2015年03月31日07時00分

Windows情報局ななふぉ出張所

世界中のCEOが訪れるIT展示会CeBIT 2015に行ってきた

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 3月15日から19日まで、ドイツ・ハノーバーIT展示会『CeBIT 2015』(セビット)が開催されました。1月のプレビューイベントに続く本開催として、筆者も現地取材をしてきました。

CeBIT 2015に行ってきた
↑MWC後にバルト三国に滞在していた筆者は、リトアニアからポーランドのワルシャワ経由でハンブルクへ飛び、鉄道でハノーバーへ。雪の降る日もあった1月に比べて暖かく、ずっと春に近づいた印象だ。

■CES、MWCに対抗して内容をリニューアル

 IT展示会として有名なCeBITですが、2014年にはB2B向けに大きくリニューアルしています。その裏には、年初に開催されるCESや、それに続くMWCの存在感が高まってきたという背景があります。

CeBIT 2015に行ってきた
↑3月開催のCeBITだが、直前のMWCや1月のCESで多くの新製品が出てしまい、存在感が薄くなってきた。

 そこでCeBITは2014年からビジネス向けの展示に特化。学生や家族連れが中心だった土曜日の開催を廃止し、月曜から金曜の平日開催にするなど展示会のスケジュールも変更しています。

CeBIT 2015に行ってきた
↑以前に比べると、土曜日にピクニックに訪れるような家族連れはかなり減っている印象だ。

 これにより、数字の上では来場者は減っているものの、CEOやCTOなどいわゆる“Cレベル”と呼ばれる幹部層や、ビジネス上の決定権を持つ来場者はむしろ増えており、“量より質”を目指した方向転換を進めています。

■ドイツ経済圏の強さが裏目に

 CeBITのもうひとつの問題が、ドイツが中心になってしまうという点です。バルセロナでのMWCにスペイン色がほとんど感じられないのに対し、CeBITはドイツを抜きにしては語れません。

 記者会見や基調講演もドイツ語を主体としたものが多く、海外からの来場者は英語の同時通訳を聞くことになります。日本で馴染みのある企業もいくつかみられるものの、基本的にはドイツ法人による出展となっているのが特徴です。

CeBIT 2015に行ってきた
↑マイクロソフトのドイツ法人のブース。基本的にはドイツ市場向けの展示内容だ。
CeBIT 2015に行ってきた
↑京セラや富士通など日本のブランドも、現地法人として出展している。

 なぜドイツ向けの内容が増えてしまうのかといえば,欧州におけるドイツの経済的な強さが背景にあります。これは日本人同士が日本語でコミュニケーションすることで完結してしまう、日本の展示会と似た状況といえます。

 さらにドイツは、オーストリアやポーランドなど、ドイツ語が使われている近隣諸国にも影響力があり、ドイツの経済圏という視点で見ても強大な存在となっています。

■ドイツ中心のCeBITに中国の展示会が融合?

 しかし2015年には、ドイツを中心としたCeBITの状況が一変しました。CeBITでは毎年1カ国を選ぶ”パートナーカントリー”の制度がありますが、今年は中国を選出。これに中国も国家レベルで対応し、過去最高となる600を超える中国企業がCeBITに進出したことで、一気に中国色が強まりました。

 ハノーバー市内で開催されたオープニングセレモニーには、ドイツ首相のアンゲラ・メルケル氏とともに、中国アリババ会長のジャック・マー氏が登壇し、両国の関係強化をアピールしました。

CeBIT 2015に行ってきた
↑CeBITのオープニング・セレモニーにはアンゲラ・メルケル首相が登壇。CeBITの開催にあたって、「中国を巨大な市場と見なすだけでなく、イノベーションのパートナーとしての役割を期待する」と呼びかけた。
CeBIT 2015に行ってきた
↑アリババのジャック・マー氏は「これからは女性リーダーが重要になる」と、メルケル氏を前に流暢な英語で講演。新たに顔認証を用いたショッピングアプリを披露するなど、アリババの技術力を欧州にアピールした。

 CeBIT会場内には大小さまざまな中国企業ブースが並び、まるで中国の展示会に来てしまったかと思うほど。ハノーバー市内でも、ドイツとしては異例な割合で、多数の東洋人を見かける結果となりました。

■CeBITが終わり、ハノーバーの街に静寂が戻る

 CeBITが開催されるハノーバーメッセは、展示会場として世界最大級の規模を誇ることもあり、移動はなかなか厄介です。トラムやドイツ国鉄も会場外までしか来ていないため、最寄り駅までの移動が必要です。

CeBIT 2015に行ってきた
↑CeBIT会場内の移動手段は、クルマ。VIP向けの黒塗りの車や、プレス向けシャトルが常時走り回っている。
CeBIT 2015に行ってきた
↑来場者向けの無料バスも充実している。主要ホールに近い北口から、国鉄駅に近い西口までは2.5kmほどあり、自動車は必須の存在だ。

 さらに、展示会の規模に対してハノーバーの街自体はそれほど大きなものではありません。来場者の数に比べて宿泊施設は少なく、ホテルの価格は高騰します。かといって展示会以外の期間は静かな地方都市ということもあり、ホテルが増えるわけでもないのが残念なところです。筆者も数年前はハノーバーに宿を取れず、ハンブルクから片道1時間半かけて“新幹線通勤”したことも。

CeBIT 2015に行ってきた
↑1日中歩き回って疲れても、宿に帰るまでが展示会。ただしハノーバーは治安がよく、夜でも安心して帰れるという点は評価したい。

 2016年の開催は3月14~18日。MWCから2週間の間隔が空くため、気になる人は、いまのうちにホテルを押さえておくのも手かもしれません。

山口健太さんのオフィシャルサイト
ななふぉ

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