本連載は生成AIをこれから活用しようとしている方たちのために、生成AIの基本やコピペしてそのまま使えるプロンプトなどを紹介。兎にも角にも生成AIに触り始めることで、AIに対する理解を深め、AIスキルを身に着けて欲しい。第27回はChatGPTの「エージェントモード」でChatGPTを仕事の助手として使う方法について解説する。
AIエージェント元年とも言われる今年、使い始めるチャンス
「AIエージェント」という言葉がバズっており、今年はAIエージェント元年だとも言われている。言葉の意味を調べても、「環境を認識し、自律的に考えて行動することで、与えられた目標を達成する知的なソフトウェアやシステム」などと定義されるが、抽象的で理解しづらい。とはいえ、AIを活用するビジネスパーソンであれば、ぜひキャッチアップしておきたいところ。
そこで、AIエージェントが何かを勉強するよりも、まず触ってみることをお勧めする。手軽に使えるのが、ChatGPTの「エージェントモード」だ。有料プランで利用できる機能で、PlusプランやTeamプランが1ヵ月に約40メッセージ、Proプランが月に約400メッセージ利用できる。
ChatGPTエージェントでは、これまでの単なるチャットのやり取りとは異なり、ブラウザを操作するようなタスクを実行してもらうことができる。
試しに、以下のプロンプトを入れてみよう。ウェブサービスへのログインやスクロールなどが必要なので、通常のChatGPTでは対応できない内容だ。プロンプトを入力したら、「+」ボタンをクリックし、「エージェントモード」を有効にすればいい。
■プロンプト
Xにログインし、直近1週間に自分が投稿した内容についたコメントをチェックし、返信していないものをリストアップしてください。
すぐに、仮想ブラウザが起動し、Xのログインページを開いてログイン操作を求められるので、「引き継ぐ」をクリックし、ログインしよう。ログインできたら、「制御を終了」をクリックして、AIに操作権を渡せばいい。
ChatGPTエージェントはブラウザの画面を見ながら、自ら考え、どうやったら直近の投稿をチェックできるか試行錯誤する。画面を遷移し、スクロールさせ、コメントを探し、返信の有無を判断するのだ。
■出力
直近1週間の投稿は、2025年8月25日18時50分に投稿された「最近は暑いので散歩は早朝です」というポストのみでした。これに対して柳谷智宣(@yanagiyat)から「可愛いですね!」とのコメントが寄せられていますが、現時点でアカウントからの返信はありません。他の投稿は昨年以前のもので、1週間以内の投稿には他にコメントが付いていないため、返信が必要なのはこのコメントだけです。
まだ動作が不安定なところもあるので、何でもできるというわけではないが、アイデア次第で業務効率改善に役立てられる。
ChatGPTエージェントでテストしたプロンプト例
○Googleカレンダーにログインして、明日の予定をチェックし、準備するべき内容をリストアップして
○犬の散歩というテーマで子供向け絵本の内容を5ページ分作成して。1ページにつき、文章は子供向けで100文字程度。その内容にマッチした画像も生成してください。
○「※飲食店名※」について様々な情報サイトやグルメサイトを横断的に調査し、目立つ口コミを収集し、リストアップしてCSVファイルでください。
筆者は日々、ChatGPTエージェントを使い倒しているが、一番便利に使っているのは、単なるキーワード検索だけでは得られない横断的な調査や情報の抽出だ。特に、口コミサイトから欲しいニュアンスの情報を集めてくる時に役立つ。処理時間が長くなる点がネックだが、その間は休憩するなり、別の作業をすればいい。
画像生成もできるので、書籍やブログ記事の作成などにチャレンジしたが、これは難しかった。数ページ程度であれば作成できるので、社内マニュアルなどであれば対応できるだろう。
OpenAIのサイトで「4人分の和朝食を作るための献立を立てて、材料を購入してほしい」というサンプルプロンプトが公開されていたが、AIエージェントに何かを購入させるというのは現実的ではないと感じた。購入する際には人間の許可が必要なので自動化できないし、想定外のものをカートに入れることもある。そもそも、日本の環境だと購入できないことも多い。
とはいえ、ChatGPTエージェントを触ってみれば、AIエージェントの便利さは体感できるはず。ChatGPTのような生成AIがアシスタントであれば、AIエージェントは秘書やパートナーのように仕事をしてくれる存在だ。今後も、AIエージェントの性能向上とコスト低下が進むことは間違いない。今後のビジネスシーンで生き残るためにも、今のうちにAIエージェントを使い始め、AIエージェントの得手不得手を理解したり、業務で活用するスキルを身につけておくことをお勧めする。
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