面倒なSFAの商談ステージ管理もClaudeがレビュー・更新
打ち合わせ後、SFAでは商談やステージを管理する必要がある。これが地味に面倒くさく、後回しにしがち。杉本氏は、「私もとても苦手です」だという。
そこで杉本氏は、今までの打ち合わせやりとりを元に、どのように商談やステージ管理を行なうべきかをClaudeにレビュー・更新してもらっているという。「打ち合わせ議事録と対象となる商談を元に、ディカバリングやクオリファイディングなどのステージで変更や、入力すべき金額、説明文などの状況更新をピックアップしてもらっています」(杉本氏)。
これはAIの利活用で重要なデータ整備という観点でも重要だという。「データをどのように整理すべきなのか、なにが足りないのかをレビューしてもらう。商談管理のアシスタントとしてClaudeを利用しています」と杉本氏。これにより、ステージの変更し忘れがなくなり、レポートの作成が楽になるという。
ここまでデータがきれいに登録できると、売上データや予実管理も精緻化される。CDataの場合は、実績はSFAにあるが予算データはExcelで行なっているので、CData Connect AI からSFAとMicrosoft 365・SharePoint経由でExcelにつないで、データを取得する。これにより、売上や予実データをコンテキストに加えることができるようになり、Claudeから案件動向管理や進捗のレポートを出力できるという。
通常であればこれらの業務は、打ち合わせの準備で30分、打ち合わせ後の議事録作成やメール送付、商談の更新などで30分と、トータル1時間ほどかかるところだが、今では10分程度(6分の1)に短縮されているという。もし1日あたり3件の顧客MTGを年間200日程度行っているとすると、年間500時間ほど効率化に繋がっているというから驚きだ。
「打ち合わせ準備や後処理が効率化された分、どれだけ顧客や販売代理店と接する密度感を増やし、それら生の声をさらにAI に届けビジネスに繋がるようにできるかが今後鍵になると考えている」(杉本氏)
プロンプトは1日で成らず 最初はやりたいことをシンプルに伝えてカスタマイズ
杉本氏も一朝一夕でこうした使い方を編み出したわけではない。最初は「商談分析を月ごとにやりたいです」「データソースはCData Connect AIを利用して、SFAのデータを使ってください」程度のプロンプトしか記述していなかったという。
ただ、そこから「SFAのリンクを追加してほしい」「新規商談とリニューアルでフィルタをかけられるようにして」「予実管理もやりたいです。データソースはConnect AI経由で取得できます」など、何回かやりとりを重ね、最終的に数十分程度で、実行用のプロンプトや取得のためのクエリが生成されたという。
最近は、バイブコーディングでよく行なわれている帰納的な方法で、ダッシュボードを明示し、必要な項目を洗い出している。「完成イメージを投げて、Claudeからの質問に答えていくようにしています。Claudeだと選択肢を提案してくれるので、それを選択するだけです。こうして必要なレポートに近づけていきます」(杉本氏)。
AIを日常業務で利用したら、改めてデータの大事さを実感した
CDataのセールス担当のClaudeの使い方を見てきたが、ここまで読んでもらえば、AIの利活用にあたっては、SaaSのデータの重要性が理解できるだろう。
確かにCData Connect AIを利用すれば、さまざまなSaaSとAIをシームレスに連携できるが、SaaS側でデータがきちんと登録されていなければ、AIを正しく業務利用できないというわけだ。杉本氏は、「『SaaS is Dead』と言われますが、これからのSaaSって、データソースとビジネスロジックのデータが整合性を持っているかどうかが大事になります」と指摘する。
今回のAI利活用の鍵は、もともとデータを活用する文化があったのに加え、SaaSのデータにきちんとデータが格納されていたことだ。杉本氏は「生成AIを利活用するにあたって改めてデータ入力の大事さに気がつきました。そして今は生成AIを中心に業務が回ることで以前にも増してデータがうまく整備・蓄積される形が整っています。結果データ活用のための良いサイクルに繋がりますし、営業はそのデータに基づいて、より顧客の生の声を聞くことに集中できています」と語る。SaaSとAIを連携するCData Connect AIでどのような日常業務の革新が行なわれたか、伝わっただろうか?
次回はマーケティングやカスタマーサポートの事例を紹介する。
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