第120回
“本業ガチ勢”のスキルが光る、ミッション攻略型コンテスト
まるで空港版SASUKE!? 空港のプロが魅せる「グラハン頂上決戦」に潜入 ANAの“究極の荷物スキルバトル”とは?
2025年11月05日 07時00分更新
最後に再びコンテナドーリーを連結して、ゴール地点まで戻ってくれば競技は終了。これら一連の動作を、審査員が採点をして優勝者を決定します。
TT車の運転については、皆さんかなり手慣れている様子でしたが、競技が終わったあとに話を聞くと「狭いところを走行するのと、バックでの走行はあまり機会がないので、難しかった」と話していました。
●審査はANA屈指のプロが担当「マスターインストラクター」
審査員は、グランドハンドリングのインストラクターのさらに上に位置する「マスターインストラクター」が担当。マスターインストラクターはグラハン業務全般の安全品質を維持・向上させるため高度な専門知識と教育スキルを持った人たちで、ANAのグラハンを担う約8600名の中から56名程度が任命されています。
ちなみに昨年の第1回では、高所作業車や飛行機のプッシュバック時に使用するトーイングバーの運転操作といった競技項目もありましたが、今回はなし。これらの作業も行わない空港もあるそうで、今回は広く参加者を募りたいという理由で、上記の競技項目となっています。
●スピードよりも安全・丁寧さを重視した審査
こういったコンテストとなると、スピード勝負で雑な作業になってしまいそうですが、そこは各チームとも丁寧。ANAオペレーションサポートセンター 空港サポート室グランドハンドリング企画部の曽原倫太郎部長もコンテストを総括したときに「派手な大技やスピードを競うものではなく『基本動作の徹底』を確認した」と話しています。基本動作を徹底し、安全・安心は当たり前なうえで、そのさらに上のパフォーマンスが出せるかというのが、このコンテストのポイントというわけです。
●優勝は鹿児島空港チーム!各賞の結果も発表
審査の結果、優勝は鹿児島空港(南国交通)の宮原さんと青山さんのチームが獲得。2位は仙台空港(日本通運)の佐藤さんと鈴木さん、3位は成田空港(ANA成田エアポートサービス)の野村さんと小原さんの各チームが受賞。加えてGoodコミュニケーション賞が米子空港(日ノ丸自動車)の下垣さんと池信さんのチームに送られました。
次回、飛行機に乗るときは窓の外に目を向けて、こういったコンテストを通じて日々の訓練と努力が詰まったプロフェッショナルな姿をみるのも、旅の楽しみのひとつにしてみてはいかがでしょうか。
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この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)
世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。
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