材料を切ったときに出る、切断した角の尖りやギザギザ。これはバリと呼ばれ、その後の工作時に色々と悪さをしてきます。
例えば金属や硬質プラスチックを切ると、鋭利なバリが出がち。ここに手が当たってしまうと、刃物で切ったかのように切り傷ができてしまいます。作業中、なんか指がヌルっとするなと思ったら、バリで手を怪我して血が出ていた……みたいなことは意外とあります。
また、工作精度への影響も見逃せません。とくに精密なものであれば、バリのぶん厚みが増してしまい、寸法がズレてうまく組み立てられないこともあるでしょう。これ以外にも、完成後にバリが剥がれ、電子回路の上に落ちて故障するということも考えられます。
こういったトラブルを防ぐためにも、バリ取りは大切です。
●では、どうやってバリを取り除く?
どうやってバリを取るかというと、よくやるのは、ヤスリやカッターで削ること。手持ちの道具で対処できるため、手軽で素早く作業できるのがメリットです。
ただ、直線部などはこれで十分のですが、ちょっと困るのが曲線部。とくにパイプの内側などはヤスリで削りにくいうえ、カッターの刃も当てにくいというのが厄介です。こういった部分のバリ取りで活躍してくれるのが、回転式のブレードを持つバリ取り工具。
NOGAの製品が定番となっているようですが、ちょっと検索してみると、似たような製品が数百円から数千円まで数多く出てきます。これらの製品をよく見ると、ハンドルこそいくつかの形状がありますが、ブレードは共通となっていました。
ここでふと気になったのが、「ハンドルの形状で使い勝手は変わるのだろうか……?」ということ。そこで、比較的よく見かけるハンドルのうち「RB1000」、「NB1100」、「NG1000」と呼ばれることが多い3種類を買って試してみることにしました。
ブレードは、RB1000とのセットで付属していた「BS1010」、「BS1012」、「BS1018」、「BK3010」の4種類を入手。どれも使い方は似たようなものなので、この中から、スチール・アルミ・プラスチックと幅広く対応する「BS1010」を使用しました。
ちなみに、「BS1012」は「BS1010」にチタンコートが施されたもの。「BS1018」はプラスチックや硬い素材向け、「BK3010」は小さな穴向けといった違いがあります。
●3つのハンドルの違いをチェック
まずはハンドル本体の質感、ブレードの着脱方法、その他の特徴をチェックしていきましょう。
【RB1000の場合】
最大径約14mm、長さ約125mm、重量約47gの金属製ハンドル。細身のアルミボディで、先端のブレード装着部はスチールでしょうか。手にした感じは重量感のある太めのペン、といった感じで、細かい作業でも安定して使えそうな雰囲気があります。
ブレードの装着は、先端首の部分を押し下げてブレードを挿し込み、手を放すだけ。抵抗なくスッと入るので、先にブレードを挿し込んでから首の部分を押し下げても入ります。外し方はこの逆で、首の部品を押し下げて引き抜くだけです。
装着してしまえば引っ張っても抜けませんが、ブレードは軽い力で回転します。ペン先を振ると、くるくる回転するほど滑らかでした。
【NB1100の場合】
最大径約23mm、長さ約126mm、重量約24gのプラスチック製ハンドル。結構太目ですが寸胴なのと、廉価なドライバーを連想する凹凸が特徴です。実際、このNB1100は実売価格599円と安いです。
底部は黒いキャップがあり、ひねってツメを外し、引っ張ることで取ることができます。キャップを取ると中は空洞。ここはブレードのケースとなっており、予備のブレードを収納しておけるのが便利です。
奥に4つに区切られたスペースがあるとはいえ、とくに固定するようなギミックはないため、振るとカチャカチャいいます。複数ブレードを入れておくとぶつかり、刃が鈍ってしまう可能性もあるので注意したいところです。未使用時に1本だけしまっておく、という使い方の方がいいかもしれません。
ブレードの装着は、先端近くのボタンを押す方式。ブレードを挿して手を離せば固定されるというのは同じです。ボタンがやや小さめなので、ちょっと押しづらいなと感じました。
個体差かもしれませんが、ブレードの動きはやや鈍く、ハンドルを振り回してもあまり回転しません。といっても、指で押せば簡単に回せるので、実用上問題はないでしょう。
【NG1000の場合】
最大径約28mm、長さ約124mm、重量約32gのプラスチック製ハンドル。首の近くが細く、そこから徐々に太くなっていく形状です。側面はゴムのように滑り止め効果のある素材となっており、手袋をしていても滑りにくいというのが特徴です。
底部のキャップが取れ、ブレードの収納が可能というのはNB1100と同じ。径が太いぶん、こちらの方がより多く収納できます。ちなみに、奥にある区切られたスペースは6つに増えていました。
ブレードの装着はRB1000と同じで、首の部分を押し下げて挿し込む方式。太くて大きいぶん作業がしやすく、手早く着脱できるように感じました。また、樹脂製ですがブレードは回転しやすく、指で押さなくてもくるくる回ります。
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