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FinePixからXシリーズへ。富士フイルムのコンデジ30年史を「懐かしの猫写真」で振り返る

塀の上に猫がいたので左手の人差し指を差し出したところ、大あくびをしたので思わず撮影。2002年にしてはけっこう高画質だ。2002年2月 富士フイルム FinePix F601

 気まぐれに挿入される30周年シリーズ第3弾は、富士フイルム。富士フイルムの場合、ちょっとややこしくて、世界初の「画像をメモリーカードにデジタル記録するフルデジタルのカメラ」を開発したのは富士フイルムだし、1995年には「DS-220」も投入しているのだが、「モニター搭載のコンパクトデジタルカメラ」という意味では、1996年の「DS-7」が初となるのだ。そこからが本格参入ということで、DS-7から30周年なのである。

 そのDS-7で、1996年に撮った猫写真が出てきたのでここに。35万画素しかないので、そのままではちょいと画像が小さすぎる。なので、Adobeの生成AIを使ってアップスケールしたものを用意してみた。そこはちょっとご容赦を。

30年前のコンデジで撮った2匹の猫。サイズを2xにアップスケールしてるけど、当時の写りは味わえるかと。1996年8月 富士フイルム DS-7

 その後、「CLIP-IT」という愛称が付けられたが数年で終わり、1998年に縦型の斬新なスタイルで「FinePix 700」が登場する。富士フイルムといえばこれ、って感じのFinePixシリーズの始まりだ。

 冒頭写真は「FinePix F601」で撮った塀の上の猫。スーパーCCDハニカムという独自配列のイメージセンサーを用い、FinePix 700を受け継いだ縦型デザインでなかなかかっこよかった。

 FinePix Sシリーズは「ネオ一眼」と名づけられたEVFを搭載し、一眼レフっぽいデザインの高倍率ズームカメラ。

 「FinePix S5000」で撮った中から、多摩川の河原で撮った2匹の猫を。多摩川サイクリングロードを上流に向かって走っていったとき、国立市あたりでふと出会った猫だ。階段の下からひょこっと顔を出したチャトラと、そーっと目だけ見せてるサビネコ。

望遠に強いので鳥でも撮ろうと川沿いを走っていて偶然出会った猫。猫の色もさることながら緑がきれいなのも富士フイルムの良さなのだった。2003年7月 富士フイルム FinePix S5000

 そして2005年に当時としては画期的な1台が誕生する。「FinePix F10」である。それまでのコンパクトデジカメって高感度に弱く……つまり暗所が苦手で、「暗いときはフラッシュを光らせよう」が基本だった。フィルムコンパクトカメラと同じですな。

 でもF10はそこに対して、高感度に強い新型センサーを搭載してきたのだ。プレスリリースには「超高感度デジタルカメラ」と書いてあったほど。今のカメラやスマホには比ぶべくもないレベルなのだけど、当時としては画期的だったのである。

 これなら、夜の猫も撮れるかも! と撮ったのがこちら。駅前の通りで、居酒屋の前に猫が何匹かいるなと思ったら、お店の人がときどき余り物をあげていたようで、それを狙ってぐいっと背を伸ばした猫が可愛い。

 今は不用意に餌をあげたりすると問題になるし、人間用の食べ物をあげるなんて……って話になるけれども、まあ20年前の話なのでご容赦を。

暗所に強い! 画期的だった「FinePix F10」の衝撃

おこぼれをもらうためにぐっと背を伸ばす2匹の猫。何を貰っていたのかまではわからないけど。2005年3月 富士フイルム FinePix F10

 FinePix F10で撮った猫写真はいっぱいあった。夜じゃなくてもシャッタースピードを上げられるので猫を撮りやすかったのだな。

 翌2006年にはさらに感度を上げた「FinePix F31fd」が誕生する。それで撮った猫写真を探していたら、面白いものが見つかったのでここでお蔵出し。

 猫が膝の上に乗っかってくつろいでるのだけど、彼の手には何やら紙が。これ、雑誌のレイアウト用紙。とあるパソコン誌から猫撮影の記事を依頼されたとき、じゃあ猫がいる公園があるのでそこのあずまやで打ち合わせ、ということになったのである。そしたら、人なつこい猫が編集者の膝に乗ってくつろいでしまったのだ。猫を膝に乗せたまま打ち合わせがはじまったのだった。

当時、猫撮りに最適だと思ったカメラだった。にしても人の膝が大好きな猫でありました(わたしの膝にもよく乗った)。2006年11月 富士フイルム FinePix F31fd

 富士フイルムの独自イメージセンサー路線は続き、スーパーCCDハニカム EXRが登場。高画素モードと高感度モード(この場合は画像サイズが小さくなる)を切り換えて使えるなどさらに進化した。

とある昔ながらの商店街。猫が何匹かいて、よく散策にいったものである。人なつこいので、這いつくばって至近距離で撮ってみた。2009年3月 富士フイルム FinePix F200EXR

 やがて、FinePixもCCDからCMOSセンサーへと移行するも、コンパクトデジカメ市場の縮小傾向にともない、2013年の「FinePix F900EXR」が事実上最後のモデルとなる(防水モデルはその後も続いたけどね)。

草を食もうとしてたのかもしれない。低い位置にカメラを置いて広角で撮影。人に慣れた猫であった。2013年6月 富士フイルム FinePix F900EXR

 2011年には今につながるXシリーズが誕生する。APS-Cサイズセンサーを搭載した単焦点レンズのX100シリーズは現役だけど、当時は2/3型センサー+ズームレンズのX10もあり、それがなかなかコンパクトで高画質でよかったのだ。

 個人的には第2弾の「X20」が好きだった。ズームレンズがマニュアルで、指でくいっと回してズーミングするのが気持ちよかったのだ。

今につながるXシリーズ。名機「X20」復活への想い

草や枯葉の上で気持ちよさそうに寝てたハチワレがいたので起こさないようにそっと撮影。2013年3月 富士フイルム X20

 このシリーズも2014年に出た「X30」が最後となった。多摩川の河原なのだけど、手作りっぽい小さなほこらがあり、その前で猫がくつろいでいたのだ。今は猫もほこらもなくなったけれども、味わい深いよい空間でありました。

河原の廃業して長いとおぼしき家屋の横にあった手作りっぽいほこら。屋敷神みたいなものだったのだろう。猫が似合う場所だった。2014年1月 富士フイルム X30

 最後はネオ一眼タイプの「X-S1」。高倍率ズームレンズとしては大きめの2/3型センサーで画質もよかったのだ。

望遠に強いカメラだったので、ふさふさ長毛種の顔のアップを。2011年12月 富士フイルム X-S1

 FinePixシリーズは事実上終了したけれども、XシリーズはX100が、さらに2025年はX-halfというユニークなカメラも登場するなど現役のシリーズであるからして、X20やX30あたりのズームレンズ搭載コンパクトもリニューアルして再登場とかしないかな。しないだろうなあ。

 もし復活するなら、X20をベースにして欲しいと勝手に思っております。

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筆者紹介─荻窪 圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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