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MSIのATXマザーボード対応ミドルタワー「MAG PANO 100R PZ」レビュー

PC自作しやすい斬新デザインのピラーレスケースが登場。裏面配線スペースが広く、組み立て時間も短縮、見栄えも良し

2025年06月09日 11時30分更新

文● 石川ひさよし 編集●三宅/ASCII
提供: エムエスアイコンピュータージャパン

「MAG PANO 100R PZ」は通常マザーも「PROJECT ZERO」マザーも両対応

 ここで「MAG PANO 100R PZ」の「PZ」について説明しよう。この「PZ」は「PROJECT ZERO」の略だ。MSI PROJECT ZERO、いわゆる背面コネクタ・マザーボードに対応していることを意味している。背面コネクタ・マザーボードは、従来表面を向いて実装されていたATX24ピン、EPS12V、ファン用電源といったコネクタ、LEDやフロントオーディオ、フロントアクセスパネル用のヘッダーなどがマザーボード裏面向きに実装されている。「MAG PANO 100R PZ」はこうした背面コネクタ・マザーボードのコネクタレイアウトに合ったホールが用意されており、また背面コネクタであっても配線に際して問題ないスペースを設けた設計になっている。

 それではMSI PROJECT ZERO対応マザーボードを組み合わせた際のイメージもご覧いただこう。なお、撮影に使用したZ790 PROJECT ZEROはサンプル製品のため、日本では現在未発売だ。

「PROJECT ZERO」マザーボードの組み込み例

通常マザーボードの組み込み例

 いかがだろうか。通常マザーボードでもできるだけケーブル露出を減らすよう組んでいる。今回黒いマザーボードなのでさらに目立ちにくいものの、それでもやはりケーブルが気になるだろう。左側面から見ると、EPS12Vはほとんど見えないとしてもATX24ピン、その下のUSB、マザーボード下辺の各種ヘッダーやファン電源など、裏面に引き回しているとはいえ多少目に付くケーブルがある。一方、「PROJECT ZERO」マザーボードはそうしたものが一切表面から存在を消す。むしろ空きスペースが目立つので、ライザーケーブルを買い足してビデオカードの垂直配置に挑戦したり、冷却強化を狙って底面ファンを追加したりとカスタマイズを楽しんでほしい。

「PROJECT ZERO」マザーボードの組み込み例

LEDがケーブルで遮られることが減るためきれいに見える

通常マザーボードの組み込み例

これだけ見るとすっきりしているが、写真を見比べると違いは一目瞭然

 このあたり、実運用視点でも見てみよう。左側面からの視点では、とくに下辺のケーブルは暗がりに位置するので案外目立たなくなるが、ATX24ピンは逆にLEDに照らし出される印象だ。また、椅子に座った状態から机上のPCを見る左斜めから視点では、ATX24ピンやUSBケーブルなどの高さのあるところがけっこう目立っている。そのうしろにあるメモリの一部が隠される格好だ。ここを見比べてほしい。「PROJECT ZERO」マザーボードではメモリがしっかり見えている。このスッキリした見た目は背面コネクタ・マザーボードでしか得られない。

 もちろんMSI PROJECT ZERO対応マザーボードは通常マザーボードよりも選択肢がまだ少ない。背面コネクタ・マザーボード全体に拡大しても同様だ。ここで組み立てたように、「MAG PANO 100R PZ」はどちらにも対応している。「MAG PANO 100R PZ」のデザインに魅力を感じつつ、通常のマザーボードが使いたいという方もOKだ。背面コネクタ・マザーボードの選択肢が充実してきた頃に組み換えといったプランもとれる。

 そしてそうした方にひとつ朗報をお届けしよう。記事で使用したマザーボード、Z790 PROJECT ZEROは日本未発売だが、Z890を搭載したPRO Z890-S WIFI PZが5月2日に日本でも発売された。同じくホワイトシルバーのカラーで背面コネクタ仕様。このようにMSI PROJECT ZERO製品は今後も登場する。「MAG PANO 100R PZ」は両対応であるし、MSI PROJECT ZEROも一代で終わるものではない。ここは安心してほしい。

MAG PANO 100R PZ詳細ページ
MSIサイト

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