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ExcelからAIを呼び出せば、自然言語で数式やエラー原因が解析できてとても便利! 「Claude for Excel」ならここまでできる

2026年07月09日 10時30分更新

 本連載は生成AIをこれから活用しようとしている方たちのために、生成AIの基本やコピペしてそのまま使えるプロンプトなどを紹介。兎にも角にも生成AIに触り始めることで、AIに対する理解を深め、AIスキルを身に着けて欲しい。第65回はExcelの中からClaudeを呼び出し、複雑な数式の解析、エラー原因調査、ピボットテーブルやグラフを作成する方法について解説する。

ExcelワークシートからClaudeを呼び出せる「Claude for Excel」

 Excelで作業していると、地味に時間を取られることが多い。複雑な数式の意味を調べたり、エラーの原因を探したり、表記ゆれを直したり、ピボットテーブルやグラフを作ったり。生成AIに聞けば解決できることも多いが、ワークブックの内容をチャット画面に貼り付けて、返ってきた答えをExcelへ戻すのは面倒だ。セル参照を間違えて貼り付けたら、かえって仕事が増えてしまう。

 そこでおすすめしたいのが、Excelの中で直接Claudeを呼び出せる「Claude for Excel」だ。Anthropicが提供する「Claude for Microsoft 365」の一部で、Excel、Word、PowerPointでClaudeを利用できる。Claude for Excelは、Pro、Max、Team、Enterpriseの各プランで利用でき、Excelのサイドバーからワークブックを読み取って、数式の説明やエラー調査、前提条件の変更、表の整形、ピボットテーブルやグラフ作成などを手伝ってくれる。

Excelの画面内でClaudeを利用できる

 導入は、Microsoft Marketplaceで「Claude for Microsoft 365」または「Claude by Anthropic for Excel」を検索し、「今すぐ入手」から追加する。インストール後はExcelを開き、ツールバーの「アドイン」アイコンからClaudeを起動し、Claudeのアカウントでサインインすれば準備完了だ(詳しくは、前回の「ブラウザとの往復から解放! Wordだけで校正・修正・リライトできる「Claude in Word」を参照。

 ツールバーに追加された「Claude」アイコンをクリックすると、右側に開くサイドパネルにチャット欄が現れる。ここに、頼みたいことを日本語で入力すればいい。いま開いているブックのセルや数式、シート構成をClaudeが読み取り、その場で対応してくれるのだ。

ツールバーから「Claude」アイコンをクリックする

ワークシート内の数式の解析や、エラーの原因が探せる

 早速使ってみよう。まずは、よく分からない数式が入っているセルを選び、「このセルの数式を初心者にも分かるように説明して」と入力する。Claudeは数式の構造を読み取り、どのセルを参照し、何を計算しているのかを文章で説明してくれる。

 長いIF関数やXLOOKUP、複数シートをまたぐ計算式は、ぱっと見ただけでは意味が分かりにくい。そんなときでも、Claudeに聞けば「この部分では商品コードを検索し、この部分では単価を取得し、最後に数量を掛けている」といった具合に分解してくれる。セル参照も示してくれるので、説明が合っているかをすぐ確認できる。

○プロンプト
このブックは前任者が作成した売上粗利管理モデルです。数式は変更せず、まず全シートを読み取り、入力・マスタ・計算・出力・検証の役割に分類してください。そのうえで、00_月次レビューの「売上高」「粗利率」が、どのシート・列・前提条件から計算されているのか、セル参照付きで説明してください。

複雑な数式の意味を説明してもらえる

リンクをクリックすると該当箇所が表示される

 エラーの原因調査にも使える。「この#VALUE!エラーの原因を探して」「循環参照が起きている場所を見つけて」のように頼めば、Claudeが該当セルや参照関係を確認し、原因と修正案を出してくれる。自分で数式バーを追いかけるよりもずっと速く、手軽だ。

 修正を依頼することもできる。たとえば「このエラーを直して」と頼むと、Claudeは数式を修正し、変更したセルをハイライトしてくれる。どこをどう直したのかも説明されるので、そのまま保存する前に内容をチェックしておこう。重要なファイルの場合は、事前にコピーを取っておくと安心だ。

○プロンプト
このシートでエラーや計算がおかしいセルを全部見つけて、それぞれの原因と直し方を教えて

エラーの原因と修正案を出してくれる

修正をClaudeにお願いすることもできる

 次に便利なのが、データ整形だ。CSVや外部システムから出力したデータは、日付の形式がバラバラだったり、会社名に「株式会社」と「(株)」が混ざっていたり、電話番号にハイフンがあったりなかったりする。人力で直すと単純作業なのにミスが起きやすい。

 そんなときは「日付をYYYY/MM/DD形式に統一して」「会社名の表記ゆれをそろえて」「住所を都道府県、市区町村、番地に分けて」のように頼めばいい。Claudeは表の内容を読み取り、指定したルールに沿って整形してくれる。特に、処理ルールを日本語でまとめて指示できるのが楽だ。

○プロンプト
この取引先リストの表記ゆれを整えてください。会社名は「株式会社」「有限会社」に統一。電話番号は半角でハイフン区切りにそろえて。初回取引日はYYYY/MM/DD形式に統一して。住所は都道府県・市区町村・番地の3列に分けて。年間取引額は半角数字のカンマ区切りに統一してください。

バラバラな表記をまとめて整えてもらう

一発で手間のかかる作業を処理してくれた

自然言語でピボットテーブルやグラフを作らせる

 集計作業にも向いている。たとえば売上データを開いた状態で「営業担当ごとの売上合計をピボットテーブルにして。月別に集計して」と頼めば、Claudeがピボットテーブルの叩き台を作ってくれる。Excelのピボットテーブルは慣れれば便利だが、行、列、値、フィルターの設定で迷うことも多い。自然言語で指示できるのは分かりやすい。

 グラフ作成も頼める。「月別売上を棒グラフにして」「売上は棒、粗利率は折れ線の複合グラフにして」「目標未達のセルを赤く表示して」といった指示で、グラフや条件付き書式の叩き台を作れるのだ。

○プロンプト
営業担当ごとの売上合計をピボットテーブルにまとめて。受注日を月別に集計して、金額の合計を表示してください。

ピボットテーブルの作成も日本語で指示できる

新規シートにピボットテーブルが作成され分析できるようになった

 もちろん、何でも任せられるわけではない。Claude for Excelはデータテーブルやパワークエリ、マクロ、VBAには対応していないことは覚えておこう。

 もうひとつ注意したいのが、外部から受け取ったExcelファイルだ。セルやコメント、数式の中にAIへの悪意ある指示が埋め込まれていると、Claudeがそれを通常の指示だと誤解する可能性がある。信頼できない外部スプレッドシートをClaude for Excelで扱うのは避けたい。ダウンロードしたテンプレートや取引先から届いたファイルを使うときは、いきなりClaudeに読ませないほうが安全だ。

 Claude for Excelの強みは、他人が作ったブックを理解したり、ばらばらのデータを整えたり、会議用の表やグラフの叩き台を作る、といった作業で効果を実感しやすい。まずは、壊れても困らないExcelファイルで「この数式を説明して」「この表を担当者別に集計して」などと、小さな作業から試してみよう。Excelから一歩も出ずに、数式の確認や表作成を進められる快適さを体感できるはずだ。

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