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中華電動コンポはちょっと旧いロードバイクを救う

2024年02月11日 07時00分更新

狙いどころがニッチで良かった?

 EDSでもっともメリットがあるのは、ちょっと旧いロードバイクのオーナーです。大手コンポメーカーに見切りを付けられたリムブレーキのロードバイクも、これで電動シフト化できる。かつ電動コンポが用意されない10速以下にも対応できるわけですから、これはカスタマイズの楽しみが広がります。

 例えばうちに9速時代のデュラエースで組んだメカニカルディスクの自転車があるんですが、電動化するとシフターの横にビヨーンと伸びたシフトケーブルが消えます。すると見た目スッキリ。

 そして途中から露出しているシフトワイヤーに泥が着くこともなく、頻繁に調整の必要なワイヤーの面倒も見なくて済むというメンテナンス上の利点も加わります。

 もちろん見逃せない弱点もあります。まずバッテリーが内蔵式でユーザー交換不可という仕様。バッテリーが寿命を迎えた際の交換プログラムも今のところは提示されていません。

 EDSと同じフルワイヤレス式コンポで先行しているSRAMは、前後ディレイラーのバッテリーはデジカメのようなカートリッジ式です。予備さえあればバッテリーが切れても即交換できるし、リアのバッテリーが切れてもフロントと差し替えたら変速可能という便利な仕様です。

 カンパニョーロも同じカートリッジ式バッテリーでフルワイヤレス仕様ですが、前後別形状のカートリッジのため差し替えができません。これはSRAMがバッテリー周りのパテントを持っているからで、EDSの仕様もおそらくパテント回避のためだろうと推測します。

 もうひとつEDSで残念なのは、個人的に電動コンポ最大のメリットと感じているシンクロナイズドシフトの機能がないこと。シフトボタンを押していくと、アウターローやインナートップに当たる前に、フロントディレイラーとリアディレイラーが協調して変速してくれる、あの超絶便利な機能がありません。ワイア巻き取り式レバーの重さから解放されるだけで十分かも知れませんが、せっかく電動にするならシフトスケジュールもプログラムできるようにして欲しかった。

 結論としては、中華電動コンポの登場で一気にコモディティ化が進むのかと思いきや、案外とマニアックなところを突かれて、パーツ遊びの幅が増えてしまったぞというところ。

 雪が溶けてEDSの試乗車が店頭に並ぶだろう春が待ち遠しい。それではまた。

 
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