屋根の上の猫。猫って、屋根の上で日差しを浴びながら昼寝してるイメージありません?
あるよね。あれ、何でだろう。特に冬、日なたの屋根の上でのんびりと昼寝してる猫って似合うのだけど、意外にそういうシーンに出合うことって少ない。私がいつも下のほうばかり見て歩いてるからかもしれないけど、年に1~2回だ。
そのせいか、たまに屋根の上にいる猫と出合うとうれしい。でも、そういうときに限ってカメラを持ってないのである。なんてこった。屋根の上って遠いから望遠が欲しいのだけど、スマホしかなかったりするのだ。
でも、猫がいたら撮る。わかりますかね。廃墟っぽい、よれよれのおうちのベランダあたりに黒猫がいる。
といっても、見えてるのは耳だけ。試しに、3つほどの生成AIに「この写真に猫が写ってるけど、どこにいる?」と尋ねてみたら、GoogleのGeminiは「猫は見つかりません」と言い、XのGrok-2は、「猫はいません。猫の生成もできますが、しますか?」ととんでもない提案をしてくる始末。やはり耳だけでは難しいか、顔が見えないとだめかと思ったら、ChatGPTは優秀だった。
「写真を確認したところ、バルコニーの手すりの下、錆びた鉄の梁の上に黒っぽい猫が座っているのが見えます。猫は周囲の色とよくなじんでいるので、少し見つけにくいですが、耳がピンと立っているのがわかります」と答えてくれたのである。見つけるのみならず、その場所まで具体的にわかりやすく教えてくれるとはさすがだ。
で、このときは、たまたまちょっと望遠に強いサムスン電子の「Galaxy S25 Ultra」を持っていたので、10倍ズームにし、腕をうんと真上に伸ばして少しでも高い位置から顔が見えるように撮りたい、と頑張ったら、猫も「何かいるぞ」ってんでこっちをちらっと見てくれた。

「Galaxy S25 Ultra」の10倍ズームで、顔をちょっと出してくれた瞬間をゲット。にしても、どう見ても廃屋である。たぶん、人は住んでない(猫は住んでるかもしれない)。2025年2月 サムスン電子 Galaxy S25 Ultra
ここまでくれば、誰が見ても猫だ。
そういえば、屋根猫を見つけたときに限ってスマホしか持ってなかったりするのは、もう巡り合わせかもしれない。3年前の2月(やはり冬だった)に見かけたときも、スマホしか持ってなかった。屋根とベランダの間に上手に入って、くつろいでるのがわかるだろうか。
7年前の9月(このときは9月だから寒くはなかったけど)に見かけたときも、スマホしか持ってなかった。こちらも、ベランダのすぐ横にいる。家の中からベランダを通って外に出てるのかも。
スマホばかりでも寂しいので、昔撮った猫写真からデジカメで撮ったものを探してみた。
最強なのは、これかな。青い屋根の上で日なたぼっこしてたハチワレ。このときは、望遠に強いコンパクトデジカメを持っていたのだ。
実は、この猫がいたのは東京都港区の青山。大都会の民家に猫がいたってんで、びっくりして撮ったのである。9年も前の話なので、さすがにもういないだろう。
家の屋根じゃなくてもよければ、これなんかどうだろう(冒頭写真)。公園の砂場の上にかかっている日よけ屋根に、猫がうまいこと乗っていたのだ。屋根の下に緑のネットが張られているのは、たぶん猫避け。砂場に猫が入らないように……具体的には猫トイレにされないようにってことだろう。
カーポートの屋根ってのもいい。半透明だったりすると、猫の体がほんのり透けて見えるのがまたオツである。
最後は、しっかりした屋根猫写真で締めよう。5年前のだけど、家の屋根の端っこにちょこんと座ってたのだ。
まさに屋根猫である。そういえば、この写真も冬だった。
というわけで、今年は這いつくばるばかりではなく、いくらかは上を向いて歩いてみようかと思う次第である。
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筆者紹介─荻窪 圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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