新作はゲイシャと樹齢100年のブルボンを採用。ウェルネス分野への展開も
チョコのようで中身はコーヒー、食べるコーヒー「YOINED」のシチュエーション広がる、UCCが2026年版製品を発表
2026年11月04日 17時30分更新
運動を通じたウェルネスの場でも
トークセッションでは、THE WEEKEND WELLNESS CLUBを主宰する與田珠夕氏が登壇した。同コミュニティでは月2回、ヨガやランニング、ハイキングなどのイベントを開催している。與田氏は、近年の運動カルチャーについて、若い世代の参加が増えていることを指摘する。
與田 「以前は中高年のイメージがあったランニングですが、今は20代前半の人たちも日常的に代々木公園を走っています。フルマラソンやトライアスロン、HYROX(ハイルックス)に取り組む人も増えていますし、運動後にカフェに立ち寄って交流してから解散するスタイルも定着しています」
自身の生活も、運動を始めたことで変化したという。以前は週4日ほど飲酒し、睡眠時間が4時間程度の生活を送っていたが、朝に体を動かす習慣を取り入れたことで、日中の過ごし方や睡眠のリズムが変わったと振り返り、「朝に体を動かすと日中のパフォーマンスが上がり、夜23時には自然と眠くなるようになりました。生活が心地よく整ったと感じています」と語った。
一方で、早起きや運動を良いものだから実践するのが当然と、強要することには慎重な姿勢も示した。ウェルネスには身体だけでなく心の健康も含めた心地よさが重要であるというスタンスからだ。
與田 「『早起きが偉い』『夜更かしは悪い』というような押し付けはしたくありません。仲間とお酒を飲むこともウェルネスの一つです。自分が一番良い気分になれる選択をすることが大切だと思います」
ウェルネスは特定の生活習慣に限定せず、それぞれが心地よいと感じる過ごし方を選ぶことでもある。
呼吸法とジャーナリングを通じて、コーヒーを味わう
会場では、與田氏のレクチャーによる呼吸法も体験した。実践したのは、4秒かけて息を吸い、7秒間止め、8秒かけて吐き出す「478呼吸法」だ。
呼吸を整えた後、YOINEDを試食する。軽くかじってから舌の上でゆっくり溶かすと、コーヒーの香りが広がり、時間の経過とともに風味が変化していく。飲料のように一度に口に流し込むのではなく、口の中で溶ける時間も含めて味わう点が、この製品の特徴だ。
ジャーナリング(自分の感情や思考をノートに書き出す内省法)に関する著書も持つ與田氏は、こうした時間の使い方をYOINEDの楽しみ方として提案、「運動後に仲間と会話を楽しむのはもちろんですが、一人で自分と向き合う静かな時間にも食べてほしいですね。頭の中にある思考をノートに書き出しながら、YOINEDをじっくり溶かす。そうした時間を持つことも、一つの楽しみ方だと思います」とコメントしていた。
THE WEEKEND WELLNESS CLUBでは、こうしたウェルネスの考え方を体験できるイベントも予定している。2026年12月にはハイキングをテーマにしたイベント、2027年1月以降にはヨガとジャーナリングを組み合わせた静と動、両面でのウェルネスを実践する企画となり、詳細は近く発表になるという。
希少な豆を使う製品として、供給と販売方法が課題に
質疑応答では、『YOINED』を菓子ではなく「コーヒー食品」と位置付ける理由や、今後の生産・販売方針について質問が寄せられた。
小坂氏は、菓子というカテゴリーに限定すると、間食としての利用が中心になってしまうと説明する。YOINEDはコーヒーそのものの風味を楽しむ製品であり、酒肴や運動後の補給、一人で過ごす時間など、さまざまな生活シーンでの利用を想定しているという。
例年発売後に完売が続いていることから、生産量の拡大についての質問も投げかけられた。小坂氏は、YOINEDで使用している豆が希少性を持つ(マイクロロットである)ことを挙げ、品質をどう優先するかの兼ね合いが難しいと説明した。安定供給や大量生産のためだけに、コモディティ豆に切り替えていくことは考えていないという。また、夏場は製品が溶けやすくなるなど、販売時期や流通面での課題もある。こうした問題を解決しながら、将来的には通年販売も検討していきたいとした。
使用するコーヒー豆については、近年品質が向上しているファインロブスタなど、力強いボディを持つ豆を使った製品にも関心を示しており、品種や豆の個性を生かした展開を模索していく考えだ。
YOINED』は、コーヒー豆を抽出するのではなく、豆そのものを食べるという発想から生まれた製品である。2026年の新作では、ゲイシャや樹齢100年を超えるレッドブルボンといった希少な豆を採用し、品種や精製方法による風味の違いを表現した。発表会でも、従来の酒肴としての提案に加え、ランニングやヨガ、ジャーナリングなど、ウェルネスに関わる生活シーンへの展開も示された。コーヒーを飲むだけでなく、食べることで楽しむという製品の特性を、どのような場面に広げていくのか。嗜好だけでなく健康の維持も視野に入れながら、コーヒー食品というジャンルがどう広がっていくかにも、期待が持てる製品と言えるだろう。
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