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Boxユーザー“王者”のオンワードHD、塩野香料、北海道電力が「現場のリアル」を語り合う

「導入・浸透・AI活用」3つの壁をどう壊す? IT担当者の共通の悩みに挑んだ3社の知見

2026年06月26日 09時00分更新

第三の壁「AIの壁……?」:社内の“AI活用格差”を解消するには?

 最後の壁が「AIの壁」だ。AI技術の急速な進化に伴って、AIの業務活用も強く求められている。ただし、AIについても「活用に積極的な社員」と「そうでない社員」がおり、活用推進は一筋縄ではいかない。このAIの壁は、まさにいま多くの企業が直面している壁に違いない。

 今回の3社は、AIの業務活用とどう向き合い、活用の推進に取り組んでいるのだろうか。

 オンワードHDでは、グループ全社に対してAIの積極活用を呼びかけ、利用を促進している。杉本氏は、現状はまだ業務の補助レベルでのAI活用だが、今後は業務プロセスの中にAIを組み込み、ワークフローの自動化を進めていく方針だと説明した。

 「昨年からBoxのライセンス契約をEnterprise Plusプランに切り替え、Box GovernanceやBox Shieldを活用しながら、内部不正対策などのセキュリティ対策を強化しています。しかし、ファイルへのラベル付けを人手で行うことには限界も感じており、そうした部分もBoxのAIを使って自動化できないかと思っているところです」(杉本氏)

 ちなみに、AIを使ったラベル付けの自動化は、最新の「Box Shield Pro」で実現されている。Box伊藤氏は「AIがファイルの内容を読み込んで、機密文書や個人情報を含む文書といったものを自動で判断してくれるので、セキュリティの強化につながります」と説明した。

 塩野香料の枝木氏は、AIの業務活用で業務スピードが大きく変わることを実感している一方、社内では「AIを使う人」と「使わない人」が出てきているのが現状だと話す。そこで、現場に寄り添ったユースケースを提案し、少しずつでも「使う人」を増やしていくことに力を入れているという。

 「Boxにコンテンツを集約したことで、Microsoft CopilotからでもBox上のコンテンツを検索し、回答してくれる仕組みになっています。アイデアの壁打ちも資料作成もできるということで、一部のメンバーには価値を感じてもらえているので、AI活用のステップアップを支援して、社員がより効率的に業務が進められるようにしていきたいと思います」(枝木氏)

 北海道電力の夏井氏も、業務におけるAI活用は人によってばらつきがあり、業務プロセスにAIを組み込んで大きく変革するような段階にも進めていないのが現状だと話す。そこで現在注目しているのが、エージェンティックワークフロー自動化の「Box Automate」だ。「AIを業務プロセスに組み込み、1つのワークフローを回すといったことができるそうなので、そうした新しい機能を取り入れながらBox AIを活用していきたい」と話した。

 伊藤氏は、これからの時代は“AIエージェントありき”で業務フローを設計していくことになり、そこでは「人がやるべき仕事」と「エージェントでできる仕事」の整理が必要だと指摘した。夏井氏が触れたBox Automateは、まさに人とエージェントが協働して、高度な業務プロセスを実行していく基盤になるという。

“壁”を突破した先に:3社はどんな未来を見ているのか?

 Boxの導入から浸透、AI活用まで、さまざまな“壁”に直面してきた3社。その壁を突破した先の未来に、どんなビジョンを持っているのだろうか。3氏それぞれに、これから実現したいこと、または“野望”を尋ねた。

 オンワードHDの杉本氏は、「ものづくりにしっかりAIを生かしていきたい」と述べ、さらなるAI活用の未来を語った。

 「非構造データ(コンテンツデータ)はBoxに入れて、構造データを扱うデータ分析基盤としっかり掛け合わせたうえで、AIにより新たな商品、そして新たな価値を生み出せるような土台を作っていきたいと考えています」(杉本氏)

 塩野香料の枝木氏は、ここまでのBox活用で「人と業務の距離がとても縮まった」としたうえで、今後は、コンテンツ共有を通じた海外グループ会社とのコラボレーション、外部の業務SaaSとのデータ連携なども強化していきたいと話した。

 「最終的にはBoxを、人とAIが協働して仕事ができるような土台に進化させていきたいですね」(枝木氏)

 北海道電力の夏井氏は、まだ解決できていない“暗黙知の壁”を越えることを目指したいと話した。業務の現場には、まだデータ化されていない知見やノウハウが多く眠っており、これもAI活用できるようにしていく、という意味だ。

 「しっかり文書化されていない現場のノウハウ、つまり暗黙知はまだ多くあります。これもまた、AIが正しい判断をするためには必要な情報でしょう。これをどうやったらAIに取り込めるのか、そして活用できるのかということを考えたいと思います」(夏井氏)

* * *

 今回のセッションで取り上げられた“3つの壁”は、どれも現在のIT担当者が悩んでいるポイントを突いている。3社・3氏が示したリアルで具体的なノウハウは、そうした悩みを解決するための大きなヒントになったのではないだろうか。

 なお、このセッションを含むBoxWorks Tokyoの全セッションは、下記のページでアーカイブ配信を公開中だ。こちらもぜひご視聴いただきたい。

■BoxWorks Tokyo 2026 アーカイブ配信公開中!(7月31日まで)
 https://www.box-events.jp/

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