2つの材料をねじ止めしようとしたとき、貫通穴をあけて裏にナットを入れ、ネジで固定する……というのがよくやる方法でしょう。
しかし、ナットだと空回りしないよう裏から押さえておく必要がありますので、材料が大きかったり、ネジの本数が増えたりすると、ナットを入れる作業だけでも結構大変です。また、作業中にナットを落としてしまうと、さらに作業効率が落ちてしまいます。
材料がパイプの場合はもっと深刻で、裏側……つまり、パイプの内側にナットを入れるのが難易度高め。頑張って入れたところで、指も工具も届かず押さえられませんから、空回りする可能性はかなり高くなってしまいますしね。
●材料そのものにネジ穴を作るには何が必要?
こういった場合に便利なのが、ナットを入れる代わりに、タップ加工でネジ穴を作る(あらかじめ開けた穴へ、表面がギザギザの工具を差し込み、回転させて雌ねじを作る)ことです。材料そのものにネジ山を作れるため、ナットが不要となるのが最大のメリット。裏に入れる必要も、押さえておく必要もありませんから、片面から次々とネジ止めしていけます。
ただし、この方法にも欠点があって、それは"材料に十分な硬さと厚みが必要"なことです。薄い板だと金属であっても十分なネジ山の数が作れず、ネジ締めた瞬間、ネジ山が壊れてしまいます。また、樹脂のように柔らかい素材でも、ネジ山が潰れてしまう危険があります。
そんな薄板や柔らかい材料でも、安全にネジ穴を作る方法があります。それが、ブラインドナットです。これは、押し潰すことで薄板を挟み込み、固定できるというナット。ネジ山はナットの部分にあるため、材料の厚さや強度によらず、しっかりネジ止めできるというのがメリットです。
ところがブラインドナットを潰すにはナッターと呼ばれる工具が必要で、これが意外と大きくてジャマ。たまにしか使わないのであれば、より安価でコンパクトなロブテックスの「ちょっとナッターII」(実売価格1850円)を使ってみるのはどうでしょう。
●直径約24mmの小さな本体
今回試したのは、M4(4mmネジ)用の「ちょっとナッターII」。セットに入っているのは、ちょっとナッターII本体、マンドレル、六角ナット、エビナット(ブラインドナット)の4つだけです。
本体は、直径約24mmと小さい円筒形。これに六角ナットをセットしたマンドレルを通し、先端にエビナットを取り付けて使用します。
これだけではエビナットを押しつぶせないため、その他の工具として、マンドレルを固定する六角レンチ棒(3mm用)と、レンチ(7mm用)が必要です。また、下穴(φ6.1mm)をあけるためのドリルも必要です。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります