ここ最近、Lumia 720やLumia 520をレビューしてきました。この2機種がMobile World Congress 2013で発表されたことにより、Lumiaシリーズは920/820/720/620/520の5機種がそろったことになります。
これらは世界各国で販売されるグローバルモデルと呼ばれるもので、ほかにもWindows Phone 8のLumiaシリーズは特定のキャリア向けに展開しています。そこで、今回は少しマイナーな特定キャリア向けLumiaシリーズにスポットライトを当ててみたいと思います。
■低価格端末を充実させるT-Mobile USA
T-Mobile USAは4月9日(米国時間)、新しいWindows Phone 8端末として『Lumia 521』を発表しました。5月より、米国のスーパーマーケット“ウォルマート”やMicrosoftストア、T-Mobileストアで発売されます。
↑T-Mobile USAによる『Lumia 521』。 |
Lumia 521は、型番が示すとおり、Lumia 520をベースとしたT-Mobile USA専用端末となっています。ノキアは米国のキャリアそれぞれに専用の端末をリリースする方針で端末展開を進めており、Lumia 521もその一環と見られます。
写真を見る限り、外観はLumia 520とほぼ同じ。基本スペック的にもLumia 520と同等で、4インチ・480×800ドットのTFT液晶、5メガピクセルのカメラ、512MBのメモリーと8GBのストレージを搭載し、最大64GBのマイクロSDに対応します。通信規格はHSPA+に対応し、周波数はT-Mobile USAのAWS(1700/2100)に加え、850/1900MHzに対応します。
なお、Lumia 520のカラーバリエーションは5色ですが、Lumia 521で発表されているのはホワイトのみ。スタートボタンの下部にはT-Mobileのロゴが入っています。
気になる価格はまだ発表されていないものの、欧州では139ユーロ(約1万8000円)という最安クラスの端末であることから、米国でもかなりの低価格となることが期待されています。
T-Mobile USAはすでに4.3インチ・有機ELディスプレーを搭載した『Lumia 810』というWindows Phone 8端末を発売しています。
↑800番台の『Lumia 810』。 |
Lumia 810はMicrosoftストアでの価格が449ドル、T-Mobile USAのサイトではRefurbished品(再生中古品)が240ドルで販売されています。
T-Mobile USAは3月26日にLTEサービスの開始を発表していますが、2機種のWindows Phone 8はいずれもLTEに対応していません。今後はLTE対応モデルの登場に期待したいところです。
■VerizonはLTE対応モデルを投入済み
米Verizon Wirelessから発売される初めてのLumiaシリーズ端末が、『Lumia 822』です。4.3インチの『Lumia 820』をベースとする端末ながらも、細かな違いがあります。
↑Verizon初のLumia、『Lumia 822』。 |
もっとも重要な点として、VerizonのCDMAおよび4G LTEネットワークに対応。VerizonのLTEは非常に高速で、筆者も1月のCESでは下り速度20Mbps超の快適な通信を利用できました。Lumia 822はCDMAだけでなくW-CDMA(UMTS) 850/900/1900/2100MHzにも対応しており、アジアやヨーロッパでも利用できます。
ほかにもLumia 820と比べてバッテリーは1800mAhに、ストレージは16GBに、ディスプレーはGorilla Glassを採用するなど、細かな違いがあります。
次に期待されるのは900番台のフラッグシップ端末です。900番台のWindows Phone 8としてはLumia 920がありますが、すでに米AT&Tから発売されています。前述のとおり、ノキアが米国の各キャリアそれぞれに専用端末を提供することから、Verizonにも専用型番のフラッグシップが用意されることになります。
現時点でうわさになっているのは『Lumia 928』です。4.5インチ・LTE対応のLumia 920をベースとしつつも、様々な点がブラッシュアップされた端末になるものと見られています。
■チャイナモバイル向けには"T"シリーズのLumia
Lumia 920T/720T/520Tのように、末尾に"T"が付く型番は、中国最大かつ世界最大の携帯キャリア“チャイナモバイル”向けの端末です。
↑チャイナモバイル向けの『Lumia 920T』。 |
Windows Phone 7.5世代では、チャイナテレコム向けのCDMA端末『Lumia 800C』、『Lumia 610C』がありました。一方、Windows Phone 8世代では、チャイナモバイルとの提携により、TD-SCDMAに対応したモデルが続々と登場しています。
カラーバリエーションはイエロー、レッド、ホワイト、ブラックの4色。背面にチャイナモバイルのロゴが入っているのが大きな特徴です。中国の大手家電量販店SUNINGでは4474元(約7万1000円)と、なかなかの高値で販売されています。さらにプロセッサーとして『MSM8960T』を採用しており、通常のLumia 920よりGPUが強化されているようです。
↑背面にチャイナモバイルのロゴがある。 |
↑SUNINGで販売されている。プロセッサーはMSM8960T。 |
さらにMWC2013のノキアのプレスカンファレンスでは、Lumia 720と520をチャイナモバイル向けに提供することに言及していました。それが『Lumia 720T』および『Lumia 520T』となります。
↑チャイナモバイル版の『Lumia 720T』。 |
↑カラーバリエーションは5色が揃う。 |
↑同じくチャイナモバイル向けの『Lumia 520T』。 |
↑こちらも5色あり。 |
ノキアの中国サイトにはすでにLumia 720T(外部サイト)とLumia 520T(外部サイト)が掲載されていることから、まもなく発売されるものと思われます。
■一味違うLumiaでライバルに差をつけよう
これらの端末はアメリカや中国のキャリアが販売しているものであり、それ以外の国や地域から入手して使用するには様々な困難がありそうです。
とはいえ、グローバルモデルのLumiaシリーズが容易に入手できるようになり、もはやWindows Phone 8端末を所有していることは当たり前になりつつあります。ライバルとは一味違う端末で差を付けたいと考えている人にとって、魅力的な選択肢となるかもしれません。
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