API料金0円の無制限試行が可能! AMD Radeon搭載PCで体験するローカルAIによる超高速ゲーム開発方法を徹底解説
2026年09月07日 11時00分更新
普段からゲームを楽しんでいる人なら、一度は自分でも作ってみたいと思う瞬間があるだろう。しかし、ゲームを作りたいと思っても、プログラミングなどの高いハードルにぶつかる。たとえプログラミングができたとしても、個人でゲームを一本仕上げるのは、想像以上に手間のかかる作業だ。
そこで頼りたくなるのがAIだ。実際、この発想自体はもう目新しいものではない。クラウドAIにプロンプトを投げれば、簡単なブラウザゲームくらいはものの数分で動くコードが返ってくる。
ただし、実際にやってみると、すぐに別の問題が見えてくる。ゲームというのは一発で完成しない。バグを直し、動作を確認し、また直す。この繰り返しが前提だ。そこに立ちはだかるのは、クラウドAIのAPI従量課金。試行錯誤を重ねるほど利用料金も積み上がっていってしまう。さらに、送信したコードやプロンプトが外部サーバーに渡ることも、できれば避けたい。
そこで今回試したのが、AMD RadeonのGPUを使ったローカルAI環境だ。Radeon GPUでもAIを利用できる環境はかなり整備されていて、これから使用するツールも正式にサポートされているものだ。
ローカルLLMの実行環境「Lemonade」と、自律型AIエージェント「Hermes Agent」を組み合わせ、追加のAPI料金なしに何度でも試行錯誤できる環境を構築し、実際にどこまでゲームを制作できるのかを検証してみた。
なぜゲーム制作にローカルAI環境が必要なのか
今回構築した環境は、役割ごとに4つのレイヤーに分けられる。
まず人間が企画やゲームの仕様、直したい点をHermes Agentに指示として伝える。Hermes Agentは指示を受けて必要な作業を整理し、Lemonadeを経由してローカルLLMへ処理を依頼する。返ってきた結果に応じて、コードの作成やファイルの修正といった作業を進めていく。そしてこのモデルの計算処理を裏側で支えているのが、RadeonのGPUだ。
この構成はブラウザゲームに限った話ではない。デスクトップアプリの開発にも応用できる汎用的な仕組みだ。ただし今回は検証の切り口をシンプルに保つため、ゴールをブラウザゲームの制作に絞った。
なお、ローカルAIでRadeonというと最近販売好調らしいRadeon AI PRO R9700をイメージするが、今回の検証には、ゲーミングPCとして人気の組み合わせのRyzen 7 9800X3DとRadeon RX 9070XTを搭載したPCを使用し、モデルにはQwen3-Coder-30B-A3B-Instruct-GGUFを用いている。このモデルは、コード生成に強いと評価が高く、ゲーム制作との相性を重視して選択した。
検証に使用したマザーボードはGIGABYTEの「X870E AORUS PRO X3D ICE」。Ryzen X3Dシリーズに特化した製品で、X3D Turbo Mode 2.0テクノロジーにより、Ryzen X3Dシリーズのパフォーマンスを最大25%向上させられる
ビデオカードは、ASRockの「Radeon RX 9070 XT Steel Legend 16GB OC」を使用した。白を基調としたデザインと高い冷却性能が特徴のオーバークロックモデルで、ゲームだけでなく中規模のローカルAI生成にも向いている
LemonadeならローカルAI環境を手軽に作れる
ローカルLLMの実行環境にはいくつか選択肢があるが、今回Lemonadeを選んだ理由は単純で、導入の手間が少ないからだ。
手順はアプリをインストールし、続けて使いたいモデルをインストールするだけ。環境変数の設定やコマンドラインでの操作はほとんど求められない。この手軽さは、ローカルAI環境にありがちな「導入だけで疲れる」問題を避けたい人には助かる部分だろう。
Lemonade Serverは公式サイトから入手する。インストーラーをダウンロードして実行し、画面の指示に従ってインストールすればよい
モデルをロードすれば、Lemonade単体でもチャット形式でコード生成を頼める。試しに「ブラウザで動くブロック崩しを作ってください」と投げてみると、HTMLファイル1つ分のコードがすぐに返ってきた。
モデル一覧から「Llama.cpp GPU」を展開し、「Qwen3-Coder-30B-A3B-Instruct-GGUF」にマウスカーソルを合わせる。メニューが表示されるのでダウンロードアイコンをクリックする
Ryzen 7 9800X3D+Radeon RX 9070 XTの環境では、ローカルLLMだからといって待たされている感覚はほとんどない。コード生成と修正を何度も繰り返しても、テンポを崩さず作業を続けられる。この軽快さは、今回の検証で印象に残ったポイントのひとつだ。
ただし、生成されたコードは、そのままでは実行できないため、自分でHTMLファイルとして保存し、ブラウザで開く必要がある。
開いてみると、パドルもボールもブロックも一応動く。だが、いろいろな不具合が目についた。ボールを全部落とすとゲームオーバー画面が表示されるのだが、そこからリスタートできないなどの問題があった。
やはり一度の生成だけで完成とはいかなかった。ゲームを動かし、不具合を見つけたら修正を依頼する。返ってきたコードをファイルに保存し、もう一度試す。このやり取りを何度も繰り返すことになる。正直、かなり面倒だ。
この「面倒」を解決してくれそうなのが、「自律型AIエージェント」だ。
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