プレゼンに成功するスライドを短時間で作る! 画像のクオリティがアップしたNotebookLMのスライド機能
2025年12月12日 09時00分更新
本連載は生成AIをこれから活用しようとしている方たちのために、生成AIの基本やコピペしてそのまま使えるプロンプトなどを紹介。兎にも角にも生成AIに触り始めることで、AIに対する理解を深め、AIスキルを身に着けて欲しい。第38回は「NanoBanana Pro」を使って説得力の高いスライドを作成できる、「NotebookLM」のスライド機能について解説する。
そのまま使えるスライドを作成できる「NotebookLM」のスライド機能
2025年11月20日、Googleの「NotebookLM」にスライド機能が搭載された。登録したソースを元に、プレゼン資料を生成してくれるというものだ。同日にリリースされた画像生成AI「NanoBanana Pro」を利用し、日本語と画像の描写力が大幅に向上している。
これまでも生成AIでプレゼンスライドを作成することはできたが、デザインがイマイチだったり、日本語のフォントが崩れたりしていた。場合によっては、レタッチツールなどでテキストを差し替える作業が発生していたが、今度の「NotebookLM」は一味違う。そのままビジネスシーンで利用できるクオリティのスライドが作れるのだ。
試しに、企業情報や企業理念、就業規則などをまとめた、総務問い合わせ窓口として運用しているノートブックでスライドを作成してみよう。「Studio」の「スライド」をクリックすると作成が始まる。設定を確認するならペンのアイコンをクリックしよう。
文字量の多さを選んだり、スライド生成時に利用するプロンプトを入力したりできる。ここでは、標準設定のまま「生成」ボタンをクリックしてみる。
数分で、12枚ものスライドが生成された。表紙からしていい感じのデザインでフォントもしっかりしている。さすが、NanoBanana Proの描画エンジンだ。
続いて、会社概要、理念、事業紹介、社内制度、コンプライアンスなどが紹介されている。そのまま、求人向けの資料として使えそうなクオリティだ。もちろん、実際に使う際は、生成されたそれっぽい製品画像や従業員の歓談風景などは本物に差し替える必要はある。
次は、令和7年度版の情報通信白書をスライドにしてもらおう。設定の「形式」で「プレゼンターのスライド」を選択し、プロンプトも入力する。ここでは、「重要なポイントをインフォグラフィックスでわかりやすく解説してください」と指示した。スライドの枚数も10枚と指定。
数分で、256ページにも及ぶPDFを分析し、きっちり10枚のスライドにまとめてくれた。ちなみに、NotebookLMはPDFのページ数に関する制限は特になし。1ファイルは200MBまで、1ファイル当たりの最大単語数は50万語(日本語だと100万文字強)となっている。今年の情報通信白書は39MB、約37万文字なので余裕で扱えるのだ。何なら、昨年の分も入れて、差分を抽出させることもできる。
ちなみに、サブタイトルの「社会基盤としてのデジタルの光と影」とあるが、AIは「光と影」を使いがち。もし、生成AIっぽさを減らしたいなら、「光と影」は言い換えたほうがいいだろう。
以前作成したプレゼン資料をスライドとして清書してもらう
試しに、以前自分で作成したプレゼン資料をPDF化し、1ファイルだけ登録した状態で、スライドを生成してもらった。全部で27ページの資料だが、目次や自己紹介、FAQなどは省いて、15ページのスライドにまとめてもらうことにする。さすがに、元ファイルで使われている画像を流用することはできなかったが、新たに多数のイラストや図解が追加されていて、圧倒的にわかりやすくなっている。文字化けもなく、わかりやすく清書してもらったような感じだ。
よく見ると、最後の行が1文字だけになって読みづらかったり、注釈が「Note:」と英語でわかりにくかったりするが、その程度。現時点では修正は難しいので、完ぺきを目指すならプロンプトで調整して再生成が必要になる。
NotebookLMの「スライド」機能はとても便利なので、一度触ってみてほしい。もちろん、職人技のスライドと比べるとAIっぽさはあるものの、膨大な時間を削減できることを考えれば、用途によっては活用できるはず。なるべく早く触り始め、目当てのスライドを生成する勘所を押さえておくことをお勧めする。
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Google Geminiの猛追を受け、今度はOpenAIがコードレッドを宣言
2022年、ChatGPTがリリースされてすぐに、Googleの経営陣はコード・レッドを宣言した。当時のChatGPTは性能が低かったにもかかわらず、事業に対する脅威と判断したのだ。そして、OpenAIを猛追。最初はダメダメで、OpenAIの独走かと思いきや、2024年からGeminiの性能が急激に向上し、2025年はOpenAIを上回るプロダクトをローンチしてきた。
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現在、ChatGPTは週8億人が利用するNo.1生成だが、一度、Geminiに抜かれてしまうと解約ラッシュに見舞われかねない。ここが、OpenAIの踏ん張りどころとなるだろう。
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