レトロな3DRPGゲームを作ってみた。7月13日まで延長された追加料金なしの期間に「Claude Fable 5」を試そう
2026年07月10日 09時00分更新
本連載は生成AIをこれから活用しようとしている方たちのために、生成AIの基本やコピペしてそのまま使えるプロンプトなどを紹介。兎にも角にも生成AIに触り始めることで、AIに対する理解を深め、AIスキルを身に着けて欲しい。第66回は7月13日まで追加料金なしで使える最上位モデル「Claude Fable 5」について解説する。
一度は止まったFable 5がサブスク枠で7月13日まで試せる
Claude Fable 5は、Anthropicの中でもっとも賢い最上位モデルだ。Opusクラスのさらに上の「Mythosクラス」で、数日がかりの複雑な作業も任せられる。ざっくり言えば、Claudeで最強、いや今のところ生成AI御三家の中でも最強のAIといっていいだろう。
このFable 5、実は一度使えなくなっている。ローンチは6月9日だが、6月12日に米国政府の輸出管理指令を受けて、AnthropicはFable 5とMythos 5を全世界で停止したのだ。その後6月30日に規制が解除され、7月1日にサービスが再開している。
再開にあわせて7月7日(日本時間7月8日)までの無料期間が設けられた。とはいえ、1週間などあっという間だ。日本では、大きなITイベントもあり、「Fableに触る時間がない!」という悲鳴がSNSにあふれた。
そんな中、Anthropicは期限の直前、7月7日に延長を発表。米太平洋時間7月12日23時59分59秒、日本時間なら7月13日15時59分59秒まで、追加料金なしで使えるようになった。使いそびれた人にとっては、実質2回目のチャンスだ。ぜひ、週末に触ってみることをおすすめする。
触るなら週末が実質ラストチャンス
Fable 5を使えるのは、Pro、Max、Team、Enterpriseの各有料プランだ。ウェブ版のほかモバイル、デスクトップ、Claude Cowork、Claude Codeでも同じように利用できる。
期間中は、申し込みや特別な操作はいらず、いつものサブスク料金だけで使えるのが嬉しいところ。通常の週間利用枠の最大50%までをFable 5に回すことができる。なお、プロンプト入力欄には「Fable 5は最も高性能なモデルであり、Opus 4.8よりもはるかに速く使用量を消費します」と注意書きが表示されている。Fable 5は性能が高いだけあり、利用枠の消費が激しいことは覚えておこう。
利用枠を使い切ったあとも続けるなら、別料金の「利用クレジット」を買う必要がある。7月13日以降、Fable 5は週間枠から外れて同じくクレジット専用に変わる。無料で気軽に試せるのは、この週末までとなる。
というわけで、さっそく触ってみよう。使い方はこれまでと同じで、AIモデルを選択するだけ。工数も選択でき、ウェブ版では「低」から「Max」までの5段階を指定できる。
そこで、工数MaxのFable 5に、ユニークな体験ができる飲食店のアイデアを考えさせてみた。その結果、約5分調査し、世界の人気店をピックアップ。6000文字以上のレポートで没入型飲食店の提案をしてきた。
特急の食堂車に見立てた店内に、巨大なプロジェクターで実写ベースの車窓風景を流しながら、停車駅の特産でフードとペアリングを行うというもの。聞いたことのないコンセプトで、実際に興味をそそられる。満足のいくレポートだった。
○プロンプト
東京でダイニングバーを開業しようと考えている。他にない体験の提供を武器にしたいので、全世界の人気の飲食店、もしくは他業態の人気スポットを調査し、東京で現実味のある(予算5000万円)店を出すアイデアを考えて、詳細で具体的なレポートを作成してください。
○出力
5. 提案コンセプト: 没入型ナイトトレイン・ダイニングバー「夜行 -YAKO-」(仮称)
5-1. コンセプト
