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【密着レポ】ANAのパイロット訓練、実はフロリダでやってた!

2025年10月08日 07時30分更新

文● 中山智 編集●こーのス/ASCII

●空港のまわりは訓練機だらけ!? フロリダの空は“密”

 訓練所のあるサンフォード空港は、近隣に大型のオーランド国際空港をはじめ、現地航空大学の訓練所空港もあるなど、大小さまざまな飛行機が飛び交う空港&フライト密集地帯。とはいえ騒音規制がほとんどなく、低い高度での飛行も比較的自由に許容されており、フライト時間の確保という点では、ヨーロッパや日本などと比較して訓練しやすい環境とのこと。

訓練機がならぶサンフォード空港です

 また日本のように、時間で予約した誰も入ってこない訓練空域とは異なり、訓練機が混在する「高密度空域」で行われるため、訓練機同士はADS-B(自分の位置と相手の位置を発信するシステム)を利用し、30秒後の位置を示す矢印を確認しながらのフライトと、より実践に沿った訓練を進めています。

航空機の安全な運航管理をするディスパッチルームに掲示されていた、周辺エリアの様子です

●寮生活しながら、座学とシミュレーターもガッツリ

 訓練所にはもちろん座学を行うための教室や、実機を操縦する前段階で利用するフライトシミュレータなども完備。ANAからも乗員2名、スタッフ1名が駐在し、訓練生の日々のサポートにあたっています。ちなみにANAの訓練生だけではなく、ほかのエアラインの訓練生や資格取得のため自費で参加している人もいます。ANAのカリキュラムとは違いますが、国際色豊かな訓練校となっています。

こちらはシミュレーターでの訓練の様子です

自習エリアには訓練生が使えるシミュレーターも用意されています

もちろん、操縦訓練だけでなく、座学もあります

ANAのオフィスもあり、スタッフも常駐。訓練生のサポートや、アクロンとの提携などに対応しているそう

●ANAの1期生もデビュー間近!夢に向かって飛び立つ準備中

 効率良く、しかも安全に運航できるパイロットを養成するためにANAが選んだのが、サンフォードにあるアクロン。スタートしたばかりの養成プログラムなので、2025年3月にこのプログラムの1期生がCPL/IR実地試験に合格したばかり。そのため、ANA便のパイロットとして乗務するのはこれからですが、訓練の成果を活かした安全・安心のフライトを期待したいですね。

サンフォードでの訓練期間は約1年。その間は空港から車で15分ほどの寮で訓練生たちは共同生活をして切磋琢磨しているとのこと

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この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)

世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。

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