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IBM ZがArmを取り込む衝撃! 次世代メインフレーム「z18(仮)」のネイティブDual-ISA戦略の狙い

2026年09月28日 12時00分更新

 前回は別の話を挟んだが、今回からHot Chipsの解説に戻る。第4弾はIBMの"The future IBM Z and LinuxONE processor and AI inference acceleration chipset"である。妙に長いタイトルだが、要するにこの次世代プロセッサー(とAIアクセラレーター)の名称がまだ正式に発表されていないために、こんなことになっている。

 系列としてはPowerではなくZ系列であり、2024年にHot Chipsでまず発表され、ISSCC 2025でさらに詳細が公開されたのが現時点で最新であるz17ことTelum IIなのだが、今回発表の製品はこの後継にあたる。ただそれがTelum IIIになるのかどうかはまだ不明なので、とりあえず本稿では"z18(仮)"としておきたい。

 ちなみにタイトルにある"IBM Z and LinuxONE"だが、IBMは2015年にZシリーズとは別にLinuxONEの提供を開始している。ハードウェア的にはz Systemをそのまま使っているが、OSがz/OSではなくLinuxなのが特徴である。これによりOSSのソフトウェアなどを容易に移植して稼働させられるという話である。

 IBMは1990年代末にLinux on System Zという、当初はSystem/390へのLinuxを移植したシステムの提供を開始。その後Linux on IBM Zに名称が変更され、これは現在も提供されているのだが、Linux on System Zはz/OSなどのLinux以外のOSとも共存できるのに対し、Linux ONEはz/OSなどのサポートがない、100% Linuxネイティブな環境である。ただ対象のハードウェアはそんなわけでzシリーズプロセッサーをベースとしたシステムである。

z17後継「z18(仮)」の基本構成とArmアーキテクチャの導入

 という話を前提に今回のz18(仮)であるが、なんと従来のIBM zの命令セットに加え、Arm命令(AArch64)のサポートを追加したというのはなかなかのニュースである。

最初このスライドを見て「あれ? LinuxONEってArmベースだっけ?」と一瞬混乱してしまった

 それも、zでAArch64をエミュレーションするとかではなく、z命令とArm命令をどちらもネイティブで処理できる、つまりデコーダーが両方の命令を解釈できるという、かなり意欲的な代物である。これに加えて、AIアクセラレーターも第2世代になった、と明らかにされた。

これはSpyreの後継と思われる。ダイの形がずいぶん変化した

 そのz18(仮)の構成が下の画像だ。動作周波数は5.7GHz、プロセスは2nmとあるがファウンドリーは発表されていない。まだ出荷状態ではないことを考えると、SamsungのSF2Pが一番公算は高そうだ。

z18(仮)の構成。講演でも説明がなかったのだが、Telum-IIでのレイアウトを踏まえると「おそらく」DPUが青色、AIアクセラレーターが紫色の部分と思われる(逆の可能性もある)

 動作周波数はTelum IIの5.2GHzからやや微増したが、これは5nm→2nmのプロセス微細化によるところが大きいと思われる。ただプロセス微細化は動作周波数向上よりもむしろコア数増加(Telum IIは8コア)やL2増加(36MB×10→36MB×12)に効いているように思われる。

 CPUコアは赤色で囲った部分であるが、当日の発表ではこれはSMT-2であると説明されている。このあたりはz13から変化がない。またL2は緑色の部分で、この基本的な構成はTelum-IIなどとよく似ている。

 ちなみにこのL2だが、Virtual-L3は432MB、Virtual-L4は3.5GBと説明された。Virtual-L3/L4はTelumで実装されたもので、以下の仕組みである。また専用のDPU、それとAIなどのアクセラレーターも搭載されている。

Virtual L3:同一チップ内の非アクティブなL2をL3として扱う
Virtual L4:異なるチップ内の非アクティブL2をL3として扱う

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