ヨーロッパの最西端、ロカ岬から、飛行機を使わずに日本へ帰る旅を思いついた旅バカライター中山です。前回はスペインのバルセロナからポーランドのワルシャワまで、超特急を乗り継いで移動してきました。
前回までのルート。移動時間だけで計算すると、西端のロカ岬からワルシャワまで3日で移動したことになります。 |
【3月12日~13日:ポーランド→リトアニア】
■今回唯一の長距離バス移動
ユーラシア大陸を陸路で移動するのですが、モスクワからウラジオストクまでは、シベリア鉄道を使って移動する予定です。そこで、ワルシャワからモスクワまでの移動が必要なのですが、大きく分けて3つのルートがあります。
地図で大まかに書くと、こんな感じの3つのルートになります。 |
ひとつは、ウクライナを経由してモスクワに入る南周りのルート。これは、現在のウクライナとロシアの情勢を考えると、安全性に不安があるのでパス。
もうひとつは、ベラルーシを通過してモスクワに入る中央ルート。ワルシャワからダイレクトにモスクワに向かえるのが魅力ですが、ベラルーシへの入国はビザが必要となります。ネットでベラルーシのビザ申請の方法を調べたのですが、途中下車をしないトランジットビザでも、あらかじめ旅程を決めて申請する必要があるようで、これもパス。
最後に目を付けたのが、リトアニアの首都ヴィリニュスからロシアのサンクトペテルブルグに向かい、そこからモスクワに行く北回りのルートです。
消去法的に北回りのルートしかないわけですが、もうひとつ問題があって、『ヨーロッパ鉄道時刻表』をチェックすると、ワルシャワからヴィリニュスへの鉄道でのルートがありません。ネットで検索すると、数年前は乗り継ぎで行けたようなのですが、現在は国境を越える路線が運休しているようです。
本当はウラジオストクまで鉄道で移動したかったのですが、路線がないのはいたしかたなく、ワルシャワからヴィリニュスへはバスで向かいます。
ワルシャワ中央駅の隣にあるデーパートの脇からバスは出発。 |
ヨーロッパはLCC(格安航空会社)や鉄道が発達していますが、実はバスも重要な交通手段となっています。料金もLCCや鉄道に比べて格段に安く、コストを抑えて欧州内を移動するならバスがいちばん。今回はEcolinesというバス会社を使いましたが、ワルシャワからヴィリニュスも16ユーロ(約2040円)と激安でした。
バスの後ろに大きな荷物スペースもあり、スーツケースでの移動も問題なし。 |
シートの背面にはタッチパネルのディスプレーを装備。 |
車内は8割くらいの乗車率。幸い自分の隣は空席だったのですが、シートピッチが狭く、かなり窮屈なシート。21時40分出発の夜行バスとはいえ、グッスリ眠るにはちょっとキビシイ環境です。
タッチパネルをいじっていたら、OSはAndroidでした。 |
ポーランドの国境を越えリトアニアに入国したところで、前回紹介(関連記事)したドイツのMVNO BlauのSIMに挿し変えて、ローミングで通信します。
バス内にはトイレも用意されているのでトイレ休憩はなく、運転手の交代と思われる停車のみで、どんどん進んでいきます。お尻の痛みに耐えながら窮屈なシートでガマンし続け、翌朝7時25分にヴィリニュス・バス・ターミナルへと到着。バスターミナルはヴィリニュス駅のすぐ隣です。
バスターミナルからヴィリニュス駅に移動。歩いて3分ほど。 |
駅構内にはユーロへの切り替え案内が。リトアニアは今年の1月からユーロを使用しています。 |
■キヨスクでLTEのSIMが買える!
ホテルにチェックインする前に、水でも買っておこうと駅前のキヨスクを覗いてみると、SIMカードのポスターが貼ってあり、ここで購入できるようです。 店員さんに聞いてみると2.49ユーロ(約320円)とのことなので、早速買ってみました。
駅前のキヨスク。寒いためか接客用の窓は小さめ。 |
リトアニア語はわかりませんが、1GBのSIMを売っているとハッキリわかるポスター。 |
購入したSIMはEzysで、バルト三国で営業している大手Omnitelの低価格ブランドです。そのままホテルにチェックインして早速開通作業。開通方法はSIMのパッケージに記載されていて、SIMを装着したスマホから“1544”へダイヤルすればオーケー。しばらくすると開通のお知らせがSMSで届き、データ通信も利用できるようになりました。
購入したEzysのパッケージ。4G LTEの記載もあり。 |
APNなど設定項目は下記のとおり。iPhone6に装着しましたが、LTEも使えました。
APN: omnitel
ユーザーID: 空白
パスワード: 空白
ホテルで通信速度をチェック。スマホで使うには十分なスピード。テザリングも使えました。 |
このあとスーパーも覗いてみましたが、同じようにSIMのパッケージを販売していました。どうやらリトアニアはSIMの買いやすい国のようです。SIMが買いやすいとそれだけ旅がしやすくなりますね。
■WPJと合流し街中を散策
ヴィリニュスでは、同じくMWCを取材後にバルト三国をウロウロしていたWPJ(Windows Phoneジャーナリスト)こと山口氏と合流しました(関連記事)。ヴィリニュスの滞在日はちょうど彼の初書籍の発売日。お祝いと郷土料理でも食べに行こうと提案したところ、「私、地元料理とか興味ないんですよね~寿司食べましょう寿司」と、スマホで日本料理屋を探し始めました。私も寿司は大好物ですが、いついかなる国でも寿司を食べようとする彼の寿司への情熱は、ちょっと理解できないところです。
お寿司は意外にもちゃんとした握りで、満足できるレベル。 |
あれだけ「寿司!寿司!」と主張していたWPJがメインに頼んだのは、なぜか天ぷらうどん。しかも、斬新な盛り付けだった。 |
ホテルから日本料理屋への道すがら、ヴィリニュスの街もウロウロしてみました。旧市街は街ごと世界遺産に指定されているだけあり、ヨーロッパらしい歴史のある建築物が多いです。
石畳のヴィリニュス旧市街。ヨーロッパらしいおもむきです。 |
新古典様式で改築された聖テレサ教会。 |
ただ季節は春直前と寒く、シーズンオフのためか人はまばらで、あまり活気を感じないのが残念。WPJも「ヨーロッパらしい街並みってもう飽きたんですよね」と、早くホテルに帰りたいという表情。やはり観光旅行をするなら季節やパートナー選びが重要だなと、あらためて実感させられる滞在となりました(笑)。旅程や旅仲間を変えて、バルト三国へは再度訪問したいと思います。
【3月14日~15日:リトアニア→ロシア】
■寝台列車でサンクトペテルブルグへ
ヴィリニュスでの滞在は1泊だけ。さらに東へ向かいます。利用したのはヴィリニュスからロシアのサンクトペテルブルグまで直通運転の寝台列車です。
19時50分発の寝台列車に乗り込みます。 |
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