ついに風呂でも使える! A20 Pro搭載iPad miniは感動モノの薄さ・軽さ・高画質だった!
2026年11月04日 12時00分更新
Wi-Fi、セルラーともにアップル製チップを採用
USB-C端子は4Kディスプレイの接続が可能に
ワイヤレス接続を担う「Apple N1」チップは、Wi-Fi 7、Bluetooth 6、Threadに対応。Wi-Fiの5GHz帯での通信性能や、AirDrop、AirPlayの信頼性も向上しています。Thread対応アクセサリーは、別途ボーダールーターを用意しなくても、iPad miniに直接ペアリングして設定・操作ができます。ただし、外出先から操作したり、オートメーションを実行したりしたい場合には、HomePod mini 2などのThread対応ボーダールーターが必要です。
セルラーモデルには、アップルの5G対応モデムチップ「Apple C2」が搭載されます。SIMは前世代と同じくeSIM専用です。
パフォーマンスが大きく進化したA20 Proチップを搭載しながら、1日中使えるバッテリー駆動時間は前世代と同等を確保しています。アップルの公称値では、最大10時間のビデオ再生やウェブ利用が可能です。
USB-C端子は最大10Gbpsのデータ転送に対応します。外付けドライブやカメラ、有線接続のスマートグラスに加え、最大4Kの外部ディスプレイも接続できます。
さらに、iPad miniとして初めて高速充電に対応しました。35W以上のUSB-C充電器を使えば、約30分で最大50%まで充電できます。筆者はiPhoneやApple Watch、MacBookの充電に気を取られて、iPadの充電をよく忘れてしまうので、高速充電への対応はありがたいです。
内蔵ストレージは128GBをベースに、256GBと512GBが選べます。256GB以上のモデルでは、明るい場所で画面への反射や映り込みを抑えるNano-textureガラスをオプションで選択できます。さらに512GBモデルには上位構成のA20 Proチップが搭載され、CPUが6コアになり、Neural Engineもデュアル16コア構成に強化されます。
筆者は256GB・Nano-textureガラス付きのWi-Fiモデルを予約注文しました。価格は15万3800円でした。
iPadに最適化されたSiri AIの機能を試す
前面カメラは12MPのセンターフレームカメラとなり、iPad miniでは初めて、横向きにしたときの長辺側に配置されました。ビデオ通話では、より自然な目線で会話できます。前面マイクもカメラの横に移動し、背面マイクと連携しながら音声を収録します。FaceTimeや、その他のツールを使ったビデオ会議でも、話者の声が聞き取りやすくなります。
iPadOS 27.2からはSiri AIに対応します。Apple Intelligenceの視覚認識技術(ビジュアルインテリジェンス)は、iPadとiPhoneとで少し仕組みが異なります。iPadではカメラアプリ内の「Siriモード」が使えないため、被写体にiPadのカメラを向けて「これはなに?」とSiri AIに聞き、その場で答えをもらうような使い方はできません。
代わりに、いったんカメラで撮影してから写真アプリで画像を開き、Siri AIに「これはなに?」と聞けば、写っているものについて詳しく教えてくれます。
ウェブページを閲覧中に、Apple Pencilで画面の隅からスワイプするジェスチャーを使えば、すばやくスクリーンショットが撮れます。そのまま、スクリーンショット内の調べたい画像をApple Pencilで囲めば、すぐに画像検索ができます。新しいiPad miniは、Apple Pencil ProとApple Pencil(USB-C)の両方に対応します。
Image Playgroundアプリで写真をイラストに変換する機能でも、A20 Proの処理性能が生きてきます。同じ写真とプロンプトを用意し、画像が生成されるまでの時間をM4搭載iPad Proとストップウォッチで比べてみました。わずかながら、A20 Pro搭載iPad miniのほうが1~2秒ほど早く生成を終えました。
Acoustic Displayはトゥイーターユニット別搭載
音の輪郭が明瞭になったのが印象的
A20 Pro搭載iPad miniには、「Acoustic Display」と呼ばれる新しいサウンドシステムが内蔵されています。横向きに構えた本体の左右にそれぞれ専用設計のウーファーユニットを配置し、前面のカバーガラスをスピーカーの振動板のように動かして中低音域を再生します。
高音域用のトゥイーターユニットも別に搭載しました。ガラスとアルミニウム筐体の間に目立たないよう設けた小さなスリットから、トゥイーターが高音域を鳴らします。iPad miniとして初めて、トゥイーターとウーファーを分けた「2ウェイ構成」になりました。
筆者が所有する第6世代のiPad miniと聴き比べると、新モデルは音像が引き締まり、ボーカルや動画のナレーションがすっと前に出てくるような感覚があります。高音域はクリアで伸びやかになり、声の輪郭がとても鮮明です。中低音域の安定感が増し、音楽のリズムセクションも聴き取りやすくなりました。一方で、音量を上げすぎるとやはり音が割れてきます。小さくスリムな筐体なので、致し方ないところでしょう。
iPad初の防塵・耐水対応で
雨の日やプールサイドでも安心
Acoustic Displayの採用でスピーカーの開口部を目立たなくした設計により、iPadとして初めてIP67等級の防塵・耐水性能を備えました。密閉性を高めながら、開放感があって輪郭の整ったサウンドを楽しめるのが、新しいiPad miniの魅力です。
Apple Experienceのハンズオンエリアでは、アップルの担当者から、本機を防塵・耐水対応にした理由について「プールサイドでの読書を楽しんだり、雨の日に屋外で使うフィールドサービスの仕事に携わったりするユーザーのニーズにも応えるため」という説明を聞きました。
iPadシリーズの中で最もポータビリティに優れる「mini」だからこそ、雨や水しぶきが気になる場所でも軽快に使えるようにすることが、ユーザーの拡大にもつながるという判断だったのでしょう。筆者も長風呂を楽しみたいときには、スマホよりもiPad miniを持ち込むことが増えそうです。ただし、IP67は真水を使った試験に基づく等級です。お湯や湯気、石けんや入浴剤などは想定されていないため、浴室で使う際は水没させないよう注意しましょう。
願わくばApple Pencilも耐水対応になってくれたら、バスタイムに原稿の素案を手書きでまとめられて最高じゃないかと思うのですが、家族に同意を求めたら「風呂で過ごす時間に仕事をするな」と、思い切り否定されました。
高性能なA20 Proチップを搭載したことで、iPad miniはビジネスツールとしての魅力も一段と増しています。残念ながら今回もSmart Connectorは搭載されていませんが、本機の軽さと薄さを生かせるアップル純正の専用Magic Keyboard Folioが欲しくなりました。
ないものねだりをしても仕方ないので、筆者はひとまず本機とサードパーティのBluetoothキーボードを組み合わせて、モバイルノートPCの代わりに新しいiPad miniがどこまで使えるのか、さらに深く実力を探ってみたいと思います。

筆者紹介――山本 敦
オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。
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