iPhoneを中核にさらに強まる「アップル製品連携」WWDCから見える今後の戦略
各OSで「同じ機能」が提供される強み
WWDCでは、各機能をそれぞれ「OSごと」に紹介することが多い。だが実際には、機能の詳細こそ異なる場合が多いものの「アップル製品の特定OSにしかない機能」というのは減りつつある。
多くの機能がネットワークで連携する形で複数のOSに搭載され、どの機器からも利用できるパターンが増えた。結果として、「この機能、結局どのOSではどう使えるんだっけ?」と戸惑うこともあるのだが、ただそれよりも、「どの製品からも同じように使えるのでシーンを選ばない」という利点が生まれている。
特に、画像認識を中心としたAI関係はこの恩恵が大きい。
2021年のOS(iOS 15、iPadOS 15、macOS Monterey)から、画像内の文字やバーコードを認識して利用する「テキスト認識表示(Live Text)」という機能が搭載され、どのOSからでも「画像内にある情報を、目で確認してタイプしなおす」ことなく使えるようになっていた。
ただ、従来は日本語に対応していなかったのでそれを理解した上で、オプションで「オン」にして使う必要があったが、2022年の新OS(iOS 16、iPadOS 16、macOS Ventura)からは、正式に日本語に対応する。新たに「ビデオ映像内のテキスト情報認識」にも対応し、このあたりの機能は特に充実が著しい。
これが実現できているのはまさに、各OSを開発する中で同じリソースが有効活用されているからに他ならない。ほかにも、Safariの改良や認証などの機能は、各デバイスでの共通項が特に多い部分と言っていい。
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