週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

塗って乾けば滑り止めになる液体ゴム

“ピタッ”と欲しいところにピンポイントで効く「すべるのきらい」を使ってみた

 速乾性はないため、足りなければ後から追加しても大丈夫。まずは、少な目に出して、どんな風に塗れるかを確認するといいでしょう。

 手順としては、テンプレートをあてて液体ゴムをのせ、ヘラでテンプレートの穴越しに塗る、というもの。テンプレートが薄いことからもわかる通り、液体ゴムを高く盛る必要はないのでサッと終わります。

 ただし、星形は角までしっかり塗るのが難しく、しつこく何度もヘラでいじっていると、液体ゴムがテンプレートの下に入り込んではみ出してしまいます。形があまりキレイにならなくても滑り止めの効果は変わりないので、あまり気にしないのがコツでしょうか。

星形は端まで塗るのが意外と大変ですが、多少の失敗は気にしない方向で

 まず、テンプレートの穴ごとに十分な量の液を塗布。次に、ヘラで先端で角へと広げます。最後の仕上げに、ヘラで押し込むように伸ばす……という方法が、何度か試してよさそうだと思いました。

穴ごとに液体ゴムを出し、角をちくちく突くように塗ると、抜けが減ります

 手間はかかりますが、この方法だと角の抜けが少なくなりました。面倒であれば、星形ではなく丸形を使うほうがいいでしょう。こちらだと角がないので、最初からヘラで押し込むように伸ばすだけでOKです。

丸形なら、ヘラで数回なでるだけでキレイに塗れます

 乾くまでの時間は塗る厚みにもよりますが、大体3時間くらい。水性なので、テンプレートとヘラは余分な液体ゴムを拭き取った後、水洗いすればキレイになります。

●布などの繊維状のもの以外には使えない? 実験してみた

 説明には「繊維状の物ならなんでもOK!」とありますが、プラスチックなどには使えないのでしょうか。気になったので、アクリル板と3Dプリンターの出力品(PLA)に塗ってみました。

樹脂素材に塗って乾かしたところ。見た感じ、大丈夫そうですが……

 ちゃんと滑り止め効果も出ていますし、母材が溶けたりする様子もなく、問題なさそうに見えます。

 では、どうして繊維状の物に限定されているかというと、そうです、剥がれやすいのです。爪を引っかけて剥がしてみると、簡単に剥がれました。

アクリルもPLAも簡単に剥がれてしまいました

 元々接着力は高くなく、繊維を絡め取り込むことでくっつくのでしょう。なので、プラスチックのような平らでスベスベしたものだと剥がれやすくなってしまいます。

 試しに皮手袋にも塗ってみましたが、表面の毛羽立ちくらいしか繊維状のものがないため、強めに引っ張ると剥がれてしまいました。

革へも一応くっつきますが、強い引っ張りには勝てません

 布でも目の詰まったツルンとした感触のものは剥がれやすそうですね。

 これを逆手に取ると、プラスチックでも凹凸が激しいもの、網状になっているものであれば、剥がれにくくできそうです。3Dプリンターの出力品に使うなら、わざと底面にメッシュパターンを作っておくのもアリじゃないでしょうか。

●アイディア次第で工作が便利になるかも

 今回は主に軍手の滑り止めとして考えてみましたが、作業用エプロンのポケット内側に塗って中身が滑り落ちないようにするとか、ベルトの滑りやすい部分に塗るなど、応用範囲はアイディア次第で広がります。

 また、剥がれやすいというのを理解したうえで、プラスチックや金属に使うのもアリ。滑り止めとしてではなく、剥がせる緩衝保護被膜、部品間の擦れを防ぐ保護材といった用途で使うのも面白そうです。

 個人的にやってみようと思ったのは、綿手袋。撮影対象に指紋を付けたくないときにはめている手袋ですが、指先が滑って困ることが結構あって……。あとでちょっとやってみようかな。

撮影時に使う綿手袋。指先とか爪のあたりに滑り止めがあると、役立ちそうです

●お気に入りポイント●

・実売で900円以下と安い

・水性で扱いやすい。乾けば洗濯もOK

・滑り止め以外の用途にも使えそう

■関連サイト

■Amazon.co.jpで購入

この記事を書いた人──宮里圭介

 PC系全般を扱うフリーランスライター。リムーバブルメディアの収集に凝っている。工作が好きだが、最近あまり時間が取れないのが悩み。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事