Thunderbolt 5でSamsung SSD 990 PROが脅威を発揮!
M4 Pro搭載Mac mini(2024)の最速ストレージを徹底検証! 内蔵SSDより高速な外付けSSDがあった
2025年03月17日 10時00分更新
本体ストレージより速いThunderbolt 5エンクロージャー+990 PRO
計測は「AmorphousDiskMark 4.0.1」を使用。外観は「CrystalDiskMark」とそっくりだが、テストエンジンが違うので、厳密にはCrystalDiskMarkの結果とは比較できないものの、ほぼ同様の結果が得られるとされている。検証は、CrystalDiskMarkのデフォルト設定と同様にデータは1GiBのランダムデータとし、「シーケンシャル1MQD8」「シーケンシャル1MQD1」「ランダム4KQD32」「ランダム4K QD1」の4つを計測している。
まずは、T7から。結果は、Thunderbolt 5のほうがUSB 3.2 Gen2よりわずかに速いが、T7のもつ性能、特にシーケンシャルリードの性能が発揮しきれていない。念のためWindowsの環境でUSB4に接続して計測したところ、ほぼT7の公称値に近い値を出したので、製品の不具合ではないようだ。どうもM4 Pro Mac miniとの相性の問題のようである。
続いて、T9を計測。結果は、こちらもT7と同様にThunderbolt 5のほうがUSB 3.2 Gen2よりわずかに速かった。ただ、Thunderbolt 5に接続してもシーケンシャルリードで1012MB/秒と、やはりT9の性能をフルには発揮していない。これはM4 Pro Mac miniのThunderbolt 5ポートにおける下位互換の仕様がUSB 3.2Gen2x2(20Gbps)ではなく、USB 3.2 Gen2(10Gbps)であることを意味する。
次に、990 PRO+OWC製Express 1M2 エンクロージャーを計測。結果は、USB 3.2 Gen2ポートではT9と同等の速度だったが、Thunderbolt 5ポートではエンクロージャーの仕様であるUSB4の40Gbpsという性能を発揮し、シーケンシャルリードで3415MB/秒まで伸ばした。
最後に、990 PRO+Acasis製TB501 エンクロージャーを計測したが、USB 3.2 Gen2ポートではストレージが認識されなかった。これはTB501エンクロージャーがUSB 3.2 Gen2接続に対応したブリッジチップを搭載していないためであり、仕様としては正しい挙動となる。
一方、Thunderbolt 5ポートではシーケンシャルリードが7051MB/秒、シーケンシャルライトが6242MB/秒と、本来の990 PROの性能より若干劣るものの、非常に良い結果になった。
そして、M4 Pro Mac miniの内蔵ストレージを計測したところ、シーケンシャルリードで6450MB/秒、シーケンシャルライトで4682MB/秒と、990 PRO+Acasis製TB501エンクロージャーの組み合わせのほうがはるかに凌駕していることがわかった。もちろん、購入時にストレージ容量が選択できるので、ほかの容量の場合はより高速のSSDが使用される可能性もあるが、少なくとも512GBモデルの場合は、NVMe SSDとエンクロージャーの組み合わせによっては外付けストレージのほうが速いという結果となった。
用途に合わせてストレージを選択しよう
今回の結果から、M4 Pro Mac miniのポートは、M4 Pro Mac mini背面のThunderbolt 5ポートの下位互換はUSB 3.2 Gen2x2非対応でUSB 3.2 Gen2対応であること、前面のUSB-CポートはUSB 3.2 Gen2対応であることがわかった。この結果から、速度だけ求めるなら990 PRO+Acasis製TB501 エンクロージャーをThunderbolt 5ポートへ接続して利用するのがベストだ。
気になる価格だが、TB501の価格は269ドル(約3万9600円)なので、990 PROの1TBモデル(実売価格2万1500円前後)と組み合わせても約6万1100円となる。これは、Mac mini Proのストレージ選択で、1TBだとプラス3万円なので、そちらのほうが割安だ。ただ、2TBだとプラス9万円、4TBだとプラス18万円となり、990 PROの2TB(実売価格2万2000円前後)、4TB(実売価格5万1500円前後)の価格を踏まえても、TB501との組み合わせのほうがかなり安く、それでいて性能的にも申し分ない。ストレージ容量を増やすなら、Thunderbolt 5ポートを活用するのがお得なようだ。
今回利用したTB501は、Thunderbolt 5/4、USB4に対応しUSB 3.2への下位互換性がないため、もしUSB 3.2の環境でも使用するのであれば、USB 3.2 Gen2対応のブリッジチップも搭載する上位モデルの「TB501 Pro」(299ドル:約4万4000円)をおすすめする。
こうした検証から、M4 Pro Mac miniでストレージを増量したいなら、Thunderbolt 5に対応した外付けSSDや今回のようにNVMe SSD+エンクロージャーという組み合わせを利用するのが、性能的にも価格的にも最適だということがわかった。クリエイティブな作業だと、ストレージ容量は死活問題なので、今回の結果を踏まえてストレージ増設を検討してみてほしい。
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