新作はゲイシャと樹齢100年のブルボンを採用。ウェルネス分野への展開も
チョコのようで中身はコーヒー、食べるコーヒー「YOINED」のシチュエーション広がる、UCCが2026年版製品を発表
2026年11月04日 17時30分更新
コーヒーを楽しむシーンが広がっている。
海外を中心に、運動の後に仲間と一緒にコーヒーを楽しむ文化が浸透しつつあるようだ。これに若者を中心に広がりつつある「ラン・コミュニティ」などのムーブメントが呼応する。
11月4日、代々木公園 BE STAGEで、食べるコーヒー『YOINED(ヨインド)』の2026年新作発表会が開催された。ここでテーマとなったのが、まさに運動やセルフケアといったウェルネスの文脈だ。
カカオ豆を使わず、コーヒー豆を丸ごと味わう独自製法
2023年に登場したYOINEDは、コーヒー豆を丸ごと微粒子化して成型する独自製法を採用したコーヒー食品だ。
見た目こそ板チョコレートに似ているが、カカオ豆は一切使用していない。原材料はコーヒー豆、植物性油脂、砂糖、コーヒーオイルなどで、一般的なチョコレートのカカオの代わりに、コーヒー豆を主原料としているのがポイント。
毎年、数量限定で販売され、昨年は出荷数を前年比120%以上に増やしたにも関わらず、発売から2日で完売するほどの人気商品となった。
新作の『UCC YOINED アソート6P』は11月9日の発売を予定しており、本日11月4日から公式オンラインストアで先行予約を受け付ける。
2026年新作はゲイシャと樹齢100年のレッドブルボン
発表会では、UCCジャパンで『YOINED』のブランドマネージャーを務める小坂朋代氏と、ウェルネスコミュニティ「THE WEEKEND WELLNESS CLUB」を主宰する與田珠夕氏が登壇し、希少なコーヒー豆を使った新作の特徴に加え、これまで提案してきた酒肴としての楽しみ方とはまた異なる、新しい楽しみ方が紹介された。
一般的なコーヒーはお湯などで抽出して飲むが、YOINEDでは焙煎した豆そのものを微粒子に粉砕し、油脂と混ぜ合わせて成型する製法を取るのが特徴だ。特許も取得したこの技術は、コーヒーの香りを閉じ込めたいという研究員の発想から生まれ、20年以上にわたる研究開発を経て実用化されたという。
液体のコーヒーでは、抽出によって水溶性の成分などが取り出される。一方、YOINEDは豆を丸ごと使用するため、通常の抽出では飲料に移行しない成分も含めて味わえる。口の中で油脂が溶けるにつれて、コーヒーの香りが広がっていくのも特徴だ。
ただし、豆を丸ごと使用する製法は、原料の品質が味わいに直接反映されることにもつながる。コーヒー豆の雑味や欠点も残りやすいため、原料の選定には注意が必要だという。UCCでは直営農園を含む調達先の選定に加え、イノベーションセンターでの焙煎研究や熟練焙煎士の技術を活用している。
こうした製品特性から、使用する豆は一般的なコモディティ豆ではなく、品質や個性を重視して選ばれている。1箱6枚入りで3240円(税込)という価格設定も、希少なコーヒー豆を使用する製品としての位置付けを反映したものといえる。
2026年の商品では、ニカラグア産のゲイシャとブラジル産のレッドブルボンという2種類のコーヒー豆を採用した。いずれも豆の配合量は40%で、それぞれの産地や品種、精製方法に由来する風味の違いを楽しめる構成となっている。
「ニカラグア産 ゲイシャ」は、ラス・デリシャス農園で栽培された豆を使用する。農園の標高は1260~1460mで、急斜面にコーヒーの木が植えられているという。精製には、6~10℃の低温貯蔵室で発酵を管理する「コールドアナエロビックナチュラル」を採用。ジャスミンを思わせるフローラルな香りやハニーレモンのような酸味に始まり、アールグレイやアプリコットを連想させる風味へと変化していく。
「ブラジル産 レッドブルボン」は、セルトン農園で栽培された豆だ。現存する木が少ないとされるレッドブルボンの中でも、樹齢100年を超える木から収穫した実を使用している。精製方法は「ナチュラルファーメンテッド」で、発酵工程を取り入れている。プラムのような甘酸っぱさから、ナッツを思わせる香ばしさ、きび砂糖のような甘みへと移り変わる味わいが特徴だという。
小坂氏によると、豆を選定する際には約20種類を試作した。選定において重視したのは、口の中で溶けていく過程での風味の変化だ。
小坂 「YOINEDで最も重視したのは余韻の変化です。発酵プロセスを経た豆でなければ、このような変化は生まれません。食べるスタイルだからこそ、抽出では酸味が強く出る個性的な豆も、まろやかで奥行きのある味わいとして楽しめます」
ちなみに、焙煎の強さについては抽出を前提とした一般的なコーヒー豆とは異なり、豆そのものを口に含むことを考慮して、軽くしているという。焙煎をかけすぎると、苦味がきつくなるという理由もある。
逆に、YOINED用に焙煎した豆を抽出して飲むとかなり酸味が出てしまう。コーヒー豆の品種や精製方法による違いを、抽出条件に左右されずに楽しめることは、固形化したコーヒーならではの特徴といえる。豆ごとの個性だけでなく、口の中で溶けていく過程を含めた味わいの設計が意識されている。
酒肴からウェルネスへ、コーヒーの新たな楽しみ方を提案
YOINEDはこれまで、夜のバータイムなどで楽しむ酒肴としての利用を提案してきた。今年はこれに加えて「コーヒー×ヘルス&ウェルネス」という新たな方向性も紹介された。
背景にあるのは、欧米やオーストラリアなどで広がる、運動とコーヒーを組み合わせたコミュニティ文化だ。ランニングやピラティスなどを楽しんだ後、参加者がカフェに集まって交流する「Run Club & Coffee」と呼ばれるスタイルが、若い世代を中心に広がっているという。
小坂氏は、UCCのグループ会社であるオーストラリア発のコーヒーブランド「TOBY'S ESTATE」の取り組みとして、2026年のシドニーマラソンで約2300杯のコーヒーを提供した事例を紹介。「コーヒーは平日の活力補給だけでなく、運動後に仲間と言葉を交わすコミュニティのハブとしても、世界的に広がりを見せています」とコメントした。
また、発表会では運動後のコーヒー摂取と筋グリコーゲンの回復に関する研究にも触れられた。まだ、効能が証明された段階ではないが、運動後の栄養補給という観点から、コーヒーの新たな可能性を探る研究が始まっている点にも注目しているという。
コーヒー豆を丸ごと使用するYOINEDは、通常の液体コーヒーと比べて食物繊維を多く含む点も紹介された。発表会で示された数値では、食物繊維量は液体コーヒーの約6倍。また、カフェイン量は1枚当たり約33~36mgで、一般的なコーヒー1杯の約70mgと比べて少ない。こうした特徴を踏まえ、運動後の軽い補給や、外出先でコーヒーの風味を楽しむための選択肢として提案している。
固形であるため、抽出器具やお湯を必要とせず、持ち運びやすいことも利点だ。ランニングやハイキングなど、飲料を用意することが難しい場面でも取り入れやすい。従来のコーヒーとは異なる形で、運動前後や屋外での時間にコーヒーを楽しむという使い方が考えられる。
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