ほぼ4万円はアリ? 新しい「AirPods Pro」の“買う価値”を考察(山本敦)
もの足りなかったふたつのポイント
第2世代のAirPods Proについて、筆者が2点物足りなく思うことがあります。ひとつはApple Musicで配信されているロスレス音源が、ネイティブ音質のまま聴ける新しいソリューションの発表が今のところないことです。筆者は発表後から今もこの点については取材を続けているので、何かわかったことがあればまた報告します。
もう一点は、今のところ「カラバリ」の発表がないことです。iPhone 14 Proに「Deep Purple」が誕生したのだから、音楽ファンに愛され続けているAirPods Proにも「Black Sabbath」や「Pink Sapphire」とかを、そろそろつくって欲しいです。
高級ワイヤレスイヤホンの満足感
カギを握るのは「アップデートによる進化」
さて、第2世代のAirPods Proの価格は3万9800円です。参考まで、2019年10月30日に発売された当時、初代AirPods Proの価格は3万580円でした。
左右独立型・完全ワイヤレスイヤホンの市場を見渡すと、AirPods Proの値段の位置付けはかなりの「高級機」になると思います。AirPods Proだけができること、使ったら絶対に幸せになれそうなことを冷静に見つめ直せば、この価格は納得できるところもあるのですが、ワイヤレスイヤホンのスタンダードはもう飛び越えてしまったことは確定です。ここに「我も続け!」と、高級オーディオブランドが参戦できれば良いのですが、そこにはApple H2チップだからこそ実現できるイノベーションの数々が圧倒的な壁となって立ちはだかります。
アップルは2019年に初代のAirPods Proを発売してから、空間オーディオとダイナミックヘッドトラッキングを含む高付加価値機能を「無料のソフトウェアアップデート」により追加してきました。これからの数年でもきっと、新しいAirPods Proのユーザーにはたくさんの幸福が訪れることでしょう。そのことを期待して、新しいAirPods Proをいち早くポチっても大いにアリだと思います。
訂正とお詫び:初出時、一部表記に誤りがございましたので、訂正いたしました。(2022年9月11日)
筆者紹介――山本 敦
オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。
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