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中国のPCゲームの世界で広がる深刻なイカサマ 「DMAチート」の現状を見た

2026年10月16日 08時00分更新

メモリーへの不正な直接アクセスが防ぐ機能が普及するか
DMAチート対策はなかなか難しいかもしれない

 2020年にはセキュリティ企業Eclypsiumにより、特定のノートPCで起動中のメモリーを改変し、不正なコードを実行できることが示された。対象となったメーカーは、それを受けてBIOS更新などの対策をとっている。また、DMA機器を使ったゲーム以外の犯罪については、米国の業界団体がATMの不正出金について警告をしている。保護が不十分な端末では、メモリー上に展開された機密情報や暗号鍵の取得、端末の制御を奪う攻撃につながる恐れがある。

 Windows 11には、外部機器によるメモリーへの不正アクセスを防ぐ「Kernel DMA Protection(カーネルDMA保護)」が標準搭載されている。これは不審なソフトを探すものではなく、インテルでは「VT-d」、AMDは「AMD-Vi」と呼ばれるハードウェアのIOMMU機能と連携して、周辺機器がアクセスできるメモリーの範囲を制限することで、悪意のある外部デバイスによるメモリーへの直接アクセスを防ぐ仕組みだ。ただし、実際の利用にはPCのハードウェアやUEFIレベルでの対応が必要となる。

 現状でDMAチートが成立するのは、Windowsに機能が搭載されていることと、外部デバイスによるDMAアクセスが適切に制限されていることがイコールではないためだ。こうした保護が実際のユーザーに広く普及し、メモリーへの不正なアクセスが発生しなくなるまでは、ゲームメーカーはDMAチート対策に苦慮する状況が続きそうだ。


山谷剛史(やまやたけし)

著者近影

著者近影

フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で、一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。書籍では「中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立」、「中国のITは新型コロナウイルスにどのように反撃したのか? 中国式災害対策技術読本」(星海社新書)、「中国S級B級論 発展途上と最先端が混在する国」(さくら舎)、「移民時代の異国飯」(星海社新書)などを執筆。最新著作は「異国飯100倍お楽しみマニュアル ご近所で世界に出会う本」(星海社新書、Amazon.co.jpへのリンク)

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