第571回
原点回帰と最先端の融合! EV版「MINI COOPER SE」はクラシックMINIへのオマージュを貫いた進化だ
2025年10月13日 12時00分更新
乗り味は「BMWのような快適さ」
1クラス上以上に高められた快適性
EVには標準で「C」と「S」のモデルがあり、ADAS(先進運転支援システム)を含む安全装備とモーター性能、電池容量が異なります。試乗車は「S」なので、モーター性能が、最高出力160kW(218ps)、最大トルク330Nmと、エンジン車の「S」よりも少しパワフル。駆動用バッテリー容量は54.2kWhとなり、一充電航続距離が446km(WLTPモード)とされています。
真夏の試乗時では、100%充電の状態で363kmの表示。直近の走行データなどを基にした数字なので、走行状況により上下しますが、300km以上の走行が可能だと、ロングドライブでの充電の心配がない、もしくは最小限の充電で済む印象なので、利便性の高いEVといえます。
その走りは、モーターらしい俊敏な加速が味わえ、さらに静粛性も高くて静か。また、固めのサスペンションの印象のあるMINIですが、歴代モデルのしっかりした足回りを受け継ぎつつ、ボディー剛性の高さを活かして乗り味は大きく改善されており、MINIというよりもBMWのような快適さと感じます。
ただ、モーター特有のきびきびした走りと、それを受け止められるシャシーの組み合わせは、MINI自慢のゴーカートフィーリングをより強めそうです。
断言できるのは、快適性が従来のMINIと比べると、1クラス上以上高められているということです。
その一方で、歴代のエンジン車のMINI COOPER Sに感じるヤンチャさはなく、高性能だけど、スポーティーさが弱まったとも感じるのも正直なところ。刺激を求める人は、EVのJCW(ジョンクーパーワークス)か、同じMINI COOPER Sならガソリン車の方が良いかもしれません。この課題は、いずれ検証したいところです。
ファッションアイコンとなった現代のMINIでは、EVは正常進化だともいえます。伝統のスタイルを持ちつつ、見事に最先端のデザインにアップデートさせた雰囲気は、未来的であり、エンジン車よりもEVのマッチングが良いとも。
特に最新のデジタル技術が生んだセンターメーターパネルは、カメレオンのように表示を様変わりさせることができ、その自由さはまさに未来的です。
未来のMINIはEVシフトが正常進化もエンジン車もなくならず
将来的にMINIは、ブランドのEVシフトを掲げています。個人的には、エンジン車とEVの棲み分けをもっと図ることで、自分だけのMINIが選びやすいようになると、より楽しいMINIの世界が広がると思います。
もしMINI COOPERの購入を検討中で、実用性や快適性を重視するならば、ガソリン車とEVを比較することをオススメします。もちろん、いずれがベストなのかは自身のライフスタイル次第ですが、きっと目から鱗が落ちると思いますし、EVのMINIの良さも理解できるでしょう。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります






