過去のコンテスト応募作品と類似した応募をAIで見抜く! 過去データを活用して人の目による精査時間を大量削減!
2026年04月24日 13時00分更新
本連載は生成AIをこれから活用しようとしている方たちのために、生成AIの基本やコピペしてそのまま使えるプロンプトなどを紹介。兎にも角にも生成AIに触り始めることで、AIに対する理解を深め、AIスキルを身に着けて欲しい。第56回は参加型企画のコンテストなどでAIを使って過去の応募に類似した応募を発見する方法について解説する。
過去のコンテスト応募作品と類似している作品を探す労力は負荷大
ビジネスでは、ユーザーや顧客から作品やアイデアを募るイベントを開くことがよくある。参加型の企画は盛り上がりやすい半面、運営側には地味に大変な仕事がある。過去の応募作や既存作品と似ていないかをチェックする作業だ。
これが意外に難しく、川柳などの短い作品は、使う言葉が違っても、言いたいことやオチの形が同じことがある。キーワード検索だけでは見逃しやすく、結局は人が読んで判断するしかなかった。
そんな時は、生成AIの出番だ。過去の応募作データを読ませれば、単語の一致だけでなく、発想や構図の近さまで見てくれる。今回は、過去の応募作をまとめたExcelファイルを使い、応募作品との類似をどこまで見抜けるのか試してみた。
過去データに「会議中 ミュート解除で 犬参加」という作品があったので、少しいじって「会議中 ミュート解除で ネコ参戦」とした。
過去のデータファイルをアップロードし、シンプルなプロンプトでチェックしてもらったところ、無事検出してくれた。類似度も非常に高い、と判定した。
●プロンプト(過去データのExcelファイルをアップロード)
この川柳が、添付の過去の応募作品に似ているかどうかチェックしてください。
会議中 ミュート解除で ネコ参戦
いろいろとテストしていたのだが、ファイルを添付しているのに、一般論で「よくある構成なので応募させるべきではない」といった回答が来ることがあった。そんな時は、必ずファイルを読むようにプロンプトで指示すればいい。
次は、「チャット鳴る すぐ見たことは 隠したい」を「チャット来る 既読を付けずに 見るだけ見たい」と3句すべてを改変してみた。内容は同じなので、応募させるわけにはいかない。
●プロンプト
添付のExcelファイル「2006-2025応募データ.xlsx」に含まれる全応募作品を対象に、以下の川柳との類似性をチェックしてください。
【必須条件】
・必ずファイル内の全データを参照して判断すること
・一般論ではなく、具体的な作品との比較で答えること
#対象句
チャット来る 既読を付けずに 見るだけ見たい
筆者の感覚ではアウトの類似でも、リスク中程度などと表示するので、「厳しく」チェックするように追加指示。複数の応募作品を列挙してみる。
前出の2つに「出社した 今日は雑談 帰宅する」を改変した「出社日は 雑談するだけ 飲みに行く」と「会議室 予約したのに 人いない」を改変した「部屋押さえ 開始時刻に 誰も来ず」も追加した4句をチェックしてもらう。
結果はすべて×。きちんと単語だけでなく、構図やオチをチェックし判定している。キーワード検索では対応できない判定をしてくれるのは流石AIだ。
ちなみに、ユーザーに忖度して×を出しているのか確認するため、関係ない4句も判定させてみた。もちろん、すべて○判定となった。
●プロンプト
添付のExcelファイル「2006-2025応募データ.xlsx」に含まれる全応募作品を対象に、以下の川柳との類似性を厳しくチェックしてください。
【必須条件】
・必ずファイル内の全データを参照して判断すること
・一般論ではなく、具体的な作品との比較で答えること
#対象句
チャット来る 既読を付けずに 見るだけ見たい
会議中 ミュート解除で ネコ参戦
出社日は 雑談するだけ 飲みに行く
部屋押さえ 開始時刻に 誰も来ず
応募作品のコピペだけで類似判定を繰り返し行うように設定する
この判定作業を繰り返し行うなら、毎回プロンプトをコピペするのは手間がかかる。そんな時は、ChatGPTやClaudeのプロジェクト機能やGeminiのNotebookLMを利用しよう。ソースとなるファイルを登録しておくと、その情報を元に返答してくれる機能だ。ChatGPTとClaudeはExcelファイルに対応しているのだが、NotebookLMは非対応。そこで、ExcelをCSVやマークダウンファイルなどに変換する必要がある。
変換ツールがないなら作ればいい。Geminiの「Canvas」機能を選択し、「xlsxファイルをマークダウンファイルに変換するアプリを作成してください」と入力するだけ。すぐにウェブアプリが作成され、右側に表示される。Excelファイルをドラッグ&ドロップすると、.mdファイルをダウンロードできる。さらっと紹介したが、生成AIの登場によって世界が一変するほど便利になっていることを実感する。
個人用Geminiを利用しているなら左メニューから「ノートブック」→「新しいノートブック」をクリックする。Google Workspaceユーザーなら、NotebookLMのウェブサイトから新規ノートブックを作成しよう。
準備したマークダウンファイルをソースとして登録したら、次はカスタム指示を設定する。毎回プロンプトを入力することなく、応募作品をコピペすれば自動的にチェックが始まるようにできるのだ。ノートブックの右上にある「…」ボタンから「ノートブックの設定」で設定できる。
●カスタム指示
顧客参加型イベントの応募作品をチェックしてください。過去の川柳イベント「オフィスあるある」のデータを添付します。今年の「2026年オフィスあるある」の作品が、過去作品と似ていないかどうか判断してください。文言が違っても、同じようなことを言っている作品も抽出してください。類似度で、スコアを付け、高い順に表示してください。類似なしは出力しなくていいです。
###フォーマット
投稿作品:
類似スコア:
類似ポイント:
これで準備完了。ノートブックに応募作品を貼り付けるだけでいい。複数まとめてチェックしてもらうことも可能だ。
実際に4つの改変作品をまとめて入力すると、NotebookLMは過去作品との近さをスコア付きで並べて返してきた。しかも、どの作品のどこが似ているのかを文章で示してくれるので、担当者はゼロから読み比べるのではなく、AIが絞り込んだ候補を確認すればよくなる。
応募作品の類似チェックは、これまで手間がかかるうえに見落としも起きやすい、地味だが重要な仕事だった。しかし、今は生成AIを活用すれば、負担をかなり軽くできる。もちろん最終判断は人が行うべきだが、一次チェックをAIに任せるだけでも運営はぐっと楽になるはず。ぜひ試してみてほしい。
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