server 2012 R2 Essentials」を利用するというものだ。スモールビジネス向けとは言っても、本格的なサーバーOSなので、記憶域スペース、リモートアクセス、クラウドとの統合など、とにかくなんでも来いな感じで、機能的には文句の付けどころがない。
ただ、残念なのが価格で、安いところでも6万円前後。本格的なサーバーOSと考えると十分に安いのは事実だが、やはりちょっと躊躇する金額で、かなり前から考慮しつつも、なかなか踏ん切りがつかなかったのだ。
PCは、現在WHS 2011を運用しているものを流用すればいいので、そこはコストがかからないと思うが、できればもう少しリーズナブルだとうれしいところだ。
本命は「Windows Storage Server 2012 R2 Essentials」
そんな感じで、どうするかいろいろと考えていた2015年春、これはWHS 2011後継OSの本命でしょ! という製品が突如登場した。「Windows Storage Server 2012 R2 Essentials」を搭載するNAS製品だ。このOSは、れっきとしたWindows Server 2012 R2をベースとするサーバーOSだが、NAS向けに特化されている点が大きな特徴。NAS特化ではあるが、記憶域スペースは利用できるし、リモートアクセス、クライアントPCのバックアップやレストア機能などはしっかり盛り込まれているので、ほとんどWHS 2011同等に運用できそうだ。
ただし、Windows Storage Server 2012 R2 EssentialsはOS単体での販売は行なわれず、ハードウェアにインストールされた状態でしか提供されない。OSが単体販売されるなら、かなりお安くWHS 2011後継として運用できそうなので、そこがちょっと残念な部分。
とはいえ、ハードウェア込みでも、実際の金額はそんなに悪くなかったりする。Windows Storage Server 2012 R2 Essentialsを採用し、3.5インチHDDベイを4基搭載する、Thecus製の「Windows Storage Server 2012 R2 Essentials NAS 4Bay Extended model W4000+」は、実売価格が6万8000円前後。OSは内蔵SSDにインストールされているが、データ保存用HDDは非搭載なので、HDDは別途必要となる。それでも、4基のHDDベイを備える高性能NASもHDDレスで同等の金額で販売される例が多く、特に高いということはない。
なにより、Windows Server 2012 R2ベースで、記憶域スペースを活用できるため、ストレージを簡単に拡張できるし、何かトラブルがあった場合でも、別途PCでデータを簡単にサルベージできるなど、運用面でもかなり楽になると見込んでいる。
というわけで、もうすでに買う気満々だったりするので、これから4月のWHS 2011サポート終了までに頑張って資金を貯めたいと思う。
平澤寿康
まだまだPCから離れられない、根っからのPCライター。2-in-1やタッチ対応もいいけど、やっぱ軽くて電池が持つハイパワークラムシェルが理想。気概のあるメーカーさん、期待してますよ!
平澤氏のほしいものはまさかのサーバー。しかもかなり切迫しており、候補を吟味していることが見て取れる。さて、平澤氏のようにやむにやまれず買い替える、という場合もあるだろう。そこで悩むのは自分にあった製品をどうやって見つけるか。もし、デジタルガジェットの買い替えで考え込んでいるなら、ぜひ販売中の「週刊アスキー 特別編集 冬の超お買物特大号」を手に取ってみてほしい。
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