第322回
東邦ガスネットワークの設備保安課が繰り広げた、紙の壁との壮絶な戦い
東京タワー相当の紙を“完全撤廃” 点検業務をkintone化した“現場ファースト”な改善術
2026年07月27日 11時30分更新
ペーパーレス化100%を達成、オフィスも働き方も変わった
kintoneで現場はどのように変わったのか。点検結果は、紙のメモではなくkintoneに直接入力するスタイルに刷新。これにより、帰社後のシステム作業は60分から10分に、情報検索の時間も20分から2分に短縮した。さらには、毎月420枚発生していた紙書類は0枚となり、完全なペーパーレス化を達成している。
そして、東京タワーの高さに匹敵する紙の壁も、点検のデジタル化で役目を終え、事務所からの完全撤廃に成功。今ではキャビネットがあったスペースは、打ち合せや対話のエリアに生まれ変わり、活発なコミュニケーションが行われているという。
さらに働き方にも変化が生まれた。自宅に直帰してもデータの整理や回覧の申請ができるようになり、フレキシブルな働き方が可能になった。
今後目指していくのは、kintoneに蓄積したデータの活用だ。顧客との日程調整の効率化や最適な人材配置、点検項目の効率化など、まだまだ変革の余地は残っている。また、他部署においてもkintoneの活用が始まっており、部署を横断した情報連携にも挑戦したいという。
最後に成川さんは、「新しい業務のやり方を導入する際には、現場から強い反発や反対、不満が上がるはずです。それらを無下にせず、とにかく即座に改善していく。これができれば、翻って現場の信頼につながると私たちは確信しています」と呼びかけ、プレゼンを締めくくった。
セッション終了後には、サイボウズ中部営業所の柴田知佳さんとのアフタートークが繰り広げられた。
柴田さん:ITの知識がなかったとのことですが、kintoneアプリを作成するにあたってどのような勉強をされたのでしょうか。
成川さん:私たちの部署にはBPRを推進するようなグループがあり、ベースとなる知識を教えてもらいましたが、あとはサイボウズのコンテンツなどを使って、チームのメンバーと勉強しました。
柴田さん:改善を繰り返したり、教育策を展開したりと様々な施策を展開されていますが、一番苦労したフェーズはどこになりますか。
成川さん:やはり現場の定着フェーズです。繰り返しになりますが、現場の要望を信頼に変えるか、そのままにするかが成功の分かれ道です。是非、改善を最優先にしてみてください。
東海・北陸地区の代表者は……!
そして、kintone hive nagoyaのラストには、参加者・審査員の投票により、東海・北陸地区の代表が発表された。6組の登壇者の中で最も支持を集めたのは……くるみ幼稚園の谷井友亮さんだ(参考記事:幼稚園教諭の「走り回る」仕事をkintoneとIoTでゼロに 業務改善のヒントは“ブロック遊び”にあった)。
谷井さんは、「今後もDXが進んでいない幼稚園業務を変え、先生を笑顔にしたいです。その笑顔が子ども、家庭、ひいては日本の未来にまで広がると信じています」とこれからの意気込みを語った。谷井さんは、幕張メッセで開催されるCybozu Daysのkintone AWARDに出場予定だ。
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