市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 9月12日~9月18日
IT技術者の4割が「5年後のスキル陳腐化」に危機感/働くシニアは多いが「長く働きやすい」環境ではない日本/トークンコストの成果証明は難しい、ほか
2026年09月24日 08時00分更新
本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。
今回(2026年9月12日~9月18日)は、増大するAIトークンコストの一方で見えにくいビジネス成果、AIインフラ投資が牽引して急拡大する世界AI市場、55~64歳の就業率は高いが課題も抱える日本、エンジニアが感じる「スキルの陳腐化”についてのデータを紹介します。
[AI][ROI] AIトークンコストの負担が増大する一方、財務的成果が証明できているのは2割未満(アクセンチュア、9月17日)
・AIトークン支出(トークンコスト)、3社に1社が「すでに年間予算超過」
・トークンコストの「定量的な財務成果が証明できている」は2割未満
・AIリクエストの半数以上が、必要以上に高性能なモデルに振り分けられている
世界17カ国の経営層750名を対象に実施された調査より。調査対象企業では、AI予算の平均25%がトークンコストに費やされており、「AIコストを押し上げる要因」のトップ3に「トークン消費量」を挙げた企業が50%に達した。さらに調査を実施した7月時点で、3社に1社があ「すでに年間のトークン予算を超過している」と回答した。このように負担が増すトークンコストだが、「定量的な財務成果との関係が証明できている」のは2割未満。トークン価格の高い高性能モデルに、その必要のないAIリクエストを振り分けているケースも多く見られるが、適切なモデル選択を行う「モデルルーティング」を導入している企業は30%にとどまった。
⇒ アクセンチュアでは、トークノミクス(トークンの経済性)で先行する企業が重視している打ち手として、「AI導入前の可視化」「使用責任の明確化」「モデル割り当ての最適化」「価値の事前定義」「従業員教育」という5点を挙げています。これらを実践することで、トークンコスト増大を最大44%抑制することができ、ROI(投資対効果)を証明できる割合も60%向上が見込めるとしています。
[AI市場] AIデータセンターの能力拡大は“人類史上最大規模のプロジェクト”、世界AI支出は前年比で50%も増加(ガートナー、9月17日)
・2026年の世界AI支出、前年比で約50%増の2兆7000億ドルに達すると予想
・「AI最適化IaaS/サーバー」など、インフラ投資が最大の支出分野
・AIサービス市場は2030年までに1.2兆ドル規模まで伸長へ
世界のAI市場別予測より。2026年のAI市場全体の規模は、前年比49.5%増の2兆7000億ドルとなる見通し。カテゴリ別に見ると、AI処理に最適化されたIaaSやサーバー、AIネットワークファブリック、AI向け半導体/デバイスなどを含む「AIインフラ」分野が最大で、「AIサービス」「AIソフトウェア」がそれに続く。支出側としては、ハイパースケーラーによるAI最適化サーバーの購入が牽引する。ソフトウェア市場では、生成AIがハイプサイクルの「幻滅期」入りしているが、企業は既存プロバイダーが提供する組み込みAI機能を活用して業務効率化、ワークフロー自動化、意思決定の高度化を進めており、カスタムAIアプリ開発プラットフォームやドメイン特化型言語モデル(DSLM)への需要も拡大しているという。
⇒ メモリ関連コストの高騰がITハードウェアの価格上昇につながっていますが、AIインフラに関しては需要が極めて高く、ハードウェア価格圧力の影響をほとんど受けていないとのこと。ガートナーでは、AIデータセンターの処理能力拡大は「人類がこれまでに手掛けた中で最大規模のインフラ・プロジェクト」と位置づけています。
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