IoT製品およびスマートフォンのグローバル展開に関するセッションでは、Director of Communications, Xiaomi InternationalのAngus Ng氏と、Xiaomi Senior Product Marketing ManagerのJennifer Zhang氏が登壇し、記者からの質問に答えた。
iPhoneを使いながらAndroidタブレットを楽しんでもらう
そうした共存の姿勢がシャオミの基本スタイル
シャオミのエコシステム戦略は、他社のシステムに対してオープンなアプローチを採用している点が特徴。Jennifer氏は「『すべての人にイノベーションを』という哲学に基づき、AppleであれAndroidであれ、ユーザーのライフスタイルにシームレスに適合する製品を目指している」と語った。
Angus氏もこれに同調し、「自社の強固なエコシステムを構築し、そこからユーザーを引き抜こうとするのではなく、私たちは自らを制限しない。iPhoneを所有しながら、Androidタブレットを楽しむこともできる。これが私たちの戦略だ」と語り、Appleなど既存の強力なエコシステムと直接競合するのではなく、共存を図る姿勢を強調した。
このオープン戦略を象徴する忘れ物タグの「Xiaomi Tag」について、Jennifer氏は「15ユーロ前後(日本では1980円)という低価格でありながら、GoogleとAppleの双方のネットワークで機能する点は非常に稀である。無名のノーブランド品ではなく、技術と製造能力に裏打ちされた信頼できるブランドの製品として提供する」と自信を見せていた。
バッテリーや輸送料の問題が各国市場での壁になっている
続いて話題になったのが、バッテリー性能の向上について。まず、スマートウォッチのバッテリーに関して、Jennifer氏は「最新モデルはすべてのスマート機能を有効にした状態でも6日間駆動する。これはスマートウォッチ最大級となる930mAhの大容量バッテリーを搭載し、シリコンカーボン含有量を約10%にすることでエネルギー密度を高めた結果である」と技術的背景を説明した。
一方、スマートフォンのバッテリー容量に関して、地域ごとに仕様が異なる(たとえばXiaomi 17 Ultraは中国では6800mAhだが、グローバルでは6000mAh)。この理由をAngus氏が説明した。
「6000mAh以上のバッテリーを搭載したスマートフォンを危険物とみなす市場が多く、航空便などで発送が許可されない。より多くのユーザーや販路に製品を届けるための妥協である」と語り、流通上の制約が製品仕様に影響を与えている実態を明かした。また、物流コストの問題として「電動スクーターを中国から発送する場合、送料だけで製品価格の2倍にあたる1500ドルがかかることもある」と述べ、地域ごとの規制や輸送費が事業の課題となっていることを指摘した。
今回発表されたハイエンドタブレット(「Xiaomi Pad 8」)にOLEDではなく液晶を採用した理由については、Angus氏が「11型以上のOLEDパネルを採用してこれ以上価格を上げれば、タブレット市場の絶対的王者であるiPadと同等の価格になってしまう。AndroidタブレットがiPadの築き上げたものを完全に代替できるとはまだ確信していないため、価格競争力を維持するためのリスク管理である」とした。
独自開発のXRチップの展開についても「市場全体をゼロから再教育するには多大な予算と時間が必要であり、現時点では大規模な製造やグローバル展開の準備は整っていない」とし、当面はクアルコムやMediaTekとの連携を重視する方針を示した。
電動キックスクーター事業について、Jennifer氏は「新モデルのScooter 4 Ultraは12インチの大型タイヤと剛性を高めたシャシーを採用し、障害物を乗り越えやすくした。欧州の体格に合わせた設計にしている」とのこと。また、航続距離75kmを実現した同モデルにはスケジュール充電機能が搭載されており、「電気料金が時間帯によって変動する欧州市場において、電気代が最も安い深夜帯を指定して充電できる機能は大きな利点になる」と説明した。
デュアルモーター化については、Angus氏が「速度が出過ぎることで安全上の懸念が生じる。現在の法規制の範囲内では、デュアルモーター化はスクーターというより車両のカテゴリーに入ってしまうため、当面は見送る」と答えた。
EVの欧州展開を2027年に予定していることをあらためて名言
欧州の体格や運転習慣に最適化した開発を進めている最中
EVの欧州展開については、Angus氏が「2027年にヨーロッパ市場で展開を開始する予定だ」とあらためて明言。「私たちの国(中国)の人間は小柄であり、そのままのシート高では一般的なヨーロッパ人には快適ではない。また、制限速度のないアウトバーンなどの高速走行ではEVはエネルギー消費が激しくなるため、現地の運転習慣に合わせた最適化が必須」とのことで、現地化に向けた開発状況を説明した。
こちらのセッションでも、メモリ価格の高騰が製品に与える影響について質問があり、Angus氏は「私たちは世界最大級のメーカーであり、調達ボリュームの多さが調達コストの抑制において有利に働いている」とする。また、米国や韓国など同社が入り込めていない市場については、「通信キャリアの販売プランが市場を支配しており参入障壁は高いが、長期的にはシェアを拡大できる余地がある」と分析し、継続的に開拓を進める姿勢を示した。
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