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原点回帰と最先端の融合! EV版「MINI COOPER SE」はクラシックMINIへのオマージュを貫いた進化だ

2025年10月13日 12時00分更新

乗り味は「BMWのような快適さ」
1クラス上以上に高められた快適性

 EVには標準で「C」と「S」のモデルがあり、ADAS(先進運転支援システム)を含む安全装備とモーター性能、電池容量が異なります。試乗車は「S」なので、モーター性能が、最高出力160kW(218ps)、最大トルク330Nmと、エンジン車の「S」よりも少しパワフル。駆動用バッテリー容量は54.2kWhとなり、一充電航続距離が446km(WLTPモード)とされています。

 真夏の試乗時では、100%充電の状態で363kmの表示。直近の走行データなどを基にした数字なので、走行状況により上下しますが、300km以上の走行が可能だと、ロングドライブでの充電の心配がない、もしくは最小限の充電で済む印象なので、利便性の高いEVといえます。

 その走りは、モーターらしい俊敏な加速が味わえ、さらに静粛性も高くて静か。また、固めのサスペンションの印象のあるMINIですが、歴代モデルのしっかりした足回りを受け継ぎつつ、ボディー剛性の高さを活かして乗り味は大きく改善されており、MINIというよりもBMWのような快適さと感じます。

 ただ、モーター特有のきびきびした走りと、それを受け止められるシャシーの組み合わせは、MINI自慢のゴーカートフィーリングをより強めそうです。

 断言できるのは、快適性が従来のMINIと比べると、1クラス上以上高められているということです。

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ラゲッジスペースの容量の標準時210Lは、ガソリン車と共通。ただ後席を倒すと、EVの方が広い800Lを確保する

 その一方で、歴代のエンジン車のMINI COOPER Sに感じるヤンチャさはなく、高性能だけど、スポーティーさが弱まったとも感じるのも正直なところ。刺激を求める人は、EVのJCW(ジョンクーパーワークス)か、同じMINI COOPER Sならガソリン車の方が良いかもしれません。この課題は、いずれ検証したいところです。

 ファッションアイコンとなった現代のMINIでは、EVは正常進化だともいえます。伝統のスタイルを持ちつつ、見事に最先端のデザインにアップデートさせた雰囲気は、未来的であり、エンジン車よりもEVのマッチングが良いとも。

 特に最新のデジタル技術が生んだセンターメーターパネルは、カメレオンのように表示を様変わりさせることができ、その自由さはまさに未来的です。

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気分に合わせて、メーター表示を変更できるのも新MINI COOPERの魅力のひとつ

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未来のMINIはEVシフトが正常進化もエンジン車もなくならず

 将来的にMINIは、ブランドのEVシフトを掲げています。個人的には、エンジン車とEVの棲み分けをもっと図ることで、自分だけのMINIが選びやすいようになると、より楽しいMINIの世界が広がると思います。

 もしMINI COOPERの購入を検討中で、実用性や快適性を重視するならば、ガソリン車とEVを比較することをオススメします。もちろん、いずれがベストなのかは自身のライフスタイル次第ですが、きっと目から鱗が落ちると思いますし、EVのMINIの良さも理解できるでしょう。

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未来感に溢れるEV版のMINI COOPER SE。乗用車としては優れているが、伝統のMINIらしさを求めるならば、ガソリン車の方が良いかも

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