SFA などのSaaSとAIを連携する「CData Connect AI」を提供するCData Software Japanでは、社員がAIエージェントのサービスであるClaudeをフル活用し、日常業務を大きく刷新している。その活用術を伺う記事の前編は、CData Japanの杉本和也氏が登場。CData Japan のセールスチームがAI エージェント・ClaudeとSFAなどのSaaSを組み合わせることで、どのように業務の精度と効率を高めているのか聞いてみた。
AI活用の前提として、データ活用の文化と深いSaaS利用あり
CData Connect AIというSaaSとAIの連携サービスを提供しているCData Japanでは、社内でのAI活用も盛んに行なわれている。もともとは、昨年5月のConnect AI の前身となるベータ版プロダクト(CData MCP Server)の提供にあわせて社内検証でAnthropicのClaudeを導入したが、その後は利用が拡大し9月から社内のビジネスデータもかけ合わせて、業務でも本格的に利用しているという。
AI活用の前提として、CDataでは以前からSaaSにさまざまなデータが溜められていた。SFAとしてSalesforce、課題管理としてJira、マーケティング・広告管理としてGoogle広告やGoogle Analyticsのツールを用い、データウェアハウス(DWH)を構築して、ユーザー自身が分析していたという。溜まっているデータをAIで活用すべく、CData Connect AI経由で各SaaSに接続。SaaSのデータをビジネスデータのコンテキストとして活用できるようになったClaudeは、ユーザーの業務課題に高い精度で応えられるようになった。
一方で、「隣の人がどうやって使っているのか、けっこう知らなかった」(杉本氏)という課題もあった。そこで最近社内勉強会を実施したところ、かなり面白い活用法を見つけたという。今回は、セールス、マーケティング、テクニカルサポートの3業務でどのようにClaudeを利用しているのか、どのような工夫があるかを説明してくれた。
一人あたりで抱える顧客・販売代理店が多すぎる だからフォローアップの棚卸し
まずはセールスも担当する杉本氏は、日々の業務ですでにClaudeをフル活用している。杉本氏は、1日2~3回程度の顧客や販売代理店とミーティングを設けており、製品をうまく利活用してもらうための情報共有も行なっている。
セールスチームの一番の課題は「一人が抱える顧客や販売代理店の数が多いこと」だ。「既存の販売代理店だけでも数十社あり、新規開拓もあるので、顧客・販売代理店ごとのコンテキストスイッチを切り替えるのが大変です」と杉本氏。販売代理店ごとにビジネスモデルも契約形態も異なり、過去の打ち合わせの履歴を追うのも一苦労だ。加えて「案件が進捗しない」とか、「トラブルで詰まっている」といった事態を防ぐため、継続的なコミュニケーションを絶やさないことが大事だという。この2つの課題を軸に、どのようにClaudeを利用しているか見てもらいたい。
仕事の始めは「フォローアップタスクの棚卸し」だ。SFAに登録された案件のうち、オーナーIDが杉本氏で、ステータスがオープンになっているものを、3日間くらいのレンジでClaudeで棚卸しを行なうという。「もちろん、SFAのタスクリストを見ればすぐに把握できるのですが、コミュニケーションを絶やさないために、フォローアップのための新しいトピック探しや方針を決めるのがけっこう大変なんです」と杉本氏は指摘する。
そのときにSFAとつなげられたClaudeがあれば、顧客や販売代理店のプレスリリースや過去のやりとりから、フォローアップメールの方針検討や文面のドラフトまで作れるという。あわせて過去のやり取りの漏れ、打ち合わせ日時の再提示なども抽出し、次のアクションにつながるタスクの再確認まで行なっている。詳細を見る場合は、Claudeが付与したリンクからSFAを確認すれば良いという。
実際の打ち合わせに入る前にはアジェンダの自動生成。Claudeに、今までどのような商談があったのか、契約期限はいつまでなのか、どのような問い合わせがあったのかなどを洗い出し、アジェンダを作成してもらう。「1年前くらいに会った人と久しぶりに会うとき、Sansanから名刺交換履歴を引っ張ってきてもらい、打ち合わせの情報源として活用できます」と杉本氏。その他、販売代理店の注力領域や課題、CDataとの連携で強いが出そうな領域を抽出して、アジェンダのたたき台を作成する。
最新の営業フレームワークに基づき、打ち合わせを振り返れる
打ち合わせはMicrosoft TeamsやGoogle Meetの文字起こしを利用。ここまではいろいろな会社で実施していると思うが、議事録にはClaudeで必要なトピックを絞り込んでおくという。「Teamsでは自動的に議事録を起こしてくれるのですが、自分の観点で利用できるようにClaudeでカスタマイズした上で、かつ過去の商談などのコンテキストも含めて議事録として作成してもらい、ネクストアクションとセットでSFAに登録をお願いしています」と杉本氏は語る。
そこからフォローアップメールもClaudeで作成する。ネクストアクションのある場合は、きちんと文面に落とし込み、ドラフトを作成する。ただ、文面に関しては、自身のパーソナルな特徴も踏まえて、表現や書き口はかなり編集してから送っているという。
打ち合わせの後の振り返りもClaudeで行なっている。営業として基本となるBANT(予算・決裁権・ニーズ・導入時期)のほか、最近の米国ではSPICED(状況、課題、顧客インパクト、顧客にとって重要なタイミングや出来事、意思決定プロセス・関係者・基準)などのフレームワークに基づいて、内容をレビューしてもらうという。
杉本氏が最近使っているのは、「隠れたキーマンを探せ」という本で提唱されている顧客タイプの分析。「導入を推進してくれるキーマンとして、ゴー・ゲッターやティーチャー、スケプティックなどの分類があるのですが、打ち合わせ内容を元に担当者をClaudeで分析し、根拠まで示してもらいます。個人的にあまり人の特性を見極めるのが得意ではないので、仮説を持ちつつ、Claudeに手伝ってもらいます。またこれらのデータもSFA に蓄積されることで、次回打ち合わせ時のコミュニケーションプランのブラッシュアップや商談の戦略策定にも繋がります」(杉本氏)とのこと。
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