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日産のSUV「新型キックス」の静粛性はライバルを圧倒。10年かけて進化したe-POWERの完成度が高すぎる

2026年10月26日 12時00分更新

キックスのイイトコロ2
e-POWERがイイ

 パワートレインは、日産車ではおなじみのハイブリッド技術「e-POWER」。キックスには、その最新バージョンである第3世代e-POWERが採用されており、発電用に1.4L 3気筒エンジンを搭載しています。エンジンはセレナで使われているものとほぼ同等ですが、パッケージングを改めているとのこと。

 ここで、いま一度「e-POWERって何?」という話をしましょう。モーターとエンジンの動力を走行に使う従来のハイブリッド(パラレルハイブリッド)と異なり、e-POWERはエンジンの動力を発電のみに用い、モーターだけで走行するシリーズハイブリッド方式です。誕生は今から10年前で、コンパクトカーの「ノート」に採用されました。

 当時は「なんでわざわざメンドクサイことをするんだろう」と思ったものです。だって、ガソリンで走ればいいものを、わざわざ電気に変換しているのですから。それに停車中にいきなりエンジンが動き出したりするし、高速道路では燃費が悪くなるらしいし。高速道路での燃費悪化については、以前検証したのでご参照ください(e-POWERの高速燃費は本当に悪いのか!? 約1200kmロングドライブでテスト!)。

10年で劇的に進化した第3世代e-POWER

 あれから10年。第3世代はコンパクトになり、剛性もアップ。とても静かで振動の少ないパワートレインになりました。さらに制御も大きく変わり、停車中に突然エンジンが動き出すこともありません。まさにモーターフィーリングそのもの。10年目にして、ようやく日産がe-POWERに社運をかけた理由がわかりました。ライバルのパラレルハイブリッドとは段違いの静粛性。日産はこれをやりたかったのか!

e-4ORCEで実現した滑らかな走り

 もうひとつ、日産がやりたかったことがあります。それが「e-4ORCE」と呼ぶ電動四輪駆動制御です。日産のモーター制御技術は他社より秀でており、「日産にはいまだ追いつけない」と他社のエンジニアも言うほど。その違いは、上り坂や下り坂でアクセルを踏む右足で感じられます。とにかく制御が実に細やかなのです。それにより、e-4ORCEではより滑らかな発進と停止、オンザレール感覚の走りが楽しめます。もはや電気自動車なんてイラナイんじゃない? そんなことまで思ってしまいました。

 e-4ORCEモデルには、雪道用の「SNOWモード」が用意されています。北国にお住まいの方やウインタースポーツを楽しむ方には、うれしい機能ではないでしょうか。普段使いにもウインタースポーツにも、e-4ORCEモデルは実にイイのです。

キックスのイイトコロ3
インテリアがイイ

 インテリアはシンプルで、加飾が少ない印象。シートなどの手触りもよく、文句はありません。シートは日産自慢の「ゼログラビティシート」を前席だけでなく後席左右にも採用。後席の足元は、ライバルよりも広い印象を受けます。

 今やクルマでのスマホ充電は当たり前。USB端子はすべてType-Cで、運転席まわりに2系統、後席にも2系統を用意しています。注目は、運転席まわりの2つのUSBのどちらに挿しても、スマホと車両がリンクする点。これは本当に便利です。

【まとめ】欲しい日産車が出てきたゾ!

 居心地がよく、乗り心地がよく、それでいて静か。おそらく多くの人がクルマに求める要素を、高い次元で実現した日産キックス。

 ここ数年、「日産は……」という声を耳にすることが多かったように思います。先代のキックスも良いクルマでしたが、販売台数の面ではライバルの後塵を拝するところがありました。ですが今回のキックスを見て、「きっと誰もが欲しくなる日産車」に仕上がっていると確信した次第。日産の復活戦がキックオフした気がしました。

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