第87回
クリアまでプレイした上で評価!
求めよ、さらば与えられん――『終天教団』伏線が1つに収束するカタルシスは唯一無二の面白さ!【PCゲームレビュー】
2025年09月03日 18時00分更新
●さよなら終天教団【クリア後感想】
クリアまでかかった時間は約45時間。たっぷりどっぷりとこの世界観に浸ることができた。まず5つのルートで最も印象に残ったのは恋愛アドベンチャー(?)。濃すぎる3人の女の子を口説き落とすルートだが、「全員ヤンデレじゃねぇか!」と全力でツッコミたい。放っておくと爆弾がさく裂してゲームオーバーとか、古き良き学園恋愛ADVの伝統を持って来たのにはちょっとクスッとした。
ほかだとやはり推理アドベンチャーは安定のおもしろさがあった。トリックの内容もなかなかぶっ飛んでいて、話の流れで「あぁそういうことだったのか!」と上手く気付かせてくれるシナリオの運び方はお見事。このルートについてはぜひプレイをオススメしたい。
ただ、極限脱出アドベンチャー、マルチ視点ザッピングノベル、ステルスアクションホラーはそれぞれ「苦手な人」には詰まりそうな要素があるのがネック。ヒントや助け舟は用意されているものの、全ルートやらないと物語の真相がわからないという仕様上、避けては通れないのがやや苦行に感じた。
全ルートを攻略し、すべての伏線が1つに収束する瞬間のカタルシスは筆舌に尽くしがたい。緊張感のある選択、知恵熱が出そうなほど悩むパズル、狂気を感じる演出、それらを乗り越えた先に待つ解放感。クリア後は思わず「さよなら終天教団…」とつぶやいてしまうほどには没頭できた。
これは本作だからこそ味わえる、バラエティに富んだ唯一無二のアドベンチャー体験だと言えるだろう。ぜひ、その目で「教祖殺害事件」を含むすべての謎の真相を確かめてみてほしい。
【ゲーム情報】
タイトル:終天教団
ジャンル:マルチジャンルアドベンチャー
販売:DMM GAMES
開発:Tookyo Games
プラットフォーム:Nintendo Switch/PC(DMM GAME PLAYER/Steam)
発売日:2025年9月5日 ※Steam版は16時より配信予定
価格:
通常版:6980円(パッケージ版/ダウンロード版)
豪華版:1万3580円(パッケージ版)
デジタルデラックス版:9180円(ダウンロード版)
CERO:D(17歳以上対象)
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