一晩で日本を縦断する架空の夜行列車。店舗全体を寝台特急の食堂車に見立て、カウンター14席の正面に広がる横約8メートルの「車窓」(プロジェクション壁)には、発車から終着まで実写ベースの車窓風景が流れ続けます。全8品のコースとペアリング5杯は「停車駅」ごとの地域食材と地酒で構成し、車掌に扮したスタッフが検札と車内放送で物語を進行、ゲストは乗車券を持つ乗客として旅に参加します。季節ごとに「ダイヤ改正」と称して行き先・メニュー・映像を全面刷新し、リピートと年間の話題を作り続けます。
~略
プレイしたかった懐かしのゲームをFable 5に作ってもらう
とはいえ、ビジネスモデルの壁打ちといった普通の使い方だとなかなか威力のほどがわかりにくい。やはり、Fable 5の底力がわかりやすいのは、複雑なものを一度の指示でまるっと作らせる使い方だ。そこで、今回はブラウザでそのまま遊べるゲームを頼んでみる。
どうせなら本当にプレイしたいゲームを作ってもらうことにした。11歳のころ、シャープの「X1C」というパソコンではまっていた「ブラックオニキス」というRPGだ。レトロでシンプルなゲームなのだが、現在は、当時の環境そのままで気軽に遊ぶのは難しくなっている。
そこで、ブラックオニキス“ふう”のゲームを作ってもらうことにする。どんな指示を出せばいいのかもわからないので、これは通常のClaudeと壁打ちして詰めていくことにした。
○プロンプト
Fable 5で、ブラックオニキス風のゲームを作りたい。システムからグラフィック、効果音にいたるまでまるっと、作成して欲しい。まずはプロンプトを作りましょう。足りない情報はとことん質問してください。
すぐに骨子はできたのだが、グラフィックをどうするかで選択を迫られた。別途生成AIで画像を用意するのか、コードで記述するのか、だ。今回はサンプル画像などを渡したりせず、自動で完成させてほしいので、コードで作成してもらうことにした。
最後に加えたのは、コードを書くような「手を動かす作業」をFable 5に任せず、コストの安いSonnetやOpenAIのCodexを使う、という指示だ。どちらもサブスク内で利用できるので追加料金がかからない。これで、Fable 5の利用枠消費を大きく抑えることができる。
完成したプロンプトをFable 5に実行させるのだが、今回はVS Codeというコードエディターを使うことにした。Claudeの拡張機能を入れ、AIモデルを選び、プロンプトを貼り付ける。「工数」は最大の「Ultracode-xhigh+workflow」を選択した。
これで一晩放置するとゲームが完成していた。途中、ユーザーへの確認などもなく、完遂してくれるのがAIエージェントのすごいところだ。指示に従って早速起動してみる。
ターミナルにコマンドを入力してもいいし、起動もClaudeにお願いしてもいい。起動後に表示されるURLを開くと、ブラウザでゲームが起動する。
タイトルは勝手に「黒曜の心臓」となっていた。同時期に発売されていたRPGにそっくりなタイトルだが、ここはそのままにしておく。早速プレイしてみたが、普通に動く。グラフィックや操作性はイマイチだが、プレイすることは可能。やはり、Fable 5はすごい。
この後、グラフィックや操作性をブラッシュアップすると、普通にプレイできるレベルまで出来上がってきた。自分でもマップを知らないので、本当に楽しめる。
他にも、別ジャンルのゲームや、自分用の請求書管理システム、経費入力システムなどを作ってみた。どれも数時間で完成し、少しブラッシュアップするだけで実用レベルになるものだった。
もちろん、ポン出しした出力のあらを探せばいくらでもあるだろうが、自分で望むものを作れるというのは便利だし、安いし、楽しい。Fable 5は上限の減りが速い点だけ気をつければ、あとは触ってみるだけだ。言葉ひとつで遊べるゲームや自分専用の道具が立ち上がる体験は、一度味わうとAIの使い方が一段変わる。週末のうちに、最上位モデルの実力を確かめておこう。
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