山根博士のグロスマレビュー
【ド変態スマホ】正方形ボディ×物理キーボード!? 異端児IKKO「MindOne Pro」のギミックが面白すぎる
2026年09月05日 12時00分更新
ワイヤレスイヤホンなどを展開する「IKKO」から、本体サイズがほぼ正方形の小型スマートフォン「MindOne Pro」が登場した。2025年にクラウドファンディングで出資を募り、2026年から出荷を開始、一部国では家電量販店での販売も始まっている。
他社のスマートフォンにはない独特の形状をしたMindOne Proの使い勝手をレビューしよう。
スクエアボディーのAIスマホ
IKKO「MindOne Pro」
MindOne Proの本体サイズは約86.0×72.0×8.9mmとほぼ正方形の形をしている。ディスプレーサイズは4.02型で解像度は1240×1080ドット、1.15:1のアスペクト比だ。リフレッシュレートは90Hzに対応。一般的なスマートフォンの半分程度の大きさだが、手のひらにすっぽりと収めることができ、片手でも楽に持ち運べる。
背面にはカメラを1つだけ備えている。MindOne Proにはフロントカメラがなく、このカメラを手動で180度立ち上げることでフロントカメラとして利用可能。解像度は5000万画素の広角で、センサーサイズは1/1.56型、F値はF1.88となっている。
SoCはMediaTekのHelio G99で、5Gは非対応。メモリーは8GB、ストレージは256GBを搭載。バッテリーは2200mAhと少なく、連続使用時間も16時間とやや心持たないのが弱点と言える。本体右側面には、音量ボタンと電源ボタン兼指紋センサーに加え、カメラのシャッターボタンも備える。背面にはカメラの出っ張りがあるため、机などに置くと本体はやや傾いた状態になる。
本体上部には本体のOSを切り替える専用ボタンを備えている。このボタンを押すことで、Android OSとIKKOのAI OSの切り替えが可能だ。
カメラの位置は手動で好みの角度に止めておくことができる。とはいえ、写真撮影をするのであれば、背面収納、90度、180度(フロント向き)あたりが現実的なところだろう。またこのカメラを動かすことで、本体を机の上に置いたときの傾斜角度を変えることもできる。ディスプレーサイズは小さいが、動画を視聴するときなどは便利だ。
カメラを180度前側に出すと、本体上部から飛び出た形状となる。この状態のまま本体を使っても邪魔になることはなく、自撮りをしたり、ビデオ会議に出るといった用途にも十分役立つ。蛇足ながら、サイズが小さいことから手のひらの小さい子どもでも持ちやすく、後述するが本体スペックが低いこともあって、キッズ用スマートフォンとして使うのもいいかもしれない。
OS切り替えでAIマシンに変身する
MindOne Proはスマートフォンとしてはディスプレーサイズが小さく、SNSのタイムラインを見たり、あるいは動画を視聴するにはやや使いにくいと感じる。しかし、AI OSを搭載していることからわかるように、AI端末として使うことを考えて設計されているのだ。本体上部のボタンを押すと、ログイン後に専用メニューが現れる。上からアプリの表示などの設定、内蔵vSIMの切り替え、AI OSとAndroidの切り替えだ。
MindOne ProにはvSIMが内蔵されている。SIMカードを本体に装着しなくとも、vSIMのデータプランを購入すれば、世界約140ヵ国で通信が可能になる。ただし、この機能は今後のアップデートで利用可能になる予定だ。
もう1つあるNovaLinkはAI OSで使えるAI機能専用のモバイルデータ通信サービス。内蔵vSIMを使用し、AIアシスタントなどの機能を使う際に、日本を含む約60ヵ国で無料でデータ通信ができる。AI OSに切り替え時にNovaLinkをONにしておけば、MindOne Proがいつでもどこでも小型のAIアシスタントになるのだ。
AI OS上ではスマートフォンとしての基本機能として通話、メッセージ、カメラが使えるほか、AIアシスタント、AIノート、AI学習が利用できる。また、カメラで撮影した写真も生成AIによる加工が可能だ。これらAI機能がNovaLinkからデータ通信無料で利用できるのである。
実際にAIアシスタントから写真を撮ってオブジェクトへの質問をしたり、音声で質問を投げかけてみた。MindOne ProのAI機能はクラウド側で処理をするのだが、NovaLinkやSIMカードを使った通信速度は最大4Gであり、反応速度はまあまあと言ったところだ。即時に回答が来るというより、数秒から10数秒待って結果が表示された。実用性を考えるとギリギリ許容できると感じられたが、できれば後継機として5G対応モデルも出してほしいところ。
キーボードケースで長文入力も可能
別売のキーボードケースは本体カラーに合わせて5色が販売されている。MindOne Proを入れる部分はTPU系の素材で若干やわらかい。本体との接続はUSB Type-C端子だ。写真では見えないがこのケースには3.5mmヘッドフォン端子が備わっており、有線ヘッドフォンが使える。
キーボードケース内には500mAhの補助バッテリーも内蔵されている。ケースはMindOne Proにぴったりと密着するので使用中に外れてしまうこともない。一方で、淡い色合いのケースは素材の関係から長期間使っている場合は汚れが目立つようになるかもしれない。頻度高く脱着を繰り返すと、キーボードケースが伸びてしまうおそれもありそうだ。キーボードケースのアイディアはいいものの、素材や脱着設計の改善を望みたい。
各キーのストロークは浅いものの、1つ1つのキーが独立しているためタイプミスはしにくいと感じられた。一方、数字キーの段がないことから記号の入力は慣れが必要だ。MindOne Proの画面上にソフトキーボードを出すと、表示エリアが半分以上隠れてしまうため、MindOne Proを本格的に使うならこのキーボードケースは必需品と言える。
なお、キーボードを接続すると専用の入力システムが利用できるようだ。本体を日本語に設定しておくと、文字入力も自動的に日本語のものが利用できる。
両手持ちして親指でぽちぽちとキーを打つ、という入力スタイルなら、ある程度の長文も入力できるだろう。ただ、日本語固有の長音記号などの入力は最初は戸惑いそうだ。
5000万画素カメラは日常利用に十分な性能
カメラは1つだけだが、メモ撮りや日常的なスナップを撮るならこれでも十分と言えるだろう。標準では画面サイズに合わせ、3120×3120ドットの正方形で撮影される。以下は香港での作例だ。
【まとめ】アイデアに優れるAIスマホ
手のひらに収まるAI端末というMindOne Proのコンセプトは、これまで複数のメーカーがAIデバイスとして製品化してきた試みを、より実用的な形にブラッシュアップしたもの。一般的なスマートフォンとして使えるAndroidと、AI利用に特化したiKKO AI OSを切り替えられる点は、本機ならではの特徴といえる。
また、AI OS上の対応機能に限られるとはいえ、通信を無料で利用できるNovaLinkを用意した点も興味深い。AIアシスタントを特別な機器やサービスではなく、日常的に使う生活ツールへと位置付けようとする思想がうかがえる。
一方で、SoCなどの基本スペックは控えめで、モバイル通信が4Gまでというのは弱点だ。ユーザーからのフィードバックを反映しながら、性能や通信仕様を強化した後継モデルの登場に期待したい。
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