※週間リスキーはアックン・オッペンハイマーとやんちゃデジタルKidsたちがテクノロジーとサブカルチャーの交差点からお届けする、たいへんマニアックなコーナーとなっております。初見の方はご注意ください。
ACCN 前戯苦手なんでいきなり始めますが、我々は深センにおります。
山根博士 今回は、ちょっといつもとは違う市場へ行ってみましょうか。
──てくてく……。
ACCN ……まだですか?
山根博士 安心してください。着いてますよ。
ACCN ……ゴミしかないじゃないですか。
山根博士 チッチッチ、ゴミと思うからゴミなんです。お宝ですよ? 私なんて見ただけで大興奮……って、よく見たら思いっきりゴミばっかだな。
ACCN 路上でこんなにたくさん……。iPhoneのパーツが多いですね。
山根博士 まぁ、ここにあるのは破損品から外したパーツとか、工場で検品してダメだったモノとかで、そのままマトモに使えるものはごくわずかですよ。
ACCN Galaxyも結構ありますね。
山根博士 ディスプレー裏のフレキを外せば、使える場合もありますから。
山根博士 こうして見ると、路地に溢れ出ているのは出荷台数の多い端末の部品ばかり。こんなところからも実際、世の中でどんなスマホが流行っているかがわかるってワケ。
ACCN でもコレ、どんな人が買うんですか?
山根博士 修理屋とかがパーツの一部だけを求めて買ったりします。海外から来て、ここでパーツを買い漁る連中もいます。中国でつくられたパーツがまとめられて世界へ旅立ち、また戻って来てバラバラになって第二の人生を歩むワケです。さ、ビルの中に入ってみましょう。
ACCN 中は一応、端末のカタチをしたモノがありますね。
山根博士 ココはね、実は「ノキアの墓場」と呼ばれているんですよ。あ、私が勝手にそう呼んでいるんですケドね。なかなかヤバイ場所ですよ。
ACCN はっ、確かに全盛期のノキアの端末で溢れかえっています。
山根博士 キホンすべて部品取り用。10台くらい買えば1台動く端末を組み上げられる的な。ボディーも探せばこの辺で買えるでしょう。
山根博士 コッチは中古の整備(リファービッシュ)品。動く保証はありません。
山根博士 案外、状態いいのが多いなぁ。いくつか買っておこう。
山根博士 今となってはLumiaの最初のモデルも中古屋では見つけにくいでしょ。ここならこうして整備されて売っているんですよ!
ACCN 懐かしいですねー。この色のLumiaが出てきたときはワクワクしたなぁ。
山根博士 あーっ、8850が積まれている!
ACCN え?
山根博士 ここですよ、ここ。ショーケースに積んであるでしょ! メタリックボディーの高級ケータイ。すんごく高かったんだから。知らない? その横はN90シリーズかな。
ACCN ……ふーん。あ、博士が墓石にしてほしいと言っているアレですよ!
山根博士 おおっと! 久々に見つけたなぁ。今だにコレを超える端末に会ってないもんなぁ……。
ACCN ノキア以外の端末もありますね。
山根博士 まぁ、あの時代(といってもわずか数年前ですが)を象徴するのはなんといってもノキアで、そのほかってカンジは否めませんが。
ACCN あれ、何か踏みました。
山根博士 ここら辺一帯はフルキー端末墓場。落ちているのはたぶん再生パーツでしょう。サイズが合わないとかで捨てられちゃったのでは?
ACCN 日本語キーパッドとかネットで探しまくりましたが、ここ発だったのですねー。
山根博士 ん~、やはりキーボード端末はたまりませんね!
ACCN あ、BlackBerryもたくさん出てきましたよ。
山根博士 iPhoneが出る前は、いろんなメーカーがフルキー端末を出してましたね。探せばまだまだまだ出てきますよ。
ACCN では、レアなフルキー端末の発掘(購入)勝負しません? 動作したほうが勝ちということで!
山根博士 お、いーですよー! でもまぁ動いたらラッキーといった具合でしょう、なんせ墓場ですから。
ACCN では、よーいドンっ!
──数分後……。
山根博士 これ、発売当時は買えなかったんだよね。スライド式キーボード、大人のスマホってカンジ。
山根博士 ふっ、可愛らしい……。
ACCN 博士のソレ、キーボードが濡れていますよ。さすがに動かないのでは……。
山根博士 え? あ、ホントだ……。まぁ、ここにあるのは見た目が綺麗でも基本的にジャンク。動いたらラッキーと思わないと。
──数時間後……。
山根博士 これぞ端末愛。「オマエを蘇らせたい」という情熱で電源が入ったのです!
山根博士 昔のBlackBerryの画面、懐かしいなぁ。
山根博士 このバッテリーもここで買ったジャンク。200円くらいだったかな。
山根博士 当時は独自端子氾濫期で、コレも革新的でしたよ。
ACCN んー、端末変態度ではアテクシの負けですなぁ。しかし「ノキアの墓場」はホント言い得て妙ですね。ひと昔前は宝だったモノがこんな扱いなんて……。
山根博士 ここは「古き良き時代の思い出を買いに来る」場所なんです。昔のノキアの美品が売っていても、動くだろうかなんて考えちゃダメ。動かなくても心の中で動いている姿を想像すればいいの。まだまだこんな場所があるから、深センの電脳街通いはやめられないんですよ。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります