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ここまで変わる!? 実機で体験した音質進化の最前線

7つの注目製品で知る「冬のヘッドフォン祭 mini 2025」

2025年02月09日 11時00分更新

真空管かトランジスタか、それが問題だ! 「SHANLING M8T」

 ノスタルジックな外見と音により、根強い人気を持っているのが真空管だ。初段から出力段まで真空管を使うとかなり大きなサイズになってしまうが、初段は真空管、出力段はトランジスタのハイブリッド構成にすればDAPに組み込むことが可能だ。

 各メーカーから、そんな製品が発売されているが、SHANLINGからもRAYTHEONのJAN6418真空管を搭載したDAP「M8T」が参考出品された。DACにはAK4499EX+AK4191EQ×2を搭載。駆動はトランジスタモードと、チューブモードではトライオードとウルトラリニアが選べるという凝った仕掛けになっている。

 トランジスタモードでも華やかな音に繊細な響きがあり、こちらが真空管モードかと思ったほどだが、真空管のウルトラリニアに切り替えるとさらに細かい響きがフワッと乗ってきた。時間切れで三極管モードは試せなかったが、こちらの方がさらに真空管らしい音になるに違いない。発売は3月上旬予定、予想価格は27万円ぐらい。

「SHANLING M8T」アプリで真空管モードを選択している。

左側面には操作系のボタンが3個ある

右側面にはプッシュできるダイヤル式のボリュームがある。

ケースを開けてのぞくとほのかに真空管の明かりが見える。

DACチップ交換式ヘッドホンアンプ「D-10VN[16BIT VINTAGE]」

 DACで音が変わるという話が真実かどうかを知る手がかりになるDAC内蔵ヘッドホンアンプが登場した。1980~90年代にCDプレーヤーで人気のあった16ビットDACを基板交換で聴き比べられる機能を搭載する。交換可能なDACは、Burr-Brown、SONY、PHILIPSで、1ビットのMASH対応基板も開発中とのこと。出力はライン出力とφ4.4mmバランスである。

 早速、バランス接続でイヤモニに出力してみる。当時の音がよみがえると思い込んでいたが、意外にも現代にも通用する音だった。特に好印象だったのが、SONY CX20152である。クッキリとした輪郭で女性ボーカルの艷やかな感じも再現された。Burr-Brownは輪郭が太く、さらにウォームで厚みのある音だった。PHILIPSの音は当時に近く繊細で細かいサラサラした印象だ。

 現在、GREENでクラウドファンディング実施中(3月18日まで)。終了後は一般販売となり、メーカー希望小売価格25万9800円を予定している。

「D-10VN[16BIT VINTAGE]」はデジタル入力3系統を搭載、フロントにはUSB-C端子があり、スマホにも手軽に接続できる。

DAC基板は工具不要で簡単に交換できる。

試聴した3種類の基板、左からBurr-Brown、SONY、PHILIPSだ。

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