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メールもLINEもできないし、USBメモリーも使えない(可能性大)

あなたのお子さんが学校で借りてきた端末、何ができるか知ってますか?

2025年03月31日 15時00分更新

毎月一回、「子どもとデジタルセキュリティ」を考えるきっかけになるような記事をお届けします!

あなたのお子さんは学校から貸与された端末を使ってますか?

 これから数回に渡って、毎回テーマを設定しつつ、子どもが扱うデジタル端末のセキュリティやプライバシー、使い勝手などについてASCII.jp執筆陣の生の声をメインにご紹介できればと思います。初回は「小中高の子どもたちに学校から貸与されるようになった端末の使い勝手は?」です。

 まずはASCII.jpのX(Twitter)アカウントのアンケート投稿から、「学習用端末のセキュリティ対策」を聞いてみた回をピックアップすることから始めてみましょう。

【アンケート📝】
学習用端末のセキュリティ対策
小中高生もしくは、小中高生の保護者に質問です🤗
学校から貸与されたPC・タブレット類のセキュリティ対策についてお答えください!

1. セキュリティ対策アプリが有効になっている……29.2%
2. 対策アプリは入っているが自分or学校側が無効にした……8.3%
3. 対策アプリはインストールされていない……33.3%
4. わからない……29.2%

 アンケートへのご回答、ありがとうございました! 今後もこういった試みを続けていきますので、見掛けた際はぜひご参加ください。

 結果は上記の通り。貸与端末のセキュリティ対策を問う内容でしたが「導入済/未導入/不明」がほぼ同数でした。不明はともかく、政府のGIGAスクール構想に沿って貸与されている端末なのに、なぜ導入済と未導入で真っ二つに分かれるかと言えば、端末の機種や使い勝手の設定は全国の自治体に委ねられているからです。そのためアプリの導入具合にも違いが出ているわけですね。

 できる限り制限なしで使ってもらおうとする自治体もあれば、課題の作業・提出に必要な機能以外はすべてNGにしている自治体もあるようです。では次に、お子さんをお持ちのASCII.jp執筆陣に学校貸与端末の実際を直接聞いてみましょう。

家庭でセキュリティ対策を考えるまでもないほどガッチガチ!?

 今回はお二人からお話をうかがいました。さまざまなアプリのTIPSを保護者目線で解説する「親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定」を週刊連載中のITジャーナリスト・成蹊大学客員教授の高橋暁子さん、そしてたびたびセキュリティ対策製品のレビューなどをご寄稿いただいているライターの二瓶朗さんです。

高橋暁子さん。全国各地を巡る講演での経験なども含めておうかがいしました

二瓶朗さん。お子さんのエピソードも含めて広く語っていただきました

―― 学校によって運用がだいぶ異なると聞きましたが、実際は?

高橋 実は貸与端末って学校別ではなく自治体によって異なります。それはセキュリティ対策、制限内容にも及んでいます。

 私が取材した範囲ですと、新宿区はじめいくつかの自治体は「せっかくのGIGAスクール構想なのだから『使ってナンボ』。だから縛りはできるだけないほうが良いだろう」というお考えで、ほぼ制限がありません。

 一方、息子の中学校がある自治体では、TikTokなどSNS全般が弾かれており、なぜかWikipediaも閲覧できませんでした。つまり、各自治体ごとに異なるフィルタリングをかけており、しかも保護者はそうしたフィルタリング設定を変更できないようでした。夜10時で使えなくなるという制限をかけた自治体もありましたね。

 加えて、外部とのやり取りも制限をかけているようで、息子のケースですとWi-Fiをつなぐことはできるのですが、メールは使えません。その結果、「私のスマホで撮影した画像を息子の学校端末に送信する」といったことすらできないのです。なぜならメールだけでなく、家庭の判断によるアプリの追加も困難なため、DropboxなどのクラウドサービスやSNSのメッセンジャー系も使えないからです。

 代わりと言ってはなんですが、クラスメイトと端末越しにコメントし合うことはできます。要は、学校環境の外側とのアクセスを遮断したいのでしょう。

 あるときは息子が、「どうしても端末内のファイルを印刷したい」というので四苦八苦した挙句、私のスマホで息子の端末の画面を直接撮影して、その画像を印刷した、なんてこともありました。『不便だな……』と感じましたね。

 ちなみに息子は春から高校生で、学校が推奨するスペックの端末を購入したのですが、学校での運用はまだなので(注:取材は3月)、勝手にアプリを追加したりすると不都合があるかもしれないと思い、ノータッチです。

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