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メーカーチューンの理想形! 2L化した特別ロードスター「12R」が魅せる至高の人馬一体

2026年08月23日 12時00分更新

街中では力強いトルクと
ドッシリとしたハンドルの手応え

 エンジンを始動させてみれば、スポーツマフラーによる太く低い排気音が耳に届きます。ノーマルよりは大きく、それでいて騒がしくない、絶妙に音量を抑えたサウンドです。エンジンルームの音を室内に導く、インダクションサウンドエンハンサーがよい仕事をしているのでしょう。

 ゆっくりと走り出せば、そこから排気量アップの恩恵を感じることができます。ごく低回転から、明らかに力強いのです。街中を走っていると、1.5Lの通常モデルよりも、低回転のトルクが強く、少々シフトチェンジをサボっていてもスムーズに走れてしまいます。

 また、ステアリングの手応えは、ノーマルよりも、ねっとりと重いものになっています。グリップ力の高いタイヤが、その変化の理由でしょう。スプリングレートが高められた足回りということで、路面の凹凸は拾いますが、よく動くダンパーが角をまるめて、不快感を抑えてくれます。ゆったりと走っている限り、ロールはほんのわずかなものしかありませんでした。

パワフルなエンジンと自在なハンドリングを楽しむ

 続いてクルマをワインディングに持ち込みます。アクセルを踏み込めば、低抵抗ピストン/ピストンリング/吸気ポート形状変更と、研磨/カム形状変更/4-1形状エキゾーストマニホールドでチューニングされた「マツダ・スピリット・レーシング・ロードスター12R」の本領が発揮されます。

 パワーはノーマル車の1.5Lの最高出力100kW(136PS)/最大トルク152Nmから、最高出力147kW(200PS)/最大トルク215Nmまでアップしています。パワフルというだけでなく、高回転域での伸び感までしっかりと感じられました。痛快なエンジンフィーリングです。

 そしてその一方で、ブレンボのブレーキは高い制動力とコントロール性の良さを両立。ハイグリップのタイヤと、専用チューンのサスペンションは、しっかりと路面に追従しており、クルマが跳ねる不安感は一切ありません。

 レスポンスよくパワフルなエンジンと、1050kgの軽量な車体、そして路面をしっかりつかんで離さない足回りが揃えば、ワインディングはまさに自由自在。人馬一体の走りを満喫することができました。本当に走って楽しいクルマです。

 ただし、足回りのセッティングは、ワインディングでは限界にまだまだ遠いと言った具合で、サーキットでも十分通用するポテンシャルを秘めています。もしも、自分がオーナーになって「サーキット走行はしない。街中オンリーで乗る」となった場合は、サスペンションを交換することでしょう。

 メーカーが用意したチューニングカーを、より自分に合わせて、細部を再チューニングする。これもチューニングカーの楽しみのひとつですから。

ノーマルの2倍以上の価格と、その価値を考える

 今回、街中から高速道路、そしてワインディングと、「マツダ・スピリット・レーシング・ロードスター12R」を走らせてみて確信したのは、「このクルマはチューニングカーの理想のひとつ」であるということ。そしてノーマルをベースに、「よりスポーティに」と磨き上げていった形のひとつだということです。

 ここで重要なのは、自動車メーカーというクルマのプロが仕上げたという部分です。その結果、できあがったクルマは、非常に仕上がりが良く、バランスも良くなっていました。歪なところや、我慢を強いるところが、ほとんどありません。個人やショップで同じことをしても、これほど高品位に仕上げることは、相当に難しいでしょう。

 そういう意味で言えば、車体に追加の特別付属品と専用アクセサリーを合計した866万5822円という価格は、それほど高いものではないと感じます。同じ費用をかけても、同じようなクオリティにできるのかどうかが難しいからです。

 まさにメーカーチューンという内容には脱帽するしかありません。

 ちなみに、ひとつだけ残念だったのは、このクルマにACC(アダプティブ・クルーズコントロール)が備わっていないこと。高速道路を長距離走ることの多い人は覚悟しましょう。

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