進化するMicrosoft 365 Copilot Copilot in ExcelでPythonを使って高度な分析を行う方法
2025年07月24日 09時00分更新
本連載は生成AIをこれから活用しようとしている方たちのために、生成AIの基本やコピペしてそのまま使えるプロンプトなどを紹介。兎にも角にも生成AIに触り始めることで、AIに対する理解を深め、AIスキルを身に着けて欲しい。第23回はCopilot in ExcelからPython in Excelを使用して高度な分析を行う方法について解説する。
どんどん使えるようになってきているCopilot in Excel
Copilot in Excelもバージョンアップを繰り返し、どんどん使えるようになってきている。初期の頃は英語版のみの対応だったり、表をテーブル化する必要があったりと、使いにくかったが、今ではそのままCopilotが起動する。さらに、Excel上でPythonも利用できるようになっており、高度な分析も行えるようになっている。
今回は、総務省統計局が公開している「世界の統計2025」からダウンロードしたExcelファイルを使ってみる。2013年から2023年までの世界各国の人口をまとめたものだ。
まずはExcelの「ホーム」タブにある「Copilot」アイコンをクリックすると、右側にチャット欄が開く。
「数式の作成」をクリックすると、表を分析して有用そうな数式を適用した列を追加してくれる。今回の表では、年間の変化率を算出し、年平均増加率を提案してくれた。問題なければ「列の挿入」をクリックすると適用される。アジアの中で唯一日本がマイナスというのが目立つ。
「色と書式設定の適用」をクリックすると、「次のすべてのセルを次のように強調表示する」というプロンプトが表示され、入力待ちになる。そこで、1億人(100万人単位なので数値が「100」)以上のセルを指定してみた。
分析が終わり、「適用」をクリックすると反映される。世界合計のところまで色がついているが、これはCopilotのせいと言うよりも、この表の作り方が原因なので仕方がない。通常のCopilotでは、合計行を外すという指示は実行してくれなかった。
Excel上でPythonを利用してみる
「Python in Excel」を利用するには、Copilotのメニューから「高度な分析」をクリック。確認メッセージが出るので、「開始」をクリックする。すると、新たに「分析」タブが作成され、必要なデータをコピーし、Pythonでコードを生成し、分析が始まる。完了すると、選択肢が表示され、ユーザーのプロンプトを受け付けるようになる。
今回は、人口の推移を折れ線グラフにしてもらった。通常のCopilot in Excelではグラフ化できなかったが、Python in Excelであればあっけなく成功。ただし、「世界」の合計行まで入ってしまっている。
そこで、プロンプトに「世界は除外して」と入力。すぐに、国だけのグラフを描画してくれた。口頭で処理を指示できるのは快適だ。Copilot in Excelに求めるのはまさにこの体験と言える。
インドと中国がダントツ過ぎて、他の国の水位が全くわからない。そこで、「2023年時点で人口が多い3位から13位のグラフにして」とプロンプトを入力。あっという間に求めるグラフが生成された。凡例も人口順になっている。
「Python in Excel」を起動時、緑色の「開始」ボタンの横に「Think Deeperの使用を開始」というボタンがひっそりと用意されている。これは、生成AIで推論し、より複雑な分析を行うモードだ。もちろん、その分処理に時間がかかるようになる。
人口推移の表を開き、「Think Deeperの使用を開始」をクリックすると、データを整理し、色々な角度で分析した。トレンドの分析までしていたので、「下降トレンドの国を折れ線グラフにしてください」と指示したところ、さくっと日本、イタリア、ウクライナのみの折れ線グラフを提示してきた。
すると、他のモードでは見たことがない「可読性を向上する」というプロンプト候補が出てきたので試しにクリック。自動的に軸の範囲やラベルなどのフォントサイズ、凡例位置などを調整したうえ、グリッド線も追加して可読性を大幅に向上させてくれた。
Copilot in Excelはなかなか使えるようになっている。ある程度、きちんと作られた表組であれば、Copilotでいろいろと処理できるようになっている。複数の見出し行や体裁調整の空白行、セルの結合などがある表だとうまく動作しないが、それは仕方がない。これからは、AIリーダブルな表を作るスキルを作るように心がけよう。その方が、データ活用が捗ること請け合いだ。
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