「翻訳イヤホン」は使い物になるか? AirPods Pro 3とGalaxy Buds3 FEを海外で使い倒してきた
2026年11月08日 12時00分更新
イヤホンが通訳してくれる時代がやってきた
外国の人と話すとき、相手の言葉がその場で日本語になって耳に届けば、どれほど楽になるでしょうか。少し前まで夢物語だった「リアルタイム翻訳」が、今ではイヤホンとスマートフォンの組み合わせで手軽に使えるようになりました。
とはいえ、実際の現場でどこまで頼れるのかは気になるところです。そこで今回は、アップルの「AirPods Pro 3」とサムスンの「Galaxy Buds3 FE」を海外取材に持ち込み、それぞれのリアルタイム翻訳を使い比べてみました。なお、価格はAirPods Pro 3がアップル公式サイトで4万2800円、Galaxy Buds3 FEがサムスン公式サイトで2万1780円です。
AirPods Pro 3:iPhoneと組み合わせて使う「ライブ翻訳」
AirPods Pro 3は、アップルのAI「Apple Intelligence」を使ったライブ翻訳に対応しています。対面で会話するとき、相手の言葉をリアルタイムに翻訳し、音声で耳に届けてくれる機能です。自分が話した言葉は、翻訳されてiPhoneの画面に表示されます。
利用するには、Apple Intelligenceを有効にしたiOS 26以降のiPhoneが必要です。登場当初は英語やフランス語、スペイン語などの欧州言語のみでしたが、現在は日本語にも対応しています。
Galaxy Buds3 FE:Galaxy AIの「通訳」アプリと連携
Galaxy Buds3 FEは、Galaxy Buds3シリーズの手ごろなモデルです。価格を抑えながらも、Galaxy AIとの連携によるリアルタイム通訳に対応しているのが特徴です。
翻訳はGalaxyスマートフォン側の「通訳」アプリが担当するため、Galaxyのスマートフォンと組み合わせて使います。外国語の講演を聞いたり、相手と会話したりする用途を想定しています。
どちらも話し始めの「ヨーイドン」が苦手
実際に使ってみて、まず気になったのが話し始めの反応です。どちらのイヤホンも、相手が話し出してしばらくは何も聞こえてきません。最初に言語を認識し、それから端末上で翻訳するという工程があるためだと思われますが、無音の時間が続くと「ちゃんと動いているのかな」と少し不安になります。
翻訳が始まってからの性格は、両者ではっきり分かれました。iPhoneとAirPods Pro 3は、早口で直訳気味に訳してくれます。一方のGalaxy Buds3 FEは、少しゆっくりめのペースで、意味をくみ取った意訳をしてくれます。テンポよく言葉を返したい会話の場面では、iPhoneのほうが使いやすいですが、発表会や講演などではGalaxy Buds3 FEがいいでしょう。
騒がしい場所ではGalaxyに軍配
ノイズへの強さでは、Galaxy Buds3 FEが一枚上手でした。周囲が多少うるさくても、話している人をしっかり聞き分けて翻訳してくれます。iPhoneは周りが少し騒がしくなるだけで、「ノイズが多いので静かな場所で使ってくれ」という趣旨の表示が出てしまい、翻訳が止まりがちでした。発表会のハンズオン会場では数多くの人が集まるので、スタッフの話を聞いても翻訳してくれないことがありました。
ちなみに、飛行機内では機内食が出てきたとき、CAさんとのやり取りで使ってみましたが、どちらもノイズが多いとのことで翻訳できず……。ノイズキャンセリングだけなら圧倒的にAirPods Pro 3が優勢だったのですが。
逆に、静かな場所や、話し手の声が大きい場面では、どちらもバリバリ翻訳してくれます。とある発表会でのプレゼンテーションではAirPods Pro 3を着けていましたが、登壇者の声がよく通っていたこともあり、最初から最後までずっと翻訳し続けてくれました。
複数人の会話はまだ荷が重い
苦手なのは、複数の人が同時に話す場面です。全員の声を拾ってしまうため、誰の発言なのかが混ざり、翻訳の内容がわからなくなってしまいます。この点はAirPods Pro 3もGalaxy Buds3 FEも同じでした。
【まとめ】頼れるのは1対1の会話。そして英語を勉強しよう!
2機種を使い比べてみると、それぞれに一長一短があることがわかりました。テンポのよい会話で直訳でも気にしないならAirPods Pro 3、騒がしい場所で使うならGalaxy Buds3 FEが向いています。ただ、どちらも複数人の会話には弱く、現時点では1対1の会話で使うものと考えておいたほうがよいでしょう。
たとえば今回のような発表会取材や大人数での会議向きではありませんが、海外の友達と1対1で部屋の中で話すなんてシチュエーションでは十分すぎる性能を発揮します。
リアルタイム翻訳は確かに便利で、旅行先のちょっとしたやり取りなら十分に助けてくれます。それでも、話し始めの遅れや騒音、複数人の会話といった壁は残っています。結局のところ、一番確実なのは、ちゃんと英語を勉強して話せるようになることです。来年の海外出張に向けて、イヤホンに頼りつつも、英語の勉強は続けていこうと思います。
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