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G-Master Spear Mini B850Aをレビュー

Ryzen 7 9800X3Dを選択できるめちゃコンパクトなゲーミングPC、FF14なら4K、黒神話ならWQHDでも快適

ミニタワーPCは冷却能力がポイント

 性能を語る上でまず押さえておきたい部分、それはCPUクーラーの実力だ。G-Master Spear Mini B850Aの試用機ではNoctua「NH-D15 G2」を搭載。140mmファンを2つ搭載した大型空冷クーラーだ。

 Noctuaは動作音を抑えながらも、よく冷える空冷クーラーを多数輩出している名門だが、NH-D15 G2はかなり巨大で搭載できないPCケースもあるほど。それが小型のPCケースに無理なく収まっているというだけでも、なかなかインパクトがある。

Ryzen 7 9800X3Dを選択できるめちゃコンパクトなゲーミングPC FF14なら4K、黒神話ならWQHDでも快適

CPUクーラーも巨大だが、ビデオカードも厚み70mmでかなり大型だ

 これだけみちみちだと通気性が不安になるものの、PCケースはメッシュの部分が多いので問題ない。また、風量が多い140mmファンを2基も採用しているため、吸引力不足でヒートシンクへ風を送り込めないといった心配もいらないだろう。CPUクーラーから出た熱風は、すぐうしろのPCケースファンで外へスムーズに排出レイアウトも安心材料の1つだ。

 試用機のCPUは「Ryzen 7 9800X3D」。最新のZen 5アーキテクチャーをベースに、第2世代3D V-Cacheを搭載したCPUで、ゲーミング性能の高さで人気を博している。市場では品薄状態が続いているが、そんなCPUでもBTOで選べるところも本機の魅力だろう。なお、CPUについての詳しい解説と実力を知りたければ、加藤勝明氏のレビュー記事を参照してほしい。

Ryzen 7 9800X3Dを選択できるめちゃコンパクトなゲーミングPC FF14なら4K、黒神話ならWQHDでも快適

Ryzen 7 9800X3Dは、96MBのL3キャッシュを備えて、ことゲーミングに関しては無双状態だ。一方で、TDP 120Wは同世代のRyzen 7の中ではかなり高めな部類

 まずはCPU負荷が高いベンチマークソフト「Cinebench 2024」を用い、Multi Coreテスト実行後に、どこまで温度が上昇するのか調べてみよう。このソフトはCGレンダリング速度からCPUの性能を測ってくれるもので、「pts」という単位の独自スコアで結果を表示する。このスコアーが高ければ高いほど、高性能なCPUとなる。

 環境は違うものの、先のレビュー記事で掲載しているスコアー(Multi Core:1313pts、Single Core:132pts)を参考に、G-Master Spear Mini B850Aの結果が妥当なものかどうかもチェックしたい。

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Cinebench 2024の結果

 結果はMulti Coreが1334pts、Single Coreが133pts。360mmラジエーターの簡易水冷クーラーで、強力に冷却している参考記事のスコアーよりも上回った。ゆえに、冷却性能は十分間に合っていると言える。

 では、その時のCPU温度はどの程度なのか? Multi Coreテスト終了直前の様子をモニタリングソフト「HWiNFO64 Pro」でチェックしてみた。

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Multi Coreテスト終了直前のCPUの状態

 CPU温度(Tctl/Tdie)は最大73度、平均でも69.7度とかなり低く推移。冷却性能は十分すぎるほどで、これなら安心して利用できる。また、CPU動作の各制限パラメーター(CPU PPT Limit、CPU TDC Limit、CPU EDC Limit、CPU PPT FAST Limit、Thermal Limit)も1つとして100%(つまり、上限)まで達していないので、かなり余裕がある状態と言える。

3DMarkの結果も異状なしの高水準

 G-Master Spear Mini B850Aの試用機は、ビデオカードにGeForce RTX 4070 SUPER採用モデルを搭載しているので、高いゲーミング性能が期待できる。ビデオカードは「Silent Master Graphics RTX4070 SUPER 12GB」。長尾製作所に特注したファンカバーで覆い、Noctuaのファン「NF-A12x25 PWM」を2基装着したサイコムのオリジナルビデオカードだ。

 高い性能を備えながら、一般的なビデオカードよりも静かに運用できるモデルとして、静音BTOパソコン「Silent Masterシリーズ」を中心に広く採用されているが、本機ではBTOカスタマイズで選べる。

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試用機では、サイコムオリジナルの静音ビデオカードを搭載

 まずは3Dグラフィックス性能を見るため、定番ベンチマークソフトの「3DMark」から試していこう。まずは、負荷が最も重い「Speed Way」の結果をご覧いただこう。

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3DMark:Speed Wayの結果

 スコアーは5272と高水準。同じような構成においては平均値で、空冷CPUクーラーだから、静音ビデオカードだからというハンデはなく、しっかり性能が出せていた。なお、Speed Way以外の結果は以下にまとめたので、ご自身のPCとの比較などに役立ててほしい。

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3DMarkの結果(まとめ)

